第十四話
「あ、あの。助けてくれてありがとうございました」
少年は頭を下げた。
「頭を下げるなら、俺じゃなくてこのお姉ちゃんにやってくれ」
「お姉ちゃん。助けてくれてありがとう!」
「ふ、ふん。別に、助かったなら良かったんじゃない?」
「それじゃ、この子達をどうするか、だよな」
「ギルドに行ってから考えましょう」
「そうだな。少年もそれでいいか?」
「は、はい」
そうして、俺たちはギルドに到着した。
「こんにちは」
「あら、お帰りなさい。って、その子達どうしたのよ⁉︎」
受付にいたのはエルさんだった。
「帰って来るときに森で魔物に襲われてて、そこを助けたんですが、怪我をしてまして、治せないですかね?」
「医務室があります。そちらに運んでください。案内します」
「行こっか」
そうして、少女二人を医務室のベットに寝かせた。
「後は、こちらで処置しますので、ケイゴさんのクエストの受付を済ませますね」
「分かりました。あ、少年はどうするの?」
「えっと、僕もクエストを受けていたので、それの受付に行きます。後、ケイゴさん。すみません」
「ん? なんで謝るの?」
「いえ、名前を言うのを忘れてました。僕、シュートと言います。ケイゴさん」
「あぁ、よろしく。俺はケイゴで、こっちのお姉ちゃんがデルだ」
「どうも、デルです」
そう言って、自己紹介を終わらせた俺たちは受付で報酬を貰っていた。
「薬草が一本銅貨二枚ですが、ケイゴさんの薬草は状態が物凄く良かったのでプラスで銅貨一枚です。合計本数が六八本で、金貨二枚と銅貨四枚です。金貨は銀貨十枚に変えますか?」
「えっと、はい。お願いします」
「分かりました。少々お待ちください」
二分ほど待つとさっきよりも大きい麻袋を持った受付嬢が現れた。
「お待たせしました。こちら金貨一枚、銀貨十枚、銅貨四枚です」
それを受け取って、魔法の袋に入れた。
「ねぇ、ケイゴ。今日はご馳走ね!」
「しょうがないな。けど、ご馳走は夜な」
「うん!」
俺たちはギルドを出て宿に向かおうとしていた。が、後ろから声をかけられた。
「あ、あの!」
「ん? どうしたの?」
声をかけて来たのはさっきの少年シュートだった。
「えっと、助けてくれたお礼に、僕がご飯を奢らせてください!!」
「えぇ、それは、ちょっと」
俺は、年下にご飯を奢ってもらう事に気が引けていた。
「お願いします! それだけが僕にできるお礼なんです!」
「そっか。分かった。じゃ、お願いしようかな。いいよな、デル」
「いいんじゃない。奢ってくれるなら、甘えましょう」
「僕のオススメのお店に行きましょう!」
そして、三人でシュートのオススメのお店の前に来ていた。その外観を見て、俺とデルは開いた口が塞がらなくなっていた。




