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第十五話

「え、このお店を奢ってくれるの?」

「はい!」

「ほ、本当にいいの?」

「はい! じゃ、行きましょう」


 そう言って、シュートはお店に入っていった。


「いらっしゃいませ。シュート様」

「こんにちわ。今日は3人でお願いします」

「かしこまりました。では、こちらへどうぞ」


 周りにいるお客を通り越して奥の部屋に通された。


「ささ、ケイゴさん、デルさん。何でも頼んでください。お題は勿論自分が出しますよ」

「えっと、じゃあ、程々に頼むよ」

「そうね。沢山頼んでも申し訳無いもんね」

「お二人は何から食べますか?」

「こういうお店初めてだから、シュートのオススメにしてくれないか」

「私もそうしてくれるかしら」

「分かりました」


 シュートは少し考えてから、決めてくれたようだ。


「ケイゴさんは、お肉でいいですか?」

「うん。大丈夫」

「デルさんは、山菜を使った料理でいいですか?

「えぇ、それでお願い」

「分かりました」


 手元にあるボタン? を押して店員を呼んだ。


「はい。何でしょうか?」

「これと、これ。後これをください」

「畏まりました」


 それから、約20分後。店員が料理を持ってやってきた。


「お待たせしました。こちら、オーク肉の煮込みです。こちらが、山菜炒めと山菜揚げです。そして、こちらが、オーク肉のステーキです」

「ありがとうございます」

「さ、ケイゴさん、デルさん食べて下さい」

「いただきます」


 シュートに勧められ一口。


(う、何これ、味が薄い。ってか、肉をどうやったらこういう味になるんだよ。でも、これをシュートの前で言ったらやばいし、顔にも出せない。店員も隣にいるし)

「美味しいですね」

「ほんと、これ美味しいですね」


 デルも、山菜を食べてそんな感想を言っていた。


「なぁデル。一口交換しないか?」

「良いわよ」


 山菜炒めを一口貰った。


(山菜の味しかしない。塩もかかってないし。何だこれ。デルは……)

「うまい。美味しいわね)

「口にあって良かったです」


 それからも、肉の味しかしない煮込みを食べた。これは、どうにかしないと。その後、料金を払ってお店を出た。チラッと見たら、金貨数十枚だった。


「ありがとう。シュート」

「はい。あ、そうだ。泊まってるところは決まってるんですか?」

「決まってるよ」

「そう、ですか。実家に案内しようと思ったんですけど……」

「そうなの。でも、1日しかあの時頼んでなかったよね」

「いや、一週間分のお金を今朝渡したよ」

「そっか」

「無理言ってすみません。もし宜しければ、明日両親に紹介したいんですけど……」

「それなら、明日伺わせてもらおうかな」

「本当ですか!?」

「あぁ。いいよな?」

「えぇ、大丈夫よ」


 明日は、シュートの家におじゃすることになった。

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