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Cherish the 1 day 1 day

作者: MAIKA



『きゅうにとまってどうしたの??』


『さわー!はやくいこー!』


『なにしてるのー?はやくはやくっ!』


『ちょっとまってよー!たかちゃん!まーくん!あーちゃん!』



「……い…わ?咲羽っ!」


「え?!あ、はいっ!」


「どうしたの?さっきからぼーっとしてたけど…」


「え?あ、何でもないよー!」


「そう?」



私の名前は宮瀬 咲羽

今日から中学三年生!

さっき私に話しかけてきた子は私の幼馴染みの中の1人、結城 彩

通称、あーちゃん

生まれた時からずっと一緒なんだ


あーちゃんの他にも私の幼馴染みは2人いる


有野 崇史

通称、たかちゃん


久保田 将生

通称、まーくん


この2人もあーちゃんと同じ


よく4人でバカしてたなぁ…


毎日毎日4人一緒だった

これからもずっと一緒にいれると思ってた



だけど小学4年生になる前の春休み、たかちゃんが香川県に転校した


親の転勤で。

私たちはそのことを全く知らなくて、4年生になってクラス替えの時に貰った名簿の中にたかちゃんの名前がなかった


1組から3組まで隅々探したけどどこにもなかった


3人でその事について話してたら先生に呼ばれた


そしたらたかちゃんは親の転勤で転校したと言われた


私たちは呆然とするしかなかった


転校したってことに対しても悲しいけど、その事について言ってくれなかった事の方が悲しかった



それから月日が経って私たちはとうとう中学三年生に…


私とあーちゃんはたかちゃんが転校してからも一緒にいるけど、まーくんとはそれからあんまり話していない



「咲羽ってばー!さっきから何考えてるの?」


「んー?ちょっとたかちゃんのことをね〜」


「たかちゃん…か……

久しぶりに会いたいなぁ」


「めっちゃ遠いってわけではないんだけどなぁ」


「香川県と大分県だから微妙な距離なんだよね…」


そう。私たちは大分県に住んでいるんだ

大分県って魚が美味しいんだよ!

その中でも1番魚が獲れる佐伯市って所に私たちは住んでるの


「あーあ!!たかちゃんともう1回会いたいなぁ」


「それな!」


たかちゃんの話で盛り上がっていたら後ろから走ってくる音が聞こえた


「咲羽!彩!」


「え…まーくん?どうしたの?」


「そんな慌ててどーした?」


珍しく私たちに話しかけてきたまーくんこと将生


「それがさ、今日転校生が来るんだって!」


「……で?」


興奮気味に言ったまーくん

それに対してあーちゃんが意味がわからないと言った表情で聞き返した


「その転校生がたかちゃんかも知れねぇーんだよ!」


「うそ……」


「ちょ!それマジ?!」


テンションMAXなあーちゃんたち

それに比べて私は呆然とその場に立ち尽くしてしまった


「さっき先生が話してるのを聞いたんだよ!」


「ヤッター!たかちゃんに会えるの?!」


2人が話している声が遠くから聞こえてくる感じがした


その時、教室のドアが開いた


私はドアが開いた音で正気に戻った

そして慌てて自分の席に座った



「転校生を紹介すんぞー。有野ー入れー」


先生が転校生を呼んだらその転校生が教室に入ってきた


それと同時に私たちと同じ小学校の人たちがザワザワし始めたのがわかった


_たかちゃんだ……


顔を見たらすぐに分かった

前よりも大人っぽくなっているけど昔の面影は消えていない


そしてその人たちが一斉に私とあーちゃん、そしてまーくんを見た


さっきのテンションはどうしたのか私以外の2人も呆然としていた


本当に転校してきたのがたかちゃんとは思わなかったのだろう


たかちゃんは教室内を見渡してから言った


「有野 貴文です。よろしくっ!

……久しぶりだな、咲羽、将生、彩」


ザワザワしていた教室が一気にシーンとした


「お、もう知り合いがいるのか」


「はい。元々こっちに住んでいたので。」


「そーなのか。じゃあ席は宮瀬の隣でいいな。今日は話すことは何も無いからHRは終わりでいいか。1限の準備しろよ」


そう言って教室から出ていった先生


たかちゃんは私の席の前に立った

そして満面の笑みで笑った


「これからよろしくなっ!咲羽!」


「たか、ちゃん……?本当にたかちゃんだよね?」


「おう!」


「久しぶりだね!……おかえり、たかちゃん」


「ただいま。咲羽」


「たかちゃん!!久しぶりだな!!」


「久しぶりー!たかちゃん」


「おっ!将生に彩じゃねぇーか!」


私たち4人は久しぶりに会ってテンションが高くなって私たちだけの空間に入り込んでいた



いつもより周りがキラキラして見えた

いつもより時間が経つのが早かった


ずっと笑顔でいれた

ずっと頬が緩みっぱなしだった



_今までの中で最高の1日だと思った_



これから何が起こるかわからない


大切な友達がどこか別のところに行くかもしれない

大切な友達といつか離れる時が来るかもしれない



だからこれからは1日1日を大切に生きていこう



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