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第14話 ん?

「ちょ、ちょっ!な、なに帰ろうとしているんですか!」


「帰ってアニメを観るから」


「即答?!そうじゃなくって、なんでですか!」


「だってめんどくせぇし」


「……」


「そういうことで、じゃあな……奢ってくれてサンキューな」


 今度こそ帰ろうか。


「……待ってください。お金を置いていって下さい」


「はっ?」


 何言ってんだ?


「会計は私がしましたが別に私は、『お礼がしたい』と言っただけで別に奢るとは言ってないですよ?」


 なんだそれ、めちゃくちゃだなこいつ。


「『めちゃくちゃだなこいつ』って顔していますけどちゃんとお礼はしましたよ?先輩みたいな人が、私とお茶できるなんて充分すぎるお礼ですよ」


 エスパーかこいつは。と思いつつも中々良い根性してんじゃねぇか。


「先輩は今は財布持ってきてないですよね?さっき確認にしたから知ってますよ。今払って下さい。もし払わなかったら学校で先輩に

詐欺られた〜って言いふらしますよ?」


 なんだ、この生意気なクソガキが。


 フッ……けど甘いな。


「そんなの誰が信じるとでも?」


「……7大美少女と言われみんなからちやほやされている私と先輩のような陰気で学校カーストワーストトップを飾ってそうな人とどちらの言葉をみなさんは信じるんですかね?」


 ……た、たしかに相手は7大美少女だ。

俺のような陰キャの言う事は誰も聞く耳を持たないだろう……。

やりよりなこいつ……羊頭狗肉だと思ったがこれは1本取られた。


「……まぁいいだろう。手伝ってやる。だが……俺が暇な時だけな」


 まぁ俺に暇な時なんて殆ど無いがな。


「それでいいですよ」


「じゃあそういうことでな」


「はい、分かりました」


 はぁ〜面倒なことになったな……。


 というか、美少女ってなんでこんな傲慢で憎たらしいやつしかいないんだ?ラノベだったら美少女キャラに数人は優しくて温厚なヒロインがいるはずなのに……。


 やはり陰キャだからか?!

陰キャだから美少女でも雑に扱うのか?!

ラブコメには有るまじき失態……。


 と思いつつもまぁここは現実だしな……。

現実逃避したくなるぜ…………。

何処かに俺にでも優しい美少女はいないかー?


 雪菜は?俺の妹の雪菜はどうかって?

確かにあいつは俺に対しても優しいが実妹はアウトだ。義理ならセーフなんだが……。

まぁあいつは可愛いからな……。


 こんなシスコンで卑劣な劣情を持っているお兄ちゃんを許してくれ……。


「何泣いているんですか……」


「……」





 ♢ ♢ ♢





 さっきの事は無かったかのように店を出てあいつと別れた。


 よし、今度こそ帰るぞ!

俺は

そう決心したときーー


「――めてくださいっ!」


 少女の叫声が響いた。


 ん?


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