01 ふたり
時系列的にはリヴァイス01の数年前。
『リヴァイス 84 おっさん召喚者とほんわり危ういふたり旅』の続きで、
召喚者ノアルのお話しです。
お楽しみいただければ幸いです。
どうも、ノアルです。
海沿いの道を潮風を感じながらの、ちょっとだけバカンス気分なぶらり旅、
満喫しております。
zzz……
背中に感じる、おねむマーリエラさんの温もりも満喫中。
おんぶって、いいよね。
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ハズレ召喚者で、採取専門冒険者の俺、ノアルと、
特務司法官で、俺を監視する任務中のパートナー、マーリエラさん。
妙にイベントてんこ盛りな、俺たちのふたり旅、
エルサニア王国の南西の果てノルセリエの町を出立し、
海沿いの細道を、のんびり徒歩にて北上中。
のんびりなどと言ってはおりますが、
例のふたり旅での夜番問題は、しっかりと対策済みですよ。
それが、おんぶ。
今は夜番を全面的にマーリエラさんにお任せしているのです。
で、日中は休んでもらうため、俺がおんぶ。
この辺りの道は、海沿いの集落を結ぶための、いわゆる生活道路。
街道なんて呼べない細道なので、
馬車はもちろん、人通り自体が少ない。
滅多に人が通らないから野盗も定住しないので、
警戒すべきは魔物や野生動物のみ。
つまり、俺の広範囲『鑑定』で慎重に進めば、
おんぶしながらでも行けちゃうんですよ。
マーリエラさんも、安心しきった安らかな寝息です。
俺の背中なんかで申し訳ないのですが、ゆっくり休んでくださいね。
「ご馳走様です……」
寝言、だよね……