ー農業革命ー
「アイテムボックスを見てください。マンドラゴラの種が入ってると思います」
「マンドラゴラの種!?」
マンドラゴラの種!?
「この種が世界に革命を起こしました。元は引き抜いたら、悲鳴で人を殺す厄介な魔物でした。ただ、栄養豊富で三日で育つので、なんとか弱体化できないか試行錯誤されていたんです」
ナビ子は続けて言う。
「そしてついに、弱体化に成功しました。今は誰が引き抜いても死にません。三日で育つ、栄養満点な農作物。これで人類は餓死することは無くなりました」
ふーん。そんなもんなんだ。最強じゃん。
「まああんまり美味しくないんですけどね。不味くもないですけど。あくまで栄養補助食品って感じです」
ナビ子の説明を聞いた僕は、アイテムボックスから鍬を出し、家の前を耕し、マンドラゴラの種を蒔いた。適当に蒔いても育つのがマンドラゴラのいいところらしい。なんて便利なものを発明したんだ。
「とりあえずこれで飢えることはなくなったね。植えるだけに」
「冗談は顔だけにしてくださいマスター」
だんだんと馴れ馴れしくなってきてない?まあ我々の仲が良くなってきたということで。んー、今日は疲れたのでもう寝よう…その前にシャワー浴びたい…シャワー?
「ナビ子、石鹸と服がない」
「よく気づきましたねマスター。石鹸は一から作るか泡魔法がありますが、服はなかなか作れません。コスト的にも街に買いに行った方がいいでしょう」
街か…まあ人間が生きていく上で最低限、人に関わる必要性は出てくるよなあ。嫌だなあ。必要最低限のものだけ手に入れたらまた引きこもろう…。
「とりあえず泡魔法を覚えるよ。服もしばらくは洗って使う。まだ暑いし大丈夫でしょ。ていうかこの世界の季節ってどうなってるの?」
「だいたい日本と同じですね。四季があるのでしばらくは暑いですが、そのうち涼しくなりますよ」
「まあじゃあそれまでにこの生活に慣れるってことで」
慣れたら街へ繰り出すか…服買わなきゃなあ…。僕は泡魔法を覚え、体を洗うために川へ繰り出すのだった。
【修得スキル】
AI判定強化lv1
住宅環境lv1
虫除けlv1
工作lv1
料理lv1
採掘lv1
農耕lv1
林業lv1
アイテムボックスlv1
狩猟lv1
回復魔法lv1
泡魔法lv1