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第十四話



 


 そいつは、かなりの力を秘めているのがわかった。相当強い……失礼だがパワーアップしたガーボ君とズーさんが力を合わせても瞬殺されるだろう。ぶっちゃけ二人が十組いたとしても余裕で負けるレベルだ。こりゃトウマ君以外は戦いにもならないな。案の定ガーボ君達は立っている事すらできなくなっている。



「ぐっ、すまんトウマ。まさかここまでの力があるとは……この威圧感の前では立っている事すらできん。俺はここまで来てトウマの盾になることすらできんのか……」



「私もごめん、正直無理だ……気を失わないでいるだけで精一杯……なんの力にもなれなくてごめん」



「……トウマ! 俺達の事はいいから一旦引くんだ! いくらトウマと言えどもこいつは、魔王は強すぎる! 卑怯な手かもしれんが、S級SS級の冒険者や全世界の強者をあの泉に入れさせ総攻撃をしかける以外こいつを倒すのは無理だ! 俺の命を懸けて一瞬だけでもスキを造るから皆を連れて転移してくれ!」



「おもしろい、そちの策を試してみよ。それで我と本当に戦う事ができるなら良き宴となるだろう。ただし対価としてぬしの命は貰うがな? では勇者よさっさと転移して仲間を連れてくるがよい。久々に戦いというものを楽しみたいものだ」



「ああ俺の命でトウマ達を逃がす事ができるなら安いもんだ! トウマ後は頼む! 生き残れなくてすまない……先に逝って待ってるぞ!」


「ガーボさん!」



「何をしている! 早くするんだ!」


「早くせぬか? いくら暇を持て余していると言ってもぬしら如きに割く時間はあまりないぞ?」



「ガーボさんってば! ちょっと話聞いてくださいよ!」



「トウマいい加減にしろ! 早く行くんだ!」


「余裕です!」


「ん? なにが余裕なんだ?」



「ですからこいつ、魔王倒すの余裕ですよ!」





「は? ……それはいくらなんでもあり得ないだろう? 正直以前見せてもらったお前の全力より倍は強いと思うぞ?」





「……あの時なんとなく、これが何割の力です! とか言った方がカッコいいと思って十割の力! とか言ってましたけど実はあれ十割じゃなくて一割もなかったんです……」


「どういう事だ? 別に嘘をついた事を責めるわけじゃないが意味がわからない」



「十割って十パーセントの事だと思ってたんですよ……だから後で気付いて言い直そうと思ったんですが、それ言ったら絶対又勉強させられると思って言えなかったんです……なので魔王がもしあの時の俺より倍強くても全然余裕です」



「なんだったら十倍強くても問題ありません。ぶっちゃけ俺今まであんまり加護の力とかスキルを使ってなかったんです、そういった力を全力で使えば百倍強くなったとしても余裕で倒せます!」



「……わかった」


「わかってくれて良かったです……」



「……よーくわかった、お前には一からみっちり教えなくてはいけないということがな!」



「えー! 魔王倒しますから許してくださいよ! ほら、俺が力強くしたから魔王の威圧感なんかなくなって楽になったでしょ!」



「……要検討だな!」



「ぶー、ガーボさんのケチ!」



 こいつらは……最後の最後までのほほんとしているんだな。だが、あちらさんは我慢の限界を超えているようだ。



「……生れ落ちて幾星霜、ここまでの侮辱を受けたのは初めてだ、暇つぶしに人類を攻めていたがもうやめだ。まずは貴様らの手足をもぎ取り動けなくしてから全人類を貴様らの目の前で殺してやろう」


「そんな事させない!」



「無駄だ、我には世界で唯一“邪神の加護”がある! これさえあれば我は最強だ! 宣言通り手足をもらうぞ!」


 

 一般人がいたら、その気配だけで絶命してしまうほどの力を込めて殴り掛かった瞬間……



「ぺちん」



 三歳児でももう少しマシな音を出して叩けるぞ? と突っ込みを入れたくなるほど情けない音がこだまする。これは魔王がトウマ君を叩いた音だ。魔王はビックリし過ぎてマジで顎が外れている。


「ぬわ、ぬわにがぁ?」



「……えっと、邪神様の加護が俺に来たみたいです……。邪神様も本当は俺に加護を与えたかったみたいなんですけど、他の神々が一杯上げるもんだから拗ねていたみたいで……今話したら俺の所に引っ越すって来てくれました」



「ふざっ、ふざ! ふざけるな! そんな事あってたまるか! 我は最強の魔王だ! 何人たりとも我に勝てるものは存在せぬ」



「でも、勝てちゃうんだもん仕方ない気がするけど……まあいっか……サヨナラ……」








 ……ここだ! 俺は豪速の一振りを横になぎ魔王の首を落とす。首が落ちて数秒バサシ以外はなにが起こったか全く理解できていなかった。やっと理解が追いつき誰がそれを為したか気付いた時、みな驚愕の表情を浮かべていた。


 

 ちなみに、なんで魔王がでた瞬間やらなかったかと言うと、単純にどうやってラスボスを倒すのか知りたかったから。



「え? いまイーフさんが? ……でもどうやって?」



「……イーフさんこれはどういうことですか? いくら邪神の加護がなくたったとはいえ、あの魔王は依然として規格外の力を持っていました。それはトウマ以外ではどうしようもない程の力を……」





「……みんなごめんな、俺も仕事(パシり)でさ色々と大変なのよ……こっからが本番だし」



「え? イーフさんなんか話し方違くない?」



「これから、怒涛の展開になるだろうから先に言っとく。確かに俺は嘘をついていたがお前達と旅ができて本当に良かったし楽しかった、これは嘘じゃない。今までありがとう」





「どういう……」



 トウマ君の言葉が終わるより早くそいつらは現れた。前回の創造神“イチ”もそれなりに神々しかったが、今回は十柱位はいるからオーラだけで言ったらこっちの方がやばい。トウマ君以外は完全に平伏している。畏れ多くて直視等できないのだろう。しかも完全にぶち切れモードだ。怖いのもあるか……


 誤字脱字ありましたらお願いします。


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