ーギルドー
「お疲れ様です!初クエスト終了ですね。無事帰ってきてくれてよかったです」
お姉さんは笑顔で迎えてくれる。癒しだ。
「無事かどうかは怪しかったですけどね…ボスゴブリンに追われたし…」
サツキがいなければひょっとしたらひょっとしていた。ちゃんと他のスキルも取らなきゃなあ。
「サツキさん!帰ってきてるんですね。これでこの街もしばらく安泰です。はいこちら、報奨金の4000ギルです」
「ありがとう。これで今日の飲み会ものりきれるよ」
ギリギリを生きている。世界の終末騒ぎが収まったら、もっと穏やかな生活がしたい。
「じゃあ僕はこれで」
「はい。これからも討伐、よろしくお願いしますね!」
なんて明るい笑顔なんだろう。額縁に入れて飾りたい。写真を生み出した人類の執念は、こういうところから生まれるのだろう。
「気持ち悪いこと考えてないで早く猫喫茶に行きますよ」
ナビ子に冷たくあしらわれながら、猫喫茶に向かう。猫喫茶に入ると、サツキともう1人、赤髪ツインテールの低身長な女の子が、小柄な円卓で待ち構えていた。
「あんたがもう1人の生存者ね。待ってたわ。私はミライ。よろしくね」
これは…違う…僕やサツキとは別種の人間…陽のものだ!!!!!
「こちらこそよろしく。僕はソウタ。数ヶ月前にこの世界に来たばっかりで、今日この街に来たばっかりなのに、世界が終わりに向かって絶望している」
「それは災難…って数ヶ月も街に来なくてどうやって生活してたの!?」
「野山をかけずり世から隠れて生きてましたが…」
「うわあ…」
またこの目だ、なんなんだみんな、いい加減にしろ、興奮するだろ。
「まあ前置きはこのくらいにして、本題に入るわよ」
ミライは真剣な目をして、話し始めるのだった。




