テンプレ異世界転生
『貴方は残念ながら死んでしまいました。』
美少女が急に目の前に現れたと思ったら、何言ってんだこの子は?
死んだ?いやいやいや、見ての通りピンピンしてますけど!
『いきなりそんなことを言われても、信じられないかと思いますが…甲斐清史郎さん。あなたは、ボールを追いかけて道路に飛び出した男の子を救う為に、居眠り運転のトラックに轢かれて死んでしまったのです。』
あ、なんか思い出してきた。
そう、確かオレはニ徹の仕事が終わり、フラフラになりながら家に帰る途中だったんだ。
そうしたら、普段では絶対にあんなことしないのに、思考能力が落ちていてつい飛び出してしまったんだ。
『そんなあなたの勇気と思いやりを評し、異世界に転生する権利が与えられました。』
まさか自分が異世界転生モノの主人公になるとはな。
『転生するにあたって、いくつかの選択肢があります。では、まずはこの中の選択肢からお選びください。なお、どれを選んでも前世の、今の甲斐清史郎さんとしての記憶は残るものとします。』
①地方貴族の赤ちゃんに産まれる
②賢者や剣聖等の養子として拾われる
③魔物として生まれる
④甲斐清史郎さんとして始める
これは悩む選択肢だな。
今のオレとしての記憶が残るのであれば、どれも魅力的だし、お約束感がすごい。
「質問しても良いですか?」
どうぞ。と女神様が微笑む。
「①の地方貴族というのは、どれくらいの地位なんですか?」
貴族の爵位などは、1つ違うだけで名誉も収入も雲泥の差だ。
例えば日本で有名な“男爵”だが、これは最下位の爵位である騎士とも呼ばれる“士爵”の1つ上で、下から2番目に位置する事が多い。
『そうですね。今回候補に上がっているのは、子爵の4男です。』
子爵と言うことは、多少振れ幅はあるが、一国一城の主であることが多い。
「なるほど、子爵の4男ですね。ありがとうございます。」
4男ということは、結構好き勝手出来るポジションではある。
後継者は長男が有力だし、次男3男くらいまでは騎士団に入ったり長男の補佐としての色が強い。
それに比べて4男以下は、放置される事が多く、色々な異世界転生ものでも冒険者になるのが定番である。
ただ、人質としての価値はあるので、そっちに動く可能性は捨て切れない。
「では、もう1つ質問です。③の魔物とは何の魔物ですか?」
蜘蛛やらスライムやら魔王やらドラゴンやらに転生するやつを読んだことがあるが、なかなかにハードな人生だからなー
『それは甲斐さんが選ばれた後の選択肢で、多少は選ぶ事が出来ます。』
なるほど、貴族の場合は子爵の4男はほぼ確定だが、魔物の場合は多少の選択肢があるのか。
そうなると悩みどころではある。
自由が少ないが生活には困らない①
修行の日々だろうが「え、オレなんかやっちゃいました?」が出来る②
③は、まあオレ的には無いかな。人間でいたいし…
④は今のこのまんまで放り込まれるやつか…
『どれにしますか?』
「そうですねー、どれも魅力的なのですが…ここはド定番の④でお願いします。」
『④ですね。承知いたしました。』
でも、これで次の選択肢がクソだったら詰むかも知れない。
『続いて、次の選択です。何歳の肉体で始めますか?』
イ.12歳
ロ.16歳
ハ.18歳
ニ.20歳
ホ.25歳
ヘ.今の年齢
これは即答できる。
一番、成長の余地があり肉体的にも整い始める年齢。
「ロ.の16歳でお願いします。」
『ロ.の16歳ですね。承知いたしました。』
そういえば、さっきから女神様が使ってるのって、ip●dだよな。
もしかしてドッキリなのか?
『ドッキリじゃありませんよ。』
「え?オレ、口に出てました?」
『いいえ、一応私も女神ですので、心の声や考えている事くらいはわかりますよ。』
え、え、え、やばい!オレなんか変な事考えてなかったよな!?あ、これもわかっちゃうのか
「なんか変な事言ってたらすみません…」
『大丈夫ですよ。甲斐さんはとても素直な方ですね。お気になさらないでください。』
ニコリと女神様が微笑む。
女神や、マジもんの女神様やで…
ああ、これもバレちゃってるのか。
でも、美しい上に慈愛に満ちていているなんて、ありがたやーありがたやー
…と、なんだか女神様の口元が緩んでいる気がする。
え、もしかして女神様…
『照れてません!それよりも、次で最後なのですが、ちょっとしたゲームです。』