第十話
間に合わなかった。
説明回なので、気になる方のみ見てください。
「では、ギルドの説明を始めます。まず、ギルドでは何かと言うことですね。簡単に言いますと、何でも屋と言ったところですかね」
「何でも屋、ですか?」
「はい。例えば、住民の皆様が困ってることを手伝ったり、魔物を討伐したり、薬草などを集めたり、色々ですね」
「なるほど。続けてください」
「はい。次は、クエストについてですね。先ほど言ったものは全てクエストという形で受けることが出来ます。クエストを受けるのには報酬の十分の一のクエスト発行料が発生します。クエストを成功させると、報酬額を受け取ることが出来ます。しかし、クエストを失敗すると罰金が発生します」
「罰金ですか? 罰則ではなくて?」
「あー、そうですね。そんな質問は初めてですね。えっと、ちょっと待ってて下さいね」
そう言って、受付の人は近くの人に確認しに行った。
(キュア、そこんとこ分かるか?)
“もちろん、分かりますよ。クエストを失敗すると、確かに罰金が発生します。しかし、それは罰則を受けたくない人に用意されたものです”
(罰則はどんなものがあるんだ?)
“そうですね。基本的なものは、誰も受けようとしない、余ったクエストを報酬無しで受けることになります。例えば、公衆トイレの掃除や、溝の掃除などですね”
(なるほどね。ありがとう)
受付の人が戻ってきて、キュアと同じようなことを繰り返した。
「では、次はランクについて話します。このギルドにはランク制度を導入しております。ランクはD.C.B.Aの四つです。登録したてはDランクから始まります。どんなに強くてもDランクです。これは、強くても常識が無くては、意味がありませんから、Dランクから学ぶという意味でも、どんな人でもDランクからです。クエストにもランクがあり、E.D.C.B.Aの五つのランクがあります。Dランク冒険者はEランクの薬草集めや、動物の狩などしかクエストは受けることが出来ません。Cランク冒険者はCランクのクエスト以下しか受けることが出来ません。Cランクのクエストは、魔物の討伐などが入ってきます。Bランク冒険者はBランク以下のクエストを受けることが出来ます。Bランクのクエストは盗賊団の討伐や、護衛依頼を受けることが出来ます。そして、Aランク冒険者は全てのクエストを受けることが出来ます。Aランクのクエストは、災害級の魔物の討伐などが主になってくると思います。これでクエストについては終わりますが、何か質問はありますか?」
「な、無いです」
俺は、一気に説明されたため、あまり覚えることが出来なかったが、まぁキュアに聞けば良いかと思い直した。
「次は、指名依頼について説明しますね。指名依頼は、Bランク冒険者以上の人たちに来るクエストです。指名依頼はそれなりの信用が無いと、受けることはないですが、報酬は物凄いものになります。これは、ケイゴ様が指名依頼を受けた時の楽しみに取っておきましょう。これで終わりますが、何か質問はありますか?」
「魔物の討伐をした時に、魔物を倒した数はどう報告するんですか?」
「それはですね。これから渡すカードに自動的に記入されるようになります。過去の遺産らしいですが、その魔法は深く解明されてなくて、詳しくは分かりません」
「へー、凄いですね」
何故か受付の人がドヤ顔をしている。
「あ、カード出来たみたいですね」
そして、渡されたの物にはさっき記入した物と、討伐数と書かれた欄があった。
「その討伐数で全てを合算した討伐数を知ることが出来ます。それを指でなぞると細かく討伐数を知ることが出来ます。それと、そのカード再発行には銀貨が必要になりますので、無くさないでくださいね」
ついでだからここでお金の話をしよう。この世界には銅貨、銀貨、金貨、白金貨の四つがある。まぁ、細かくは分からないが、銀貨が一枚で千円ほどの価値がある、という事くらいかな。
「分かりました。では、僕達はこれで」
「あ、待って下さい。私、エル・サナと言います」
「ケイゴです」
「デルよ」
俺たちは、今日の宿を探すために歩き回った。




