プロローグ
あたしの名前は畔蒜佳子。
アビルヨシコ。
苗字も名前も好きじゃない。
今どきジョシの名前としてはちょっとどうよ??
みんなはあたしをアヒルって呼ぶ。
何で「アヒル」って呼ばれるようになったかって言うと、 もちろん「アビル」って苗字が一番の理由ではあるんだけれど、 もし、あたしの苗字が山田とか鈴木だったとしても、 きっと「アヒル」と呼ばれる事になるんだろう。と、あたしは思う。
おでこが広く、ハの字に下がった情けない薄眉毛。
目は丸く小さく、それなのに口だけ大きく平べったい。
しかも黙っていると、勝手に唇の端が下がって、いつもつまらなそうなへの字口。
その口元が、不満たらたらなドナルドダック。
といった印象を見る人に与えるらしい。
そして、あたしの行動。
自己主張も個性もなく、人の後ろをヨチヨチ付いて歩く姿が アヒルそのものなんだと思う。
でもね、そんなあたしにも一つだけ、自慢できるコトがあるんだ。
それはね……
おっぱいの形がキレイだってこと!
さて。
つまらない自己紹介はこれくらいにして、 そろそろ聞いてもらっちゃおうかな。
あたしの、あの仲間たちとの思い出を。
今も忘れられない、あのサーファー達との思い出を。
バカバカしくもちょっと切ない、サーファー達のラブストーリを……