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テンプレ異世界転生  作者: 矢師堂維助
3/4

テンプレ異世界転生3


一通り喜んだ後、本来の仕事を思い出したのか、少し照れながら元の位置に戻ってきた。


やっぱり、この女神様はかわいい。


『オ、オホン。それでは、甲斐清史郎さんは2回勝ちましたので、まずは〈追加スキル〉用の〈ルーレット追加利用回数〉を回してください。』


〈追加スキル〉が書かれているルーレットの外縁、1~12と書かれている部分を回す。

手動なのね。


パチチチチ…と、停止マスを示す矢印が弾かれる音が響く。


【3】


3か…12も数字があるんだから、せめて半分の6かそれ以上が出て欲しかったけど、あるだけありがたいと思わないとな。


『それでは、最初から付与されている1回と追加利用の3、合わせて4回〈追加スキル〉のルーレットを回してください。』


スキルのルーレットの内側を回す。

スキル数が大量にあり過ぎて、それぞれのマス目がものすごい事になっている。


ビィィィィ…


ちょっと区切りが多過ぎて、矢印が弾かれる音が変なことになっているんだが…

それにしてもよく回るルーレットだなー


ビビビビビビ…


手を離してから約1分ほど回り続けただろうか、ようやくルーレットが止まるみたいだ。


ビ、ビ、ビ、ビ…


さあ、1つ目の追加スキルは何なんだ?


『えーと、スキル抽選1回目の結果は、“開放”ですね。』


「開放ってことは、解錠とか解呪とかみたいなものなんですか?」


『ちょっと待って下さいね。今から説明を読みますね。』


ただでさえ、スキルの種類が多過ぎてマスがとんでもなく細いのに、その限りあるスペースにびっしりと文字が書かれている。


『“開放”とは、己に秘められた力を開放し、能力値を2倍にする任意作動型スキルである。ステータス増加倍率や使用可能時間は、スキルレベルに応じて変化する。』


なるほど、力の解放という事か。


『なお、詳細はステータス画面で確認出来る。とのことです。』


まだスキル付与されていないのでステータス画面を表示出来ないが、後で確認しておこう。


『では、2回目お願いします。』


「そりゃっ!」


2回目は少し強めに回してみる。


前回と同じ様に、ビィィィィと物凄い音を立ててルーレットが回転する。


『2回目のスキルは、“手から唐揚げが出せる”です…説明は…?』


「大丈夫です。」


『えーっと、では3回目お願いします。』


2回目はまさかのネタスキルの大外れだったが、3回目こそは


同じ様にビィィィィという音と共にルーレットが回り、そして停止する。


『3回目は“通販”ですね。おめでとうございます。あの、スキルの説明も読みましょうか?』


だいたいは予想が付くが、もしかしたら全然違うものかも知れないし、聞いていておこう。


「はい。ということで、おねがいします。」


『スキル“通販”とは、通信販売を利用出来るスキル。専用の画面から注文が出来る。※詳しい内容は、“ステータス”スキル内ヘルプをご覧ください。です。』


結局ステータス頼みか。

付与前では余り意味がないな。


『どうやら、ここ最近になって実装されたスキルの様で、ヘルプで補足している様です。』


通販がこんなにも盛んになったのは最近になってからだもんな。

使いようによっては金策にもなるし、あると嬉しいスキルかも。


『では、最後のルーレットです。なんだか緊張しますね。』


最後と言われると、妙に緊張してしまう。

せめて、手から唐揚げみたいなネタスキル以外でありますように!


「そぉいっ!」


これまでの回と同じ様に、物凄い音を立てながらルーレットが回転する。

だが、今回は何かおかしい。

一向に止まらない上に、回転する速度が不等速なのだ。


「ねぇ、女神様。これおかしくないですか?」


『変ですね…これまでこんな事なんて一度も無かったのに』


顎に手をやり、考えている体を装いながらルーレットに近付くが、さすがに手で止めるのは危ないし何だか問題が起こりそうなので眺める事しか出来ない。

やっぱり動きが不自然過ぎるよな。


『そうですね。何か不自然な力が働いている様にしか思えませんね。』


止まれ。とか言ったら止まるかなー?という安直な考えと、本当に止まるんじゃないだろうか。という好奇心がむくむくと湧き出てきた。

それになんだかんだで、ビィィィィという音がうるさいしね。


「止まれ。」


ピッタァー


「え、マジか」


それはもう、見事に止まったそうな


『え、甲斐さん何やったんですか?』


「いや、何となく命令したら止まるかなーって、つい出来心で」


『え、そんな、ありえない。』


ルーレットの変な動きも気になるが、まず今はスキル確認という仕事を優先するべきなのだろう


『では、一応は止まったみたいなので確認してみますね。でも、私も遭遇したことのない異常な状況ですので、甲斐さんもご用心くださいね。』


止めて、そんなめちゃくちゃ緊張する雰囲気出さないで


『4回目のスキルは、“大賢者”です。』


ほっほー大賢者ですか。

あれ?でもそれって普通は職業名では?


『そうです。普通は“大賢者”というのは職業の一種です。しかし、ここに書いてある説明によりますと…』


〔代わりに私が説明いたします。〕


「え、誰?」


『どうかされましたか?』


突然、女神様とは違う声が聞こえた。

女性とも男性とも受け取れる様なその謎の声は、お構い無しに語り掛けて来る。


〔スキル“大賢者”とは、所持者に対して必要に応じて最適解を提案するスキルです。所持者の世界で言う、お助けAI(人工知能)というものと似ています。〕


『えーっと、“大賢者”というのは、万物のありとあらゆる事象に精通した者。とありますが、どういう事でしょうか?特にヘルプを参照なども表記されていませんし、ステータスアップルーレットにある上位職のマスが混入してしまったのかも知れませんので、ルーレットをもう一度回せる様に手配しますね。』


〔ルーレットの再使用はオススメいたしません。〕


またあの声が聞こえる。

この不思議な声が言う様に、大賢者の助言だとしたら採用してみるのも何か良い事がある気がする。


「いや、面白そうなのでこのまま“大賢者”をもらいます。」


『ひょえっ?』


iP●dらしきものを操作していた女神様は、素っ頓狂な声を上げた。


『え、え、良いんですか?別に大賢者という職業になれる訳ではないんですよ。』


元から常に前線で活躍したい性格だし、頭を使うのは前世まででもう十分だ。


『では、4つ目のスキルは“大賢者”で登録しますね。』


「お願いします。」


これで与えられた4回のスキルルーレットが終わったが、1つを除いて大きなハズレは無かったな。


『甲斐さんの追加スキルは“開放”、“手から唐揚げが出せる”、“通販”、“大賢者”です。』


戦闘や他にも助けになりそうな“開放”

何が買えるのか、何で買えるのかわからないが、利用価値は高いであろう“通販”

超高性能AIみたいなもので、有益な助言が期待できそうな“大賢者”


〔はい、必ずお役に立てる事をお約束いたします。〕


まだスキルはインストールされていないはずなのに、既に大賢者は起動しているのは不思議で仕方ないが…


『では、次はステータスアップのルーレットに行きますね』













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