第二話
滅茶苦茶面倒くさいていきたくなんですけど。
異世界転生ならわかるけど、俺がやる事って
創ちゃんの代わりに粋がっている創造神や神等(本当に粋がってるか不明)の部下(小説内主人公)をボコって、それに怒ってでてきた創造神に創ちゃんを会わせるって事でしょ?
人を特殊な条件で呼びつけるだけでただのパシリじゃん!
そんな面倒な事しないで、直で創造神の所行ったり、そのキレてる部下に行かせたらいいじゃん!
「おおー結構な拒否反応でキレてらっしゃる。部下の子たちも忙しいしさ、俺の個人的なお願いに付き合わせるのも悪いしね」
「俺優しい上司で通ってるからさ」
「個人的なお願いっていっちゃってますよ?」
「それに部下って言っても滅茶苦茶強いから俺がチートあげなくても強いしさ」
「完璧なスルーだ」
「でも俺もチートあげたいしさ、そんな時つーさんを見つけたわけ。つーさん適応力もあるし、異世界小説読んでるしちょっと中二病の残り香もあるし」
「中二病の残り香なんてありませんよ!」
「えー俺にそんな噓通用するわけないじゃん? 全知全能よ?」
「全能のパラドックス……」
「はいでた! そんな言葉も知っている時点で残り香を感じるんだよな」
「はい、どうぞ」
そう創ちゃんが言って指を鳴らすと俺の頭にパラドックスの答えが流れ込んできた。俺には、いや間違いなく人類には理解できない全能のパラドックスの答えが今俺の中にはあった。
理解できないはずなのに理解できているという意味不明な状態であったがその全てが創ちゃんの力なのだろう。
「マジで創ちゃんって凄いんですね」
「だから言ってるじゃん! 全宇宙の創造主にして全知全能の創造神の上超絶最高の上司! それこそが創ちゃん!」
「素敵です! では元の世界に帰らせてください!」
「戻ってもいいけど、戻っても死んでるよ?」
「え? 死んでる?」
「そうそう、つーさん就寝中にガス漏れが発生してそのまま死んじゃったからね?」
マジかよ、全然わからなかった。
……でも創ちゃんの言葉に噓は感じられない
「嘘なんかつかないよ、でも俺のパシリになってくれたら生き返らせてあげるし。創造神クエストなんかもクリアしたらお願い事なんかも聞いてあげるよ?」
「創造神クエスト?」
「まあそこら辺はおいおい教えてあげる」
「とにかく俺のパシリしてくれたら、生き返れるしどんなお願いも叶えてあげるよ? しかも真の創造神チート付きだから、俺つえーもあるし現地で恋人作って来たっていいんだよ?」
「小説の世界と言っても本当に生きていて世界として成り立っているからね。それに面倒だって言いつつももうワクワクしてきてるでしょ?」
くっ、確かにワクワクしてきた。
それにこのまま死にたくない
「どんな願い事もOKなんですか?」
「上限なんてないよ?」
「ただし、俺を不快にさせる願いは辞めといた方がいいかな?」
それは言われなくてもわかっている。創ちゃんを超えた力を下さいという願いも一瞬考えたがそんなもの貰っても困る。
万が一その願いで不興を買ったら……考えただけでも恐ろしい。
今はフランクに話しているが創ちゃんとはどんな力を貰ったとしても超えることができない命の差を、存在の違いを感じる。
その感じることができることさえも創ちゃんが意図して感じさせてくれているのだろう。どんな願いでも叶えてくれるからと言って、創ちゃんが不快になる願いなんて絶対にしたくない。
「つーさんのそういう謙虚で適応力があるところが好きだよ」
「でもワクワクしつつもパシリにされるのは嫌なんだね?」
「なんて言うか人に使われるのはあんまり好きじゃなくて」
「創ちゃんならもう知っているでしょうけど、仕事できないのにゴマすりだけが上手な元部下が上司になって散々いびられているんで人に使われるのが嫌なんですよ」
「転職か独立を考えていたんですけど、ガス漏れで死んじゃうって……」
「でも生き返らせてくれるなら頑張ろうかな」
「まあ俺は最低の上司じゃないし、頑張って行って来てよ!」
「なにも永遠にパシリにするわけじゃないし、何個か行ったら生き返らせてあげるしお願い事もきいてあげるからさ」
「……わかりました、けどなんで小説内創造神の所に直接行かないで主人公の所に行くんですか?」
「自分が愛した人間が最強だと思っているだろうから、それを叩けば小説内創造神が出てくると思ってね、別にそれで来ないなら来ないで別の方法考えればいいからさ」
創ちゃんはそう嬉しそうに話して、さっそくチートマシマシであげると言って俺に向けて手をかざした。
咄嗟に身構え俺だったが、創ちゃんは終わったよと言ってすぐに手をおろした。
「これで最強のチートを手に入れたよ、具体的に何ができるとかは特にないよ。できないことがないし、肉体的にも最強だからね。どんな屁理屈みたいな事するチートにも絶対に負けないから! だって真の創造神様のチートだからね」
ガハハハッとこれまた嬉しそうに笑う創ちゃんだが、俺にはまだチートを授かった実感はない。
「そうだろうね、チートを貰っただけで調子に乗っちゃうのはダサいから軽く一億年くらい修行してから行ってね」
「大丈夫精神力も半端じゃなくなってるし、もちろん時間も止まっているから生き返っても問題ないから」
「いってらっしゃーい」
瞬間暗転し、学校の運動場程の広さのところにやってきた。
それからは恐ろしい程大変だった、全て割愛して一気に一億年経つが修行本当に辛かった。
この修行が終わったら創ちゃんを一発ぶん殴ろうと決めたほど大変だった。
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