まりな編
この物語はフィクションです
「あなたが、まりなさん…?」
僕は今、とある病室に来ている。
まりなのお見舞いに来たのだ。
「そうだよ」
彼女がそう答えてから、少しの時間が経った。
先に沈黙を破ったのは彼女の方だった。
「ねえ、ちんぽ見せてよ」
僕は思わず笑ってしまった。
そのままだ。僕の知っているまりなが、ここにいる。
いつも通りの会話。いつもと変わらない日常。
「いいから見せてよ!」
彼女の声で、我に返る。
彼女の透き通った綺麗な瞳が、しっかりと僕の姿を捉えていた。
僕は思わず目を逸らす。それと同時に、
今ここで本当にちんぽを見せたら彼女はどんな顔をするんだろう。
…そんな好奇心が、僕を支配した。
僕は僕じゃなくなった。
僕は無言のまま勢いよくズボンを下ろすと、力強く立ち上がるソレを彼女に見せつけた。
「・・・は?」
彼女は驚きの表情を隠せない。
当たり前だ。
こうなるのはやる前から分かっていたはずなんだ。
なのにどうして、こんなにもワクワクしてしまうんだろう…。
またもや彼女が口を開く。
「ちょ、ちょっと早くしまってよ!」
もちろん、このまましまうつもりなど微塵もない。
さらなるリアクションを求め、彼女に歩み寄る。
「嫌ッ!変態!」
彼女は僕のソレを払い除けようとする。
しかし、その刺激が、限界まで張り詰めていたソレを目覚めさせてしまった。
溢れ出す本能。
彼女の手が、白く染まる。
彼女は声を荒げて何かを言っているようだった。
だが、余裕が無くなった僕の耳にそれが届くことはなかった。
気が付けば、僕は彼女に悪質タックルをしていた。
目の前に彼女が横たわり、鈍い音を響かせる。
…もう、引き返せない。
僕は素早く彼女に馬乗りになると、両腕を抑え込んだ。
そして、もう一方の空いた手で口を塞ぐと、彼女はくぐもった声をあげた。
僕は嫌だ、と言わんばかりの眼差しを向けてくる。
よく見ると、その目には涙が浮かんでいた。
ちんぽを見せろと言ったのはお前の方だ。
…そんな言い訳を頭の中で繰り返しているうちに、すっかり抵抗は止んでいた。
彼女は全てを諦めたように、虚ろな目をしている。
「さぁ、最高の愛を奏でよう・・・」
僕の人生の不協和音は、まだ序章に過ぎない。