テンプレ異世界転生4
『ステータスアップルーレットについて説明しますね。』
そういうと、スキルルーレットが消え、代わりに円が三重のステータスルーレットがスライドしてきた。
『ステータスアップルーレットとは、対象者のステータスを変更するルーレットです。まずは、外周にある"利用回数"を回していただき、次に真ん中の"項目"を回してください。』
チラッとルーレットに目をやるが、まだ"言語"スキルを修得していないので、何が書いてあるのかさっぱりだ。
ただ、ステータスルーレットも"項目"の数が結構あるのがわかる。
〔よろしければ、ご説明いたしましょうか?〕
いらんいらん、こういうものは当たった時に教えてもらった方が面白いんだよ。
〔了解しました〕
"言語"すら修得できていないのに、何で"大賢者"は発動しているんだろうか。
〔お答え致します。スキル"大賢者"が発動している理由は…〕
ストップ、ストーップ。
なんだか長くなりそうだし、教えてくれなくても大丈夫だよ。
助言を求めたり、良いって言うまで黙ってて
〔了解しました〕
『"項目"には、それぞれ生命力・魔力・筋力・体力・速さ・器用さ・賢さ・精神力・運・職業があります。そして最後に内側の"数値"を回してください。出た数値が"項目"の増加する数値です。なお、職業が出た場合の数値は、スキルとステータスのどちらにも自由に割り振れるポイントになります。以上が簡単な説明ですが、何か質問はありますか?』
特にありません。と、オレは答える。
そういや"大賢者"と会話していたのに、全く時間が経っていないな…
『それでは、まずは"利用回数"を回してください。今回も、1回は必ず利用出来ますので、1+ルーレットの結果です。』
前回は最大12で、結果は3回しか追加されなかったが、今回はおおよそだが最大で20前後ありそうだ。
「10以上出てこーい!!」
こういうことは、口に出してお願いした方が良い気がする。
じゃんけんのおまじないと同じで、声に出す出さないで、運の巡り方は変わってくる。はず…
ビィィィィ…という音を出しながらルーレットは回る。
スキルルーレットよりも少し音が低い。どうでもいいけど
ビビビビビ…
【11】
確かに10以上、10以上だけどもさぁ…
少な過ぎず、多過ぎずの1番微妙な結果に、オレは1人で項垂れる。
『11ですね。これに1回プラスして、合計12回ルーレットを回せます。』
えーっとなんだっけ?生命力と魔力と筋力とか諸々だっけな。
とりあえず回してみようかな。
1回目ということで、特にこだわりも無いので軽くルーレットを回してみる。
ビビビ…
『はい、1回目は体力です。生命力や持久力、装備が無い状態の物理耐久力などに影響を与えます。』
なるほどねー
この辺はよくあるゲームと変わらないのか
『では、次に"数値"を回してください』
どれどれ、結構色んな数字が載っているなぁ
「あの、この✕2とか✕3ってのはどういうことですか?」
ただの数字の他にも、所々に掛け算の✕が付いた数字がある。
『それは、今のステータスにその数を掛けるということです。今はまだ1回目ですので、体力は基本値の5なので✕2だと10になります。これが、2回目、3回目と、ルーレットを回してステータスアップをした後だと、アップ後の数値に対して掛けられることになりますので、最後の最後に引くことが、一気に強くなれるチャンスなのでオススメです。では、どうぞ!』
狙って当てられるなら苦労はしないのだが、出来る限り後になってから当てられるなら様に祈っていよう。
ビビビ…
数値も項目と同じくらいに軽く回す。
【34】
『34ですね。先程も言いましたが、基本値が5ですので、甲斐さんの体力は現時点では39になります。』
よくよく考えてみたら、39がどれくらいの強さのレベルなのかよくわからない。
「すいません、ところでステータス値の5はどれくらいなんですか?」
『産まれたての赤ちゃんくらいです』
笑顔でとんでもねぇこと言いやがる。
え、赤ちゃんレベルなの?異世界転生したら赤ちゃんレベルの能力になっちゃうってこと?
『あ、ごめんなさい。赤ちゃんレベルってのは、あくまで5しか無かった場合です。甲斐さんの場合は、今の甲斐さんとして転生しますので、今のステータス値に5と34が追加される形ですので、謂わば強化に近いですね。』
良かった…産まれたての赤ちゃんレベルで放り出されたら『転生したらすぐに死にました』なんていう笑えない異世界転生になるところだった。
結局、5が赤ちゃんレベルってのはわかったが、39は強いのか弱いのかよくわからなかったな
『では、2回目をお願いします。』
今度は勢いよく回してみる
ビィィィィ…
お約束の音が鳴り響く。
相変わらずなかなか止まらないルーレットだ。
ビィィィ…
ルーレットの音が鳴り響く中、それを見つめている男女2人
シュールだなぁ…
ビビビ…
『はい、今回は賢さです。賢さは、魔法の強さや難易度に関係するステータスです。あと、ちょっとだけ魔力が増えます。では、そのまま続いて“数値”も行ってみましょう』
思い切りやり過ぎると待機時間が耐えられないので、軽く回す
ビビビ…
【27】
『27です。賢さも基本値は5ですので、合計が32です。では、3回目もどうぞ』
「そういえば、オレの今のステータスってわからないんですか?」
『ごめんなさい。甲斐さんの今のステータスは転生前と言うこともあり、あやふやな状態なんです。2日間くらい掛ければ判明するのですが、どうしますか?』
どうしますかと言われても、人間ドックじゃあるまいし…
「転生してから確認します。」
ここで上がった分を覚えておいて、あとで計算した方が圧倒的に早い。
『それでは3回目どうぞ』
今回も軽く回す。
ビビビビビビ…
『えーと、3回目は職業の“ウェポンマスター”ですね。この職業は武器に精通していて、自分で使ってもよし、作っても良しという、“戦士”や“剣士”などの前衛職と“鍛冶屋”を一定のレベル以上を習得した人が成れる上級職です。』
戦闘にも生産にも活躍出来そうな職業だ。
下手に“勇者”とか面倒臭そうな職業じゃないので、ある意味当たりかもしれない。
連続して“数値”も回す
【16】
『職業でしたので、この16は転生後にお好きなステータスをアップしたり、スキルを習得する際に使用出来るフリーポイントになります。使用期限はありませんので、お好きなタイミングで使ってくださいね。』
自由に使える。ということは、このルーレットは職業を狙っていった方が断然お得なのではないだろうか?
『あ、皆さんこのフリーポイントの説明をすると職業狙いで回されるのですが、職業だと乗算が出ない仕組みになっていますので、一概に良いとは言えないかも知れません。』
ちょっとしたギャンブルだな。
確実に自分の意志で割り振れるポイントか、一発逆転も可能な乗算か…
いや、そもそもギャンブルも何も、ルーレットなんだから最初からギャンブルじゃないか。
なーんだ、考えるだけ無駄だった。
『4回目お願いします。』
そう考えると、気持ちが少し楽になった。
とにかく、回す、決める。を繰り返せば良いだけで、結果は勝手に付いてくるさ
オレはなんだかわからないが晴れやかな気持ちでルーレットを回した。
ビィィィィ…
しまった。
気分が晴れ晴れし過ぎて勢いよく回し過ぎた。
ビビビビビビビビ…
『4回目は器用さです。器用さとは、遠距離武器の命中精度や生産の成功率、罠の解除や解錠などに関係してきます。』
そのまんま手先の器用さってところかな。
"数値"もさっさと回してしまおう。
【48】
『48ですね。器用さも基本値は5ですので、後ほど53ポイント上昇します。先程もお伝えした通り、生産には必要不可欠なステータスなので、“ウェポンマスター”の職がある甲斐さんにはとても良いことだと思いますよ。』
ルーレットの結果次第では、生産者として生きて行くのも良いかも知れない。
『さあさあ、あと8回ありますよ。ガシガシ回していきましょう。』
転生後の人生を決める、大事なルーレットなんだから丁寧に回したいところだが…
確かにあと8回もあるならサクサク回していくか
「よいしょっと」
ビィィ…
聞き慣れた音が鳴り響く。
ルーレットのマス目とマス目を区切る出っ張りと、矢印の下に付いている区切り用の板とが接触と通過によって弾かれた際に発せられる独特の甲高い音。
「ルーレット以外でこんな音聞いたことないなぁ…」
『私も、何かゴミが挟まった扇風機くらいでしか聞いたこと無いですね。』
あ、ボーッとルーレットを見つめ過ぎて声に出してたのか。
いや、そもそも女神は心の声が聞こえているので関係ないか。
『はい、そんなこんなで5回目は生命力です。生命力とは、まさにそのままの意味で、生命力です。』
あ、うん…そうだね。
確かに生命力と言われてどう説明したら良いかオレもわからないので、生命力は生命力。
生物として生存できる力、命そのものだな。
などと考えながら“数値”を回す。
【×30】
『わっ、すごいですよ!30倍なんて出たのなんて初めて見ましたよ!』
30倍ということは、今までの基本値は5だったので、最低でも150は貰えるって事だね。
生命力の平均値がよくわからないのでなんとも言えないけど、運が向いてきたかも知れない。
『生命力の基本値は100ですので、100の30倍の3000が追加され、3100になります!すごいですよ、生命力なら騎士団の隊長レベルですよ!』
隊長レベルと言われても、イマイチ実感がわかないが、とりあえず強いのだろう。
『30倍かぁ〜本当にあったんだ〜』
スマホが手元にあれば確実に撮影してSNSに上げて炎上させそうな勢いで見ているが、本当に大丈夫だろうかこの女神様は…
「あの次、回して良いですか?」
『はっ!す、す、すみません。初めて見たもので、ついはしゃいじゃいました。』
ビィィ…
今回で6回目、これで半分回した事になる。
やっと半分なのか、もう半分なのかはわからないが、着実に強化されているのはわかる。
『はい、6回目は運です。幸運不運などの運のことで、数値が高ければ高い程良いことが起こります。ちなみに、ステータスの中で運だけは上限と下限が存在していて、上限は400、下限はマイナス100までの範囲内で上下します。基準となる産まれたての赤ちゃんは50スタートなのですが、甲斐さんの場合は、甲斐さんの今の数値が基準値として適用されます。』
「じゃあ、今のオレの運がマイナス10だったと仮定して、“数値”で2倍とか出したらマイナス20になっちゃうの?」
『いえ、運の“数値”も職業の時と同じ様に、乗算は出ない作りになっていますし、運のマイナスなんてそんなこと、死ぬ様なことがない限りなることはないですよ。』
いや、オレ死んでここにいるんですけど…
ツッコもうかと思ったが、プークスクス状態の女神がアホカワイイので止めておこう。
やっぱり、カワイイは正義なんだな…ルーレットに容姿のステータスがあればなぁ
『では、運の“数値”をどうぞ』
運を決めるのに運頼みってのも、なんだか不思議な感覚だよな。
ビビビ…
【3】
『3です。』
「3ですね。」
『はい、3です。』
「………」
『さ、3でも良いじゃ無いですか!アップするのには変わりないんですから』
「そ、そうですよねー。わ、わー、やったー、3も運が良くなったぞーあははは」
『あははははは…』
「…ふぅ、次いきましょっか」
『そうですね。』
オレは7回目を思いっ切り回す。
別に、悲しくなんかないからな。
ただ、この後のルーレットはよく覚えていない…