『教通、速記を仏道と思い、頼通にひざまづくこと』速記談2008
藤原頼通公が太政大臣に任じられ、お礼を申し上げるために参内なさった折、異母弟の左大臣藤原教通公が、地にひざまずいたという。同じく異母弟の権大納言藤原能信卿がこれを聞いて、大臣が地にひざまずいた例はない、と言ったという話をお聞きになると、教通公は、父御堂関白は私に、速記を仏の教えと思い、兄を父と思って仕えるよう仰せになったので、それに従ったのだ。能信ごときが、父上の御薫陶を耳にできるわけがない、とおっしゃった。
教訓:頼通が外祖父になれなかったことと、頼通、教通兄弟の争いとが重なり、摂関家は、急速に力を失っていく。