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04 一心同体


 てな感じで、リグラルト王国に入国した俺たち。


 ハミシェルの宿で旅の疲れを癒したら、


 リグラルトぶらり旅、開始。




 このリグラルト王国、実は国土がかなりでかい。


 つまり、中央の王家の権力が強大ってことなんだろうけど、


 権力増強のやり方自体はあまり褒められたもんじゃないのね。



 簡単に言うと、王家の血統ばら撒き作戦。


 国内で勢いのある領主や、他国の有力貴族、もちろんいろんな国の王家とも、


 やたらめったら婚姻関係を結んじゃった。



 血縁でコネを増やすスタイルは諸刃の剣。


 上手くいけば強固な関係を築けるけど、


 権力争いの要因ともなるわけで。



 だってさ、継承権持ちをむやみやたらとアチコチにばら撒くなんて、


 揉め事が起こらない方がおかしいでしょ。



 今はまだリグラルト王家が権力を維持出来てるからいいけど、


 ばら撒かれたバクダンがいつ炸裂するか分からないなんて、


 怖くないのかな、この国の人たち。



「先を見据えている有力領主たちは、既に動き始めているようです」

「この国の歪んだ拡大方針は遠からず破綻するだろうと、各々の領地の特色を活かして生き残る方法を模索しているのだとか」

「武力増強では王家との軋轢は避けられませんので、主に経済力を増す形で、だそうです」

「私たちは、この広大な国土で暮らす皆さんが戦乱に巻き込まれないよう祈るのみ、ですね」



 ……何だか、行く先々の国で王家が問題を抱えてるんだよな。


 大きな権力って、周囲に及ぼすチカラそのものなのだろうけど、


 逆に、周りの影響を受けやすくなるってことでもあるのかも。



 帆がデカい帆船ほど、良くも悪くも風の影響を受けやすくなる、みたいな?


 まあ、凡人の俺なんかには想像もつかないけどさ。


 ってか、俺も変わっちゃうのかな、権力持っちゃうと……



「ノアルさんは、今のままのノアルさんでいてくださいね」


 もし俺の固有スキルが、俺自身を勘違いさせちゃうくらいヤバいモノだったら、


 変なことやらかす前に止めてくれるよね、マーリエラさんなら。



「どうでしょう、一緒になってはしゃいじゃうかもしれません」

「生涯、一蓮托生ですから」


 えーと、その時はよろしくお願いします。


 俺としては、マーリエラさんの望むままに生きてもらえればそれだけでいいです。




 ってことで、今からリグラルトぶらり旅なのですが、


 これからは出来るだけ宿に泊まるようにしますから、


 夜営してのおんぶ旅とはしばらくお別れですよ。


 ご了承くださいませ、お嬢様。



「では、心残りの無いよう、今のうちに」


 ちょっと、いきなりおぶさってきちゃダメでしょ。


 ほらぁ、みんな見てますからっ。



「みんなの視線もノアルさんも独り占め」

「これこそまさに、ふたり旅の醍醐味です」


 また衛兵さんに捕まっちゃいますってば……



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