第十六話
朝、宿屋の前でシュートが待っていた。
「あ、おはようございます!」
「おはよう。シュート」
「おはよう」
「ケイゴさん、デルさん。朝食は食べましたか?」
「いや、まだ食べてないよ」
「よかったら、家で食べませんか?」
「え、良いのか?」
「はい。昨日のうちに両親には許可貰いましたので」
「なら、お邪魔しようかな」
「では、こちらに馬車を待たせているので、こちらにどうぞ」
少し移動すると、そこには豪華な馬車が停まっていた。
「なぁ、デル。昨日の内から何となく感じてたんだけど……」
「ケイゴ、もう言わなくて良いよ。私も感じてたから。昨日の高そうな料理、それに常連みたいな店員の対応。極め付けはこの、豪華な馬車」
俺とデルで、シュートの家を想像していると馬車の中から黒と白の服。まるでメイド服を着た女性が中から出てきた。
「初めまして。ケイゴ様、デル様。私、シュート様の専属メイドのキナと申します。この度はシュート様を魔物から助けて頂き、ありがとうございます。メイドを代表して感謝申し上げます」
「こちらこそ初めまして。ケイゴです」
「初めまして。デルです」
「では、こちらの席へ」
そう言って、馬車の中へ案内された。馬車の中なとても豪華で、椅子ももふもふで、お尻が痛くならない様になっている。窓から景色は楽しめなさそうだ。カーテンの様なものがかけられていた。
「ここから、自宅まで、大体10分ほどです。その間、僕とお話ししませんか?」
「もちろんいいぞ」
「私もいいわ」
それから、シュートの家に着くまでずっと話していた。その間、メイドのキナさんが羨ましそうにこっちを見ていたのは内緒だ。
「皆さん着きました」
キナさんが扉を開ける。
「うわ、すご!」
俺の目に飛び込んできたのは、3階建ての豪華な建物だった。
「中で両親が待ってます。行きましょう」
そう言って、シュートが案内を始めた。あれ、キナさんは? と、後ろを見るとキナさんはズーンと凹んでいた。俺はそれを見なかったことにしてシュートについて行った。
「すごいね。ケイゴ」
「あぁ」
もうほんとに凄すぎて、語彙力が著しく低下している。
「そうだ。ケイゴさん、デルさん。少しこの部屋で待っていて下さい。両親に報告しに行きます」
「分かったよ」
「何かあれば、キナに言ってください。頼んだよ、キナ」
キナさんは、シュートに頼られたのが嬉しいのか、物凄い笑顔で返事をしていた。
「キナさん」
「どうしました?」
「シュートって、えっと、何者ですか?」
「気になりますか?」
「そりゃ気になりますよ。な、デル」
「そうね。物凄く気になるわ」
「シュート様は、この国の第一王子です」
俺とデルはその言葉に度肝を抜かれた。




