第一話
「ふざけるな! なんだその力は! 創造神であるワシの力をおおきく超えているではないか!?」
「ありえぬ! そんなことあってはいけない!」
「そりゃ仕方ないでしょ? 俺は本物の創造神にチートをもらったパシリだからな」
「本物? パシリ? なんだそれは!」
「うるせぇ! お前らが調子に乗るから俺がパシリにされてるんだよ! ややこしい手順踏ませやがって」
「今創造神様呼んでやるからちょっと待っとけ! それでは創ちゃんお願いしま-す」
そうして降臨した創造神様、改め創ちゃんを俺とこいつは様々な感情で見つめる。
この恐ろしい程神々しいのが創造神様であり俺をパシリにしている張本神。
時は遡り、一年?程前
俺は神宮司三十手前 仕事を終えて軽く晩酌就寝。その後目覚めると見知らぬオフィスにいた。
そして目の前にいるまったく見覚えのない人物はじっくりと間を開け俺をじっと見つめながら口を開いた。
「俺はいま少しだけだがイラついている、理由はお前たち日本人がやたらと創造神を創るからだ」
まったく話についていけない、まずここはどこだ? そして目の前の人物は誰だ? 創造神を創るって? 俺の気持ちなど全く無視して目の前の人は続ける。
「そこら辺の事は後で教えてやる、それよりもだ! お前たちは本当の創造神を知らないくせにやれキリストだ、やれ仏さまだと吠える、まあ彼らも一生懸命頑張っているしそれに俺の名前は残さなくていいっていつも言っているし? それを忠実に守っているってことなんだろうけどさ」
「なんかせめて、各宗教の一文には載せといて欲しかったな?」
「真なる創造新様がいらっしゃりその方こそが全宇宙の創造主にして全知全能の創造神です!」
「なんてさ! 巷に溢れている創造神とはわけが違うぞ、俺は本物だからな! 無限の数の宇宙があってそれらを全て創造し今尚増やし続けていのが俺だから」
おー情報過多で全く処理が追い付かない。とりあえず拗ねている事だけは把握できた。
「拗ねてねーよ俺の器はおとめ座銀河団より広いからな」
おとめ座銀河団でか! って思ったけど、話が本当なら無限の宇宙の創造神がたった一つの宇宙のたった一つの銀河団レベルの器ってあんまり大きくなくね?
なんて少しだけ思ったけどやめとこう、ぶっちゃけさっきから心読まれてるもんな。
それに問答無用で命の格差を思い知らされる程の気を感じていて、なんで今も普通いれるのか不思議でしょうがない。
本当に申し訳ございません。
「いやいや、おおお怒ってないよ? お前の宇宙の銀河団だと思っちゃったよね? ごめんごめん、宇宙って無限にあるからその中で一番大きな奴の事言ったんだよね」
「たまたま名前が一緒だったから勘違いしちゃったかな? くそど田舎宇宙の無知な地球人じゃ無理もないよな」
くそど田舎って言うけど、話の流れだとそのくそど田舎のなにかにイラついているんだよな? やっぱりこの人って……
あーまた思考してしまった! 考えが止まらないんだよ! 申し訳ございません最高の創造神さま! その素敵なスマイルでブちぎれるの怖すぎます。
「まあ前置きはその辺で。お前も異世界小説好きだろ? 俺も暇つぶしで読むんだけどさ、地球、特に日本! 創造神とかですぎ! 当たり前だけど全員偉そうにしてるしさ」
「なんつうか、小説の中の創造神のくせにさ俺より自由だし儂とか言っちゃうしさチートとかいっぱいあげてるしさ、偉そうだしさ、俺が本当の創造神なのに自分が一番だって思っているしさ、偉そうだしさ」
何回偉そうだしって言うんだよ、しかも小説の中の話にキレるって琵琶湖並みの器しかねーな!
やばい思わず突っ込んでしまった、琵琶湖は滅茶苦茶でかいですよ!
「琵琶湖も日本じゃでかいもんな……」
うんうん、唸って納得してくれたようだ。
「とにかくだ、あいつら調子に乗ってるんだよ!」
「って俺の部下がうるさくてさ、俺は気にしないんだけど真の創造神様を知らないくせに調子に乗り過ぎです、一回しめてやりましょう! って部下がうるさくてさ、俺は気にしてないんだけど部下の手前少し示しを付けないとさ俺はひよってねえぞ! ってね」
「でも創造神様、小説はあくまでも創造物ですしそれに対してお怒りになられても」
「創ちゃんでいいよ、それと俺じゃなくて部下が怒っているの」
「ありがとうございます、では創ちゃんの部下の方が小説の中の事をお怒りになってもどうすればよいのか」
それはそうだろう、物語の中の事をいくら言っても変えられるの作者だけ、そもそも小説のキャラを締めるって発想がいまいちわからん。
小説や漫画を読んでいて、このキャラクターイラつくな! ってことは確かにあるけど、だからってそのキャラを締めに行くっていうのはちょっとわからんな。
そこのところどうでしょうか? 創ちゃん?
「お、いい感じに心の声を使ってるね。ではお答えしましょう。お前たちには視認不可能だが小説の中にも世界は存在する」
「もちろん全ての小説に世界ができるわけじゃないが、作者の思い入れが強かったり読者の思いでできたりと色んな理由で小説の中に新たに世界ができたりするんだよ」
「だいだいは途中で物語が終わったり完結した小説なんかに世界が創られたりするかな?」
「だからそういった新たにできた世界は確かにその神や創造主なんてやつの世界であったりもするんだけど、最近はその数が多すぎるし本当の創造神ってやつを見せてあげないといけないかなって思ったわけ」
「……部下がね!」
なんか最後の完全に自分の意見になってたけど、でも小説の中に世界ができるのかーなんかロマンチックだな。
「だけど、俺が直接乗り込んだらあまりの神加減にその瞬間世界が崩壊しちゃうしさ隠しても俺の神加減は出ちゃうから代役を探してたのよ」
「小説の神たちも主人公とかにチートあげて俺つえーさせてたじゃん?」
「だから俺も主人公をチートマシマシで異世界に送って、その世界の主人公をボコってビビった創造神がでてきたら満を持して俺どーんして平伏してもらおうかなって感じのプランだから」
意味が分からん、世界が崩壊しちゃうから創ちゃん自身は行けないのに最後は結局出てくるのか。
そしてそのチートをもらう奴って俺のこと?
「もちろんつーさんの事だよ?」
友達みたいにつーさん呼び!
この後、何話か投稿したいと思います。
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