ー話し合いー
「作戦の振り返りよ。私たち3人で魔王軍をしっちゃかめっちゃかにして街を取り返す。取り返した街に、人間を移住させる。結果、魔王軍の支配率は80%まで下がる。この世界は継続する。めでたしめでたし」
酒場に集まった僕とサツキの前で、ミライは流れるように話す。
「結局街の治安はどうするんだ?」
連れていくのは犯罪者ばかりだったはずだ」
「一応…考えはあるけど…うまくいくかどうか…」
「行き当たりばったりだなあ」
「なに?元の世界に帰りたいの?」
「「滅相もありません」」
僕とサツキは声を揃えていう。ミライは元の世界に戻ってもなんやかんやうまくやるんだろうが、僕たちは死んでも戻りたくない。
「じゃあそれで。王宮にある転移装置を使って、今夜強襲をかけるわよ。ソウタは隠密と斧武術で撹乱。ところどころでボス級を倒してね。サツキは風魔法で雑魚を殲滅。ファーシティの王は私がやるわ」
ミライは淡々と作戦を述べていく。頼もしさが違う。僕たちはしばらく作戦の詳細を詰めながら飯を食べていたが、日が落ちたので3人でいそいそと王宮へ向かった。そういえば誰も僕の装備にツッコんでくれなかった。ただ2人とも、頑なに目を合わせてくれなかった。




