表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
23/25

ー強襲ー

「斧武術…lv5…かち割り。ふう…これで何体目だよ」


 ファーシティはゴブリンの街。ゴブリンはサツキが狩ってくれるとして(さっきからあちらこちらでゴブリンたちが宙を舞っている)、僕は僕のノルマとしてボスゴブリンを狩っている。どうやらボスゴブリンはちょっといい家に住んでるみたいで、隠密で忍び込み寝込みを襲っていく。


「まだ起きてない個体が多いからいいけど…そろそろ騒ぎになりそうだなあ」


 サツキはめんどくさいのか効果範囲の広い風魔法を使っており、結構音や衝撃がすごい。このままだとボスゴブリンたちも動き出すのは時間の問題だろう。今殺した個体も丁度起きようとしているところだった。


 とりあえず半分ぐらいはボスゴブリンを殺したかな、という頃。


「ンギャオオオオオオオオオオオオ」


 街全体に聞いたことがないような叫び声が響き渡る。と、同時に、明らかにゴブリンたちの動きが変わる。


「出ましたよ。ファーシティの王、ゴブリンキングです」


「おっ。てことは…」

 

 ミライが戦線に出てきた。相変わらず赤髪ツインテールがよく似合う。上下は半袖半パン、マントも纏っているが、全て真っ赤だ。そしてあれは…


「太刀?」


「のようですね。どうやらミライは太刀術の達人みたいです」


 これまた鞘が真っ赤な長物を下げて、ミライはキングに向き合う。お互いが息を潜めるのがわかる。強者同士のぶつかり。


「さてさてお手なみ拝見…あ」


 気づけばミライはゴブリンキングの後ろにいて、そしてごろりとキングの首は地に落ちた。ミライはカチンッと太刀を収めた。実力差は、圧倒的だった。


「ふぅー…おしまい!あとは頼んだよ!2人とも」


 言われずともわかっている。頭を失い路頭に迷い始めたゴブリンたちを、僕たちはバッタバッタと薙ぎ倒す。


「せっかくだから使っちゃお。斧武術レベル10、最終奥義、斧斬り」


 手元の斧に光が集まっていく。斧で斬るんじゃあなくて、斧に斬らせる。自分は何も考えず、ただ、斧に斬らせたいように敵を斬らせていく。身体は勝手に動かされていく。斧が縦に、横に、宙に舞い。ゴブリンたちは、悲鳴をあげる間もなく、切り刻まれていく。


「風魔法レベル10、最終奥義、五月雨」


「風なのに雨なんだ」


 どうやらサツキも最終魔法を使いたかったようだ。サツキを中心に球状に風魔法が展開されていき、そのエリアに入ったゴブリンたちは、細切れにになって…あれ?どこまで広がるんだこの魔法。このペースだと…


「おいおいおいあいつ加減知らねえのかよ!!!巻き込まれる!」


「範囲外に出ないと死にますねこれマスター」


 この前のボスゴブリンの時と違い、今度は助けてくれる人もいないため、僕は死ぬ気で走った。範囲外に出て振り返ると、ゴブリンの姿はひとつもなく、僕たちの討伐は終了した。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ