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妄想ファンタジスタ  作者: 弥生遼
インターミッションⅣ
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~第二幕への誘い~

 ほう。

 あの少年はついに力に目覚めたのか。

 不完全だった少年の『創界の言霊』。その力を完全なものにしたようだ。

 あの少年は力が不完全であるが故に、己の力を行使することに枷をはめていた。これでその枷が外れるだろうか。

 世界を思うがままに変えてしまう力。

 あの少年は、その力を行使したいという誘惑にどこまで耐えられるだろうか。

 耐えれまい。人間というのは己の欲望に枷をはめれない生物なのだ。

 そう。かつての自分のように。

 しかし、これでいい。これで世界は大きく歪む。

 少年の力が、大きく世界を歪ませる。


 いよいよ、第二幕といったところでありましょう?


 眼前に全身をマントを覆い、フードをかぶった男が立っていた。


 「そのようだな。しかし、その割には手緩いのではないか?」

 私が問うと、フードの男は忍び笑いを漏らした。

 「ちょっとした座興でございますよ。ここは物語の集まる世界。少しは物語を盛り上げませんと」

 面白くございません、とフードの男は続けた。

 「その方からすれば面白いかもしれんが、あまり時間をかけるのもその方の本意であるまい」

 「さてさて、どうでありましょうか」

 「預言者などと騙って『魔法少女マジカルカノン』の世界に入り込んでいるのだ。相応の働きをもっと見せるのだな」

 「御意」

 フードの男がすっと視界から消えた。有能だが腹の中では何を考えているのか分からぬ不快な奴だ。

 さて。

 気を取り直す。物語は兎も角として、あの少年の行く末は楽しみである。

 あの少年も膨張した妄想のために世界を壊すのだろうか。かつての私のように。

 そして失ったものを捜すために世界を壊し続けるのだろうか。現在の私のように。

 私の名前はザイ。

 かつて過ちを犯し、その罪科に囚われている存在。

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