第六話
期間が空くとどこに行こうとしてたか忘れちゃう
「ようこそバトラント国へ」
俺たちがいるのは、ボロボロの壁で覆われた国だ。
「これが、バトラント国」
「酷いね」
「そうだな」
俺たちは、国に着いてからまずは散策を始めた。だが、どこもかしこもやせ細った人たちと、鎧に身を固めた人たちしか見当たらなかった。
“マスター”
(どうした?)
“実はさっきから言えなかったんですが”
(???)
“マスターが行こうとしてた国と違う国ですよ。ここ”
「え?」
「どうかした、ケイゴ?」
「い、いや、なんでもない」
(おい、どうゆうことだ?)
“マスターが行きたがってたのはエルダー王国ですよ。ここは、ほぼ毎日戦いをしているバトラント国です。全く違う場所です”
(マジで?)
“マジです”
なんと、ここは行くはずもない、やるはずのなかった国に来てしまったみたいだ。
「なぁ、デル」
「なに?」
「この国、目的の国じゃ無いみたい」
「そう、だよね」
「すーー、って事で、すぐに出よう」
「そうしよう」
俺たちは入ってきた門と反対の門からすぐに出た。その為、もう夜になってしまった。
「今日は野宿だ」
「うーー、野宿は嫌だ〜」
「どうした?」
「だって、今まで奴隷になりかけて野宿ばっかりだったのよ! それが、解放されたと思ったらまた野宿なんて、嫌よ!」
「えー、これから旅するなら野宿は付き物だぞ」
「そうだけど……」
「じゃ、さっきの国に戻って泊まるか?」
「……それも嫌」
「だろう。なら、諦めろ」
デルは涙目になりながら頷いた。
「大丈夫だよ。俺だって居るんだから、一人じゃ無いから、何かあったら俺も助けになってやるから、安心しろ」
「……うん」
そして、野宿の準備を開始した。
「よし、薪はこのぐらいあれば十分だな。そっちはどうだ?」
「これでいいのかな? 初めてだから分かんない」
今は、俺が薪集め、デルがテントを張っていた。テントは、サバイバルキットの中に入っていた。女神様様様だな。
「おーー、できてるじゃないか。よし、次は食べられそうな木の実とかキノコとか採ってきてくれ。その間俺は火を起こすから」
「分かったわ」
そして、すぐに火をつけることが出来た。魔法って便利。
「よしっと、デルはどうかな?」
「おーーい、こんな感じでいい?」
「おう、ありがとうな」
(キュア、この中で食べられないものはどれだ?)
“えっと、全部ですね”
(え? 全部?)
“はい。全部です。集め直しですね”
キュアのその言葉に俺は、落胆していた。それが分かったのか、デルはアワアワしていた。
「デルよ、これ全部食べられないものだ。集め直しだよ」
「そ、そんな〜。美味しそうなもの集めたんだけどな。キノコなんてすっごい派手で美味しそうじゃん」
「お前って奴は、はぁ、俺も一緒に探すよ」
こうして、俺たちの旅はトラブルの連続で続くんだろうと思った。
ほんと、すみません




