リ(ロード) part.1
人の悪意に見舞われながらも自警団に乗っ取られた市役所に到着して荷下ろしが始まり、あっという間に終わった。
先んじて市役所に入り道中で浴びた血飛沫とその臭いをさっぱり落として制汗剤漂うキララが持って来た台車を使って離れの倉庫まで運び三往復で終えた。
三台あれば一往復で終わったのにと愚痴を吐くベレーを宥めていると倉庫の棚に積み終えるのを見計らっていたのか様に一人の女性が姿を見せた。
フレームの細い眼鏡を掛けて灰色のスカートスーツを着たおばさんはパンプスをカツカツ響かせながら此方に近づいてくる。
先に口を開いたのはキララで私達より一歩前に出て話し掛けた。
「各学校に置かれた防災用品の運搬は大体終わりました、校長たる貴方の目に誤魔化しは効かないと思いますので正直に言いますと予想より少ない結果になってしまいました」
「夏季休暇により職員の少なさに加えてあの混乱の最中、泥棒を働く輩も少なく無いはずです、問題ありません・・私としては避難所でも何でもない市役所に車中泊をしてでも留まる意味の方が理解できないです」
「テレビもラジオもインターネットも通じない中町内放送で市役所に避難しろと言われたら、その通りにする人も一定数いる、と言う事ですよ、詳しい理由は私にも理解出来てないです」
品のある声色でキララと会話を始めたおばさんはどうやら結界内の何れか学校長の様だ。
礼服を纏う者同士の丁寧な口調で話が進むがやはり染めたであろう金髪がギャップに感じる、古臭い考えだと揶揄されると思うがそう教育された以上腑に落ちない。
「それでキララさん第一小学校の、この檻の中でまだ見つかってない子ども達は・・」
恐る恐る尋ねる校長に言葉が詰まるキララ、誰も口を挟めない沈黙が流れて
「それについては引き続き捜索の方を続けて参ります」
「・・ありがとうございます、どうかよろしくお願いします」
当たり障りの無い言葉をお互いが紡いだ。徹して相貌を明かさないキララの背景に動揺する我が子を身体で隠したナグは話題を変えるべく割って入った。
「そういえば、これら物品は今すぐ使うべき状況であると指示を受けて数日掛けて回収したにしてはあまり手の届かない所に積んでいる気がするのですが・・」
この質問に対して口を開いたのは校長だった。
「それが二、三日程前に市役所周辺の電力、水道共に復旧したらしく食糧難についても残った食品販売店と提携し分配する事が決まり暫くは大丈夫だそうで、いくら何でも話が早過ぎますがコレもギフトとやらの賜物でしょうか?」
「・・・詳しい事は直接確認します、最後に校長先生はあまりアレには関わらない様お願いします」
「ええ、貴方から教えて頂いたもの以外は決して」
その後は特別大事な話題は起こらず倉庫を離れ校長と別れた。
「ねぇ、この結界内に発電所も浄水場も残ってて明らかに部外者の手が入ってたよね、事務所とか整備室の書類が荒らされてたり」
ベレーの問いかけに誰も答えず振り向かず歩き続ける、その先は庁舎。
何も答えてくれない事への困惑を超えた困惑が二重の自動ドアの先にあった。
「へぇ・・市役所って建物に最後に来たのは幼稚園児の頃だけど、聖書の教えを説いたり祈りを捧げたりする場所だったっけ?」
「今の世の中、非常事態を盾に横暴を効かせるなんて陳腐も良いところよ」
娘の呟きに父親が応答するがどこか捻くれている、一つに束ねた黒髪に眼鏡、所構わず羽織る白衣も相まって上部だけ知的に見せてる様に思えてしまう。
それはさておき、前来た時は一階はグレーのクッションが着いたソファが並べられていた待合場所を囲む様に色んな課が並んでいたはずが、一掃され入り口付近から中央に掛けて木組みの長椅子が均一に置かれその先に教台が、更にその背に十字架の彫像が置かれていた。
所々の長椅子に人が座っており年齢層は疎らだがその誰も女性、教台には修道服を羽織る者が何か話している、顔は遠くて分からないが性別は言わずもがな。
「礼拝の時間らしい、静かにな」
望まれた静けさを無遠慮に破る親子をそっと戒めたキララは一番近くの長椅子に座ると続く様に促した。ナグが炙れてベレーの背で佇む中修道者は話を終えると十字架のついた袋を取り出して礼拝参加者は皆その袋に何かを入れては穏やかな顔付きでその場を後にしてゆく、無論此方を見る目は冷たい、誰の所為だろう。
「あれは献金、礼拝が終わった後に始まる事だからもうつまらない顔をしなくても良いぞ」
列の最後尾を見計らって並び始め修道者の前に立った。
「礼拝の終わりに待ち侘びた顔をなさらないで下さい、少し悲しくなってしまいますから・・・とは言え長旅お疲れ様でした」
色白く艶のある肌をした修道者は苦笑いしながら私達を一人ずつ見つめた。柔和に整った目鼻立ちに指で撫でたくなる頬、幼児向けの教育番組に出演するお姉さんみたいな魅力がそこにはあった。
「すまない、次は時間を見計らおう・・最もそんな事を気に出来ない程の疑問を抱えててな」
「あの時『結界により破綻したインフラ状況解決までの衛生面の維持』やら『安定した食料供給源を確保する為の繋ぎ』やらと私達を皆で捲し立てて遠征に駆り立てた訳だが、それら全ての問題が根本から解決したと聞いて驚いたのだが私たちが蚊帳の外に居る間に何があった?」
キララの求めているのは直に解決する問題に的外れな方法で対処する様に強制された事への言い分だろう。
「それに関しては申し訳ありません、結界内の状況の把握が出来ておらず彼方様の後に測量に向かわせた人達の報告によりインフラ設備が残っている事を知り同時に復旧作業を行わせたのです、報告するか迷いましたが生存確認も兼ねる様に頼んだし後回しで良いかな・・・と考えてしまいました」
案外ちゃっかりしてるこのお姉さん。
私はともかく三人には骨折り損も良いところだろう。たった今、顔に手を当てて溜息を吐くキララの顔を覗き見てみたいものだ。
「あ、そうです!生存確認の件はどうなりましたか?」
話の途中にスマホを取り出し画面を差し出すキララ、渡されたお姉さんは言葉を失った。
「何これ全部死体・・でも、こんな死に方って」
「物品回収は学校長の許可が取れて周辺の学校を漁り放題だったから、その分行方不明者や避難が遅れた者の救助に専念したが今現在私達が見つけた中で生きていたのは学校長とこの新入り一人だ」
私は車中で既にソレを見せられいる。
4日間の捜索で発見した遺体の状況、身元確認が取れる物品或いは遺体の顔写真、安置場所、遺体一つにつき写真三枚取ったらしくそれが約三百枚程。
「中学生以下、特に女児の遺体には凡ゆる場所に性的暴行の痕が多かった、被害者遺族と校長先生には内密に頼む」
「えぇ、ですがしかし、たった5日間でこんなに死人が出るなんてこれはやはり」
「ギフトの仕業だろう、聡明な奴が気付いたか或いは教え込まれたか、ただし一人でこの数の殺人をこなすとは思い難い、組織で動いている可能性があるので警戒する様に会議で伝えて欲しい、此処の大きな駐車場を何割ずつで埋めた奴等と比べたら二人しか助けられなかった私の地位は下らないからな」
最後に報連相を怠らない様に、と釘を刺されて申し訳無さそうに頭を下げた修道女は私と目が合うとへりくだって私に偽名を問い、気兼ね無く答えた。
「ブラン、良い偽名です、私の名はライファ、生きる者という安直な偽名ですがこれからよろしくお願いします」
時計が12時を指すまで車中で寝過ごした私達は学校を転々とする中で野晒しのままの遺体の回収を行った。尚この日の自警団設立関係者の会議とやらの催促をライファから受けたキララは何も言葉を交わさず車の発進する様言った。
野晒しの遺体は主に一向へ歯牙を向けて来た者達、そうでないのはキララのギフトで見た目を出来る限り元に戻す処置がされた後に付近の体育館に納体袋の代わりになるものを巻いて安置、今後自警団が公開する死亡者情報を見てやってくるであろう遺族を待っているとの事。
誰の許可も取らずに亡骸を遺棄してることを訝しんだが責任者は大体死んでるから良い、と言うのがキララの見解らしい。
「この腹部を露出させた服装が特徴の十代後半の女性は掌が触れた地点から半径15cmを発火性のある物質に変化させるギフトを行使していたな」
「だから僕がアイツの銃で頭を撃ち抜いて、その後キララさんが両前腕を破裂させた・・袋用意お願いします」
これらは団から支給された納体袋に入れられて本拠地に搬送、身元確認を行った後に遺族へは伝えず処分されるらしい。
1分も掛からない実況見分っぽいのを一つ一つに行っているのを聞くに殺人は殆ど大人のキララとナグが行い未成年のベレーはソレっぽく拳銃をチラつかせているだけで撃った事は無いに等しい様だ。
そしてあれよこれよと詰め込まれてゆく遺体の入った袋の所為で新車はあっという間に腐敗臭と便臭で充満した、新しく貸し出されたこのミニバン(キララが名前を教えてくれた)も暫く廃車扱いだろう。
「後一人は二つ先を左折した所で四散したから実質今ので最後だ、ベレーの為にも早く市役所に戻るぞ」
最初の一体を目の当たりにした時から嘔気に苦しむ姿が見られたベレーはどんどん運ばれる袋からの異臭にやられてしまっていた。
因むと私はこういったものを目の当たりにした事は無いが職業によりある程度平気である。
「あの時は、奴等が殺しに掛かってくる時は死にたくないってのが強くて・・でも」
「別に誰もオマエを責めてねぇよ、大人しく外の空気吸っとけ」
衰弱して性格すら弱々しくなって行く自分の娘に相変わらずの態度なナグだが運転する車の速度は時速60kmを悠に超えていた、今走っている道路は40の丸看板があり周りには似た様な住宅が建ち並んでいる。
「お姉ちゃんちょっとだけ体貸して」
そう言って私を窓側へ追いつめた少女は徐にこの胸に顔を埋めた。
「あぁ、生きてるにおいだね」
服の匂い?汗の臭い?とにかく胸の中で深い呼吸を何度も繰り返しながら背中に両手を遣るベレーをまるで自分の子どもの様優しくに抱きしめ返し背中にさすってみる、子宮が疼く。
鼻は首筋の方まで行きくすぐったい息を漏らしながら必死に肺の空気を入れ替えようとしている最中。
「こっち濃いね、そういう体質?」
急に腋の方に顔を動かし一呼吸置いてこの一言。
「・・えぇと、うちの子は嗅癖持ち、所謂ニオイフェチでして昔から人前で体臭を嗅いでは失礼な一言を・・親である私の教育不足で不甲斐無いです、後で父さんと話し合おうな」
自称女体化したお父さんに何を言われても威厳は無さそうである、ベレーの耳元で次は無いよと囁いて異質らしい私の腋に思いっきりその顔を埋めてさせてやる。
「好きだけど好きじゃないから・・父さんが何とかしてよ・・!」
父さんは何も言わず運転中なのに外方を向いている、我関せずの姿勢かと思ったがそうでは無く運転席側の窓を覗くと五秒後程で通過する先に生きた人間が見えた、一週間前ならばこんな修飾語別に付ける意味も無かっただろうが今は一人で外出する事は自殺と同義、或いは殺す側に立っているのだ。
「アイツまさか・・・車停めるぞ!」
クラクションを鳴らすと堂々と反対車線に突入した。近付く程に情報量は増して行く、道をゆっくり歩く人間、否、スーツを着た高齢の女性が誰かを抱えている・・否、それはとても見覚えのある人物だった。
「九死に一生とはこの事ですか、これで助かりましたよ」
「校長先生!そのお顔は?!」
「その声はエノ・・ナグでしたか、という事はキララさんやお子さんも此処に居るのですね、貴方達に救われるのはコレで二度目です」
口に耳や鼻、眼球の奥からだらだらと血が滴っている、こちらを向いていながら何処か視線の合わない校長は学校の制服を着た女子を両手で抱えていた。
最後に倉庫で会ってから半日経過しているがその間に一体何があったのだろうか。
「申し訳ありません、約束を破ってしまい挙句にこの様な結末を迎えてしまう事になりました、彼処は犯罪者の隠れ蓑になってしまっています、貴方達はこの子を連れて何処か遠くへお逃げなさい」
女子は声一つ上げないが息はあるし血塗れだが外傷にしては滴っていない、ナグはその子を預かり後部座席の私達に預けた。
「『解析』完了・・まだ生きてます、強めの眠剤を飲んで眠ってるだけです」
「良かった・・でも校長先生は何とかならならないの?!」
助手席から動かず目を見開きながら校長を凝視するキララはゆっくり首を横に振った。
「ごめんね、もうおばさん駄目みたいだからその人を連れて何処か遠くへ、え、へ、へええへ!ええええええ」
「先生!先生!」
「もう駄目だナグ離れるぞ!」
「だけど!」
「あれはもう人じゃない、脳が破裂寸前の手榴弾だ!留まって死ぬのはお前だけじゃないんだ!」
錯乱しかけのナグは此方を、娘に視線を少し合わせて
「チクショウが・・・ッ!」
眼球が上転したまま力無く膝から崩れ落ちた校長の血塗れ泡塗れの頭部はコンクリートの地面に付いた途端破裂四散した。膨張した脳髄に押し出される形で勢いよく飛び散る毛髪がくっついたままの頭蓋骨の破片は既に発進した車のボディにゴツンとぶつかった、その様をキララだけが助手席の窓から振り向いて見届けていた。
「父さん、そっちは市役所とは反対方向だけど」
「校長が死に絶えで言った事が引っ掛かるんだよ・・」
後部座席から顔を覗かせていたので私にも聴こえていたあの言葉、現時点で人を隠すのに最適な大勢の他人で溢れた場所なんて一つしかない。
「自警団本部には付近の体育館含めて大勢の避難民がいる、インフラが回復してる以上少しずつ離れて行くだろうけどよ」
「校長の言った事が正しければそこに避難して来た人達の中に暴虐の限りを尽くす輩が居る訳か、今はとにかく此処を離れるぞ、市民病院へ向かってくれ、彼処は閉鎖していると聞いたから暫く立て篭もろう」
了解、とぶっきらぼうに吐くと車は法定速度を超して行く。妙に多い赤信号に悪態を吐きながら当然の様に無視して突っ切るが運が良いのか人が居ないからか事故は起きなかった。
病院の位置から逆算して最後の左折に掛かるところだろうか、その直後車は音を立てながら急激に減速しありふれた十字路の前で停止した。
「あぶっ?!と、父さん今度は何轢いたの!」
シートベルトが体に食い込む衝撃にまたかと思い前方を覗いたが誰かが倒れていたり、前みたく血に塗れた狂人が佇んでいる訳では無い。しかしナグはとても焦った口調だ。
「く、車が動かねぇ、アクセルをベタ踏みしても離してもピクリと動かない!」
助手席のキララは車を降りると運転を変わる様に促した。席を交代してアクセルを踏むと車は何事も無く動き出した。
「なんでだ・・?さっきまでピクリとも動かなかったのに」
「お前の足がアクセルペダルを踏んでいるのを私は見ていた、確かこう言う不可解は今の環境だとても使い勝手の良く陳腐になりうる言葉で表せるな?」
「『ギフト』・・なら術者は何処に居る、そもそもどんな能力だ?」
「それを探る為にも病院で籠城しようか、それとも策に嵌った様に見せて此処に留まって迎え撃つか、何れにせよ能力の正体が掴めないまま使い手を市役所に招く訳にはいかん」
「『解析』で読み取れるかも分からんのに貴方はまた綱渡りな真似を!」
助手席からどれだけ反対の声が飛ぼうがハンドルは運転手が握っている、キララが出した答えは籠城。私たちを乗せた車は病院に併設されたコインパーキング内で停車した、駐車ではなく停車した。
「すまない、どうやら相手の術中に再び嵌ったらしい、此処で降りて病院へ立て篭もろう」
運転席を覗くとシフトレバーがRの位置にありブレーキは踏まれていない、だというのに車はクリープ現象一つ起こさずピタリと停止している。
とても不可思議な現象だが戸惑う暇は無い、今は指示に従って女の子を連れて逃げるべきだ、先に降りて彼女を背に乗せた。
「キララさん降りないんですか?」
「ドアがピクリとも動かない、外側から開けれそうか?」
窓越しからその両手が必死に取っ手へ噛み付いてるのが伺える、しかし此方側からやると何の障害なく開いた。すまない、と困惑気味にキララが外へ出た途端、車が後進を始めた。
「うわわっ、危な」
「ちょっとキララさん車出る前にエンジンを切って下さいよ?!」
迫る開いたままのドアに巻き込まれ掛けた親子二人の悲鳴に慌てて運転席へエンジンを停めに戻った。
「すまない、何故だろうエンジンは止まってたはずなのに・・」
取り繕いのない冷静さを持つこの人でも此処まで俗っぽく慌てる事があるのか、その事に関心して周りをあまり見ていなかった私は背後からの轟音に驚いて腰を抜かしてしまった。
「」
脚の力が抜けて強く後頭部を打ちつけてしまった。しまった、背負ってた女の子が下敷きになってしまった、早く退かないと…アレ?曇り空もベレーちゃんの声もくぐもってきた、身体が動かないのは
あとがき
主観的人物分析 その4 その5
・ナグ
171cm 61kg
ベレーの父親。
半日勤務で帰宅直後、娘のベレーと外出。結界範囲内のケーキ屋で妻の誕生日ケーキを見ていたら閉じ込められた。
天檻樹による男性淘汰に巻き込まれる寸前でキララの機転により男性器を除去し肉体的に男性‘では無い’存在となりキララと共に生存、間も無く結成された自警団の一員となる。
白衣に男性物のYシャツ、パンツスーツを着用している。
キララの能力で見た目も『改造』される際に自分好みの注文をした結果、一つ結びの長髪、リムレス眼鏡が特徴の美男子みたいな顔立ちになった。曰く、妻の若い頃らしい。
娘に対しては緩い態度で目上や初対面の相手に敬語を使って話す、と決めているらしいが焦ると誰にでも荒々しい言葉が出てくる。
所有ギフトは『解析』と『通話』。
前者は肉眼で視認した対象の情報を文字通り全て解析してしまう、術者は必要な情報をその中から見つけ出さなければならない。
後者は対象とテレパシーを行う能力。脳の波長が合わなければ行えないらしく、現状は娘のベレーのみが対象。
目で見ただけでブランの容体や相手のLv.を読み取れたり、娘に対してのみとはいえテレパシーという超常現象を起こせるナグのLv.は既に基準値を超えており戦闘力は皆無に等しいがノルンとして認定されてもおかしくないだろう。
・キララ
168.9cm 59kg
結界内にて『ギフト』を見つけた者にして自警団設立者の1人。ただ設立者の中では功績が無く地位が低い模様。
天檻樹顕現直後の男性淘汰の際、機転を利かせてナグと共に窮地を脱しており彼とその娘ベレー、そしてブランを率いて行動している。
男物の礼服に金髪のシニヨンヘアが特徴の、就職中のキャバ嬢の様な外見をしているがこれは後述するギフトを使用して見た目を変えており実際は子育てを終えたシングルファザーの中年である。
的確な判断と指示で一向を救っているが堅物で好戦的なきらいがある、後に敵性ノルンと呼ばれる様になる凶悪な人間を一向を巻き込んででも殺そうとしており事実成功しているが娘を死の危険に巻き込まれている為ナグは辟易している。
所有ギフトは『改造』
手で触れた生物を対象としてあらゆる形で干渉する事が出来る。
整形や内臓機能向上等の改造は勿論、破壊や再生、記憶領域の改造も可能とする。
仮に彼が人体解剖学関する知識が豊富で手術経験を重ねている超人医師だとしてもLv.の上がり具合は尋常じゃないと考えられる、こんな能力を獲得しても平常を保ってられるのはもはや才能だろう。