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第十三話

 俺たちの初クエストはキュアのおかげで順調に進んでいた。


「このぐらい採取したら十分かな?」

“それで、いいと思いますよ”

「じゃ、帰ろうか」


 そして、私たちは帰路に着いた。


「にしても、キュアは本当にずるいわね」

「そうだよな。何処に何があるか直ぐに分かるからな」

“ありがとうございます”

「早く、体作ってあげないとな」

「キュアに合うような体を作るのよ」

「分かってるよ」


 そんな時だった。


“ご主人様、この道を右にずれた先に、危ない人たちがいます”

「危ない人たち?」

「どうしたの?」

“魔物に襲われて対処出来ていないようです”

「魔物に襲われてる?」

「それ、助けないと!」

「待て!」


 デルが駆け出そうした時、俺はデルの腕を掴んで止めた。


「何するのよ! 早く助けないとその人たち死んじゃうじゃない!」

「俺たちに何が出来る!! 俺は戦えない、お前はそのブレスレットで力が出せない。どう倒すんだよ!!」

「っ!」


 俺がそう言うと、デルは俯いて黙ってしまった。


「なぁ、キュア。あいつらが相手してる魔物は強いのか?」

“そこまで、強くないです。デルでも倒せます”

「そうか。なぁ、デル二人で倒しに行かないか?」

「え?」

「一人では行かせない。行くなら二人だ」

“私を忘れないでください”

「あ、すまん。三人だな」


 キュアの案内で、戦いの場所についた。


「来るな!」


 そう言って剣を振り回していたのは、小さな少年だった。後ろには少女が二人倒れていた。


「おら!」


 俺は、足元に落ちていた石を投げ、魔物の意識をこちらに移した。


「誰!」

「下がってろ!」


 少年は少しの間呆然としていた。それはそうだろう。冒険者が違う冒険者を助けるなんて聞いたことが無かったからだ。


「デル!」

「分かってる!」


 ナイフを片手にデルは、魔物に向かっていった。決着は案外簡単についた。


「よくやった。デル」

「えぇ、ありがとう」

「君。大丈夫?」

「う、うん。大丈夫」


 そう言って少年は、後ろを振り返った。


「そっちの子たちは?」

「分からない。偶々通りかかったら、この子たちが魔物に襲われてて、居ても立っても居られなくて、魔物とこの子たちの間に入ったんだけど……」

「そっか。ま、助かったんだから良いじゃないか」

「それじゃ、帰りましょう」

「あぁ」


 二人の少女をそれぞれ背負い。今度こそ帰路に着いた。

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