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第二十五話







「……わかった、引き受けよう。だがSランクはダメだ」




「! ……流石にそれは高望みが過ぎるか。……ではSランクになるのは自力でどうにかする。少しでも修行を付けてくれ」



「ちゃうちゃう、Sランクなんてちっちゃいことはダメって事」



「は?」



「Sなんてみみっちいこと言わないで、SSSランク。世界最強を目指すぞ! そうすりゃ、誰も文句なんて言えないだろ? あと今は思いつかないけど、なんか馬鹿でかい功績を立てちゃおう」



「……あなたは本当に凄い人だな! わかった! どうせ目指すならてっぺんだ! よろしく頼む!」




 豪快に笑う獣人女性は、フードのせいで顔は見えないがとても嬉しそうに笑っているようだ。




「そうだ、まだ自己紹介してなかったな。俺はツカサでこっちはバサシ」



「偉大なるツカサ様の従者を務めるバサシである」



「私の名前は、ラメリ・ラル。気軽にラメリと呼んでくれ」



「わかった。ラメリこれからよろしくな!」



 俺達は軽く握手し、今後について軽く話し合いをした。結果としてはとりあえずクエストを受けまくる事になったのだが、パーティーを組んだ方が効率が良いということになり三人でパーティーを組むことになった。リーダーはもちろん俺。バサシがなるわけないし、ラメリももちろん拒否。



 ちなみにクエストは、同ランクから上下一個までを受けることができる。



 BならAとCみたいな感じ。んで、功績が認められればランクアップ。でも、AだからといってSのクエストは受けられない。Aから上は完全に別世界。



 Sランクになるには、試験を受けて合格するか誰もが認める功績を立てる。またはSランク冒険者二人以上の推薦がありギルドマスターが承認すればなれる。



 と、ラメリに聞いた。なんでも、ラメリは外の世界を回る為に様々な国の知識や常識。決まり事なんかを猛勉強してきたそうな。俺達にはない知識を持っているラメリ。なので、お金はいらないから俺達のサポートを報酬とした。もちろん、安すぎると言われたが金ならいくらでも稼げる。と言うとそれ以上反論できず、早速その知識を披露してもらったというわけ。



「なら、なんとなく今後の方針が決まったな! 明日からクエスト受けまくるぞ!」



「かしこまりました」

「わかったわ!」



 翌日、俺達はパーティー登録をしてクエストを受け始めた。もちろん、現時点で受けられる最も難易度の高い魔物の討伐系だ。



 魔物は大量発生もするが個別でボコボコと生まれいて、ほっておくと手がつけられなくなり常時討伐の依頼が出ていてる。


 未だに魔物の発生原因はわかっていない。……ここら辺をラメリの功績として見つけてしまうのもいいかもしれない……



 それからは、なかなか過酷な日々を送った。もちろんラメリにとって。



 討伐、修行、討伐、修行、討伐、修行、休日って感じ。そしてそんな日々を過ごしたためラメリはあっという間にAランク。残念ながらSランクになれる程の功績、魔物はおらず、俺達は全員がAランクパーティーというそこそこ有名なパーティーとなっていた。



 

 ラメリは、フードを常に被っているので相当な美女ではないかと噂されていたが当人はとても困惑している。一緒にテストを受けた受験生たちは正体を知っているが口を噤んでくれているので今のところ正体がばれる心配はなさそう。それにラメリには内緒だが、万が一にもフードが飛ばないように俺の魔法で固定している。



 ……早くこんな事する必要のない世界にしてあげたい。





 ある日、普段通りクエストを受けるためにギルドに向かうと初老の男性といつもの受付嬢さんが言い争っていた。



「ですから、そんな状況では高ランクの冒険者を雇う事できません!」



「……分かっているが、なんとかならないか! 話を聞いてくれるだけでもいいんだ! ……目撃した二人は信頼できるし片方は引退した老人だが、元Bランクまで行った人間なんだぞ」



「領主様に伝えてみては如何ですか? そうすれば間違いなく領主様より依頼してくれるので問題ないと思いますが?」




「だからそれを待っている時間はないんだよ! もう村の近くで目撃されているんだ! 領主様の所まで行って話を通し、斥候、討伐隊を結成、なんて悠長な事をしている間に村は壊滅だ! だからこうして直接ギルドにお願いに来ているんだよ! 間違いなく魔物はいる! 後でどうせ領主様から金は貰えるんだから、とりあえず先に来てくれてもいいじゃないか!」




「ですから、こちらとしても信憑性にかける情報で高ランク冒険者に依頼を出すことはできないのです。一旦Dランクの冒険者を雇いその冒険者に斥候を含めて周囲を見てもらい、本当にその魔物がいたら高ランク冒険者を派遣する。という流れがいいと思いますが?」




「理屈はわかるが、本当にもう村の近くまで来ているんだよ! 申し訳ないがDでは無理だ! その魔物はAランクの魔物なんだぞ!」



「……冒険者でもない、村人に魔物のランクを正確に把握できるとは思えませんが? その元冒険者も引退してもう何年も経っているのですよね? 失礼ですが大型の熊等を見間違えただけではないでしょうか?」



「二人は信頼できる奴だ! そんなわけない!」




 おお、なんかいつもの受付嬢さんとは違って少しトゲがあるな。……いきなり高ランク冒険者を寄こせって言っているあっちも悪いのか? まあようわからんが、これも弱きものを助ける。って奴だ。話を聞いてみよう、もし悪意ある依頼だったら地獄を見てもらえばいいだけだし。











 



 

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