第三話 出発
*この話は、作者が中学時代の頃に小説というモノを知らぬまま書き上げた小説を大幅に加筆修正した小説です。
*この話を元にした(リメイク小説)『結末は分岐しだい』と読み比べてほしいためだけに、公開しています。
*話の本筋はラスト以外変えていませんので、不思議なことも多々発生します。
*このお話の彼らがいてのリメイク版があるので、広い心で読んでいただけると嬉しいです。
*誤字脱字等ありましたら、お知らせください。
第三話 出発
修行を始めて四カ月。
訑灸は体術センスがあったのか、あっという間にしゅうの実力と大差なく手合わせできるほどになっていた。
「うん。かなりよくなったし、エンドラン行っちゃう?」
「いや、俺はどうでもいいけど」
「だから、もう少し興味持てって!」
「でも、行くんだろ?」
「そーだよ、行くに決まってんじゃん」
二人は廃工場を後にする。そして、旅に出るための荷物を取りに行くため、それぞれの自宅へ戻ることになった。
廃工場から帰宅したしゅうは特に準備をすることなく、椅子に腰掛けテレビで流れる映像を眺めていた。
「エンドランかぁ……何年ぶりだろうな、あそこへ行くのは」
おもむろに立ち上がると、台所を目指す。そこでインスタントのコーヒーを作り、カップを手にして椅子へ座り直した。
コーヒーを飲みながら寛ぐこの青年は準備に取りかかることはなく、今度は鼻歌を口ずさみながら新聞を読み始めた。
集合時間まで、これは変わらなかった。
その頃訑灸は……。
しゅうと同じように自室で寛いでいた。二人は揃って準備というより、休息をとっている。
「必要最低限って言ってもなぁ。なにがいるんだろ」
今まで旅行に出掛けたことがない。準備するものがわからない彼は、ただ時間が過ぎるのを待っていた。
そして集合時間。
「遅い! しゅうの奴遅すぎる」
訑灸が言うように実際の集合時間は三十分前。ここにいるは彼一人で、案内人となる青年の姿はない。
つまり、遅刻。さらに来る気配は、まったくない。
更に三十分後。
「いや~、お・ま・た・せ。待ったー?」
「しゅう」
何事もなく普通に登場した友人に対し、連絡も取れず一時間も待たされた彼は見過ごせるわけがない。
「なんで遅れた」
「ん? いや~、一応部屋を開けるなら大家さんにいっとかなきゃいけないじゃん。それに」
「それに?」
「寝坊したよね!」
ーーブチっ
効果音と共にしゅうは半瀕死状態になっていた。
「しゅう。もう用はないな?」
「もちろんでっせ、相棒っ」
「相棒ゆーな」
そういうと二人は歩き始める。目的地【エンドラン】へと……。
ここから二人の物語は、始まったのだ。
第三話。メタな発言をカットしたらとても短くなりました(笑)。
今回、話の書き方を変えようかと思ったけど、後に似たような展開の書き方があるので止めました。雑。
当時は深く考えてなかったのと修学旅行以外の経験がないので、旅支度のくだりが雑すぎるのがめっちゃ好きです。
そんなことがたーくさんあるのがこのお話。なんせ、中学生の考えたお話ですから!
それでは、次話もよろしくお願いします。