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不協和音  作者: 冷蔵庫
4/5

まさゆき編

この物語はフィクションです

彼女の弾丸は、見事に僕の頭を撃ち抜いた。

痛みを感じない程、正確だった。


走馬灯が見える…。


忘れてしまっていた、いくつもの思い出が蘇る。

その中には、微笑んでいるななみの姿もあった。


あれ…?彼女に会ったこと、あったっけ?


遠のく意識の中で、彼女に言われた事を整理する。

音操(サウンドルーラー)。理由は分からないが、僕を狙う謎の集団。

そして、演奏記号(のうりょく)音操(サウンドルーラー)が持つ、固有の力。

僕は記憶を無くしている。それが音操(サウンドルーラー)にとっては好都合。


僕は何かを持っていた。

恐れられる何かを。


それは、力か?もしかして、演奏記号(のうりょく)なのか…?

少しずつ、点と線が繋がっていく。


音操(サウンドルーラー)に恐れられる程の演奏記号(のうりょく)…。


…思い出した。


fine(フィーネ)

全てを終わらせる力。


どんどん力が湧いてくる。

気付けばまた、僕はあの路地裏にいた。


「ッ!?」


ななみは目を見開いて驚く。

風通しの悪いこの場所で、何故か彼女は髪をなびかせていた。

風は僕の方向からだ。いや、僕から出ている。

そうか!これが演奏記号(のうりょく)か!


「し、死ね!」


彼女は間髪入れずに撃ってくる。

しかし、銃弾はとてもゆっくりに思えた。


「遅い」


僕は全ての銃弾を手に掴むと、彼女に見えるように床にばら撒いた。


さらに記憶が蘇る。

僕には、使命があった。


「お前たち音操(サウンドルーラー)の暴走を止め、人生(メロディ)を美しく終わらせる!」


彼女は続けて引き金を引く。

が、弾切れのようだ。


「これで終わりだ!」


僕から発せられた気が、彼女をボロボロになるまで引き裂いていく。

最期の最期まで、

彼女はとても、静かだった。

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