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とりたちの詩

作者: 倉本保志
掲載日:2018/05/03

鳥類の身体能力のすごさは恐らくどんな生物よりも優れていると思います。

もし仮に鳥が進化した人間が存在するとしたら、原始哺乳類が進化した人間には オリンピックなど身体能力を競う競技では勝てないでしょう。あ、それと 昆虫が進化した人間にも・・・・やはり、



とりたちの詩 

その1

嵐の過ぎ去った曇りの朝に

山鳩が一羽 電線に

大きく体を膨らませて留まっている

寒さを凌いでいるのだろうか

突然の侵入者の

真意を探りたいのか

ひょいと雀が2羽ほど寄ってきて

なにやら ぴちちと囀っている

彼らの3倍以上はあるその体躯を

ぶるると大きく震わせたかとおもうと

山鳩はツーと 音もなく

山の方へと飛んで行った


その2

無駄なものをすべてそぎ落とし

研ぎ澄まされた美しさのフォルムよ

俊敏でかつ大胆

ときに警戒心を最大限にして

大きなさえずりを人里に響かせる鳥たちよ

私はついぞ葉の上に這い出てて来た

一匹の芋虫になって

あなたの一撃のもとに絶命したい

そんな ささやかな夢を

雨の降る窓辺から空想してみる


その3

鈍い鉛色の空から

小鳥のさえずりが響いてくる

もうそろそろ雨も

小ぶりになってきた証拠なのだろうか

ああ そういえば少しだけ

家の中に差し込む光で

テーブルの上が明るくなったようにも

その矢先 道の水たまりをじゃじゃじゅうと

しぶきを飛ばし勢いよく走り去る自動車の

なんとも 無粋で 品のない傲慢さの余韻が 

すぐに心をこの鈍い空色に戻してしまう


その4

小鳥たちはそそくさと

そして丹念に

その容姿を整えている

そのさりげなさがなんとも

いじらしくて しおらしくて

つまびらかで 素朴で

なんともいえず癒される

自分をもっともっと

主張してもいいくらいに

洗練された 完全なるフォルムの美しさ

なのに、なんとも もったいない

こう思うのも

日常にありふれた 誇大な バーチャルな

張りぼての空虚な妄想的自己主張に付き合わされて

なんともやりきれない思いをしているからに

ほかならない


その5

ふんわりと やわらかい

一枚の羽毛が落ちている

そこにあるのは 無色の

おいてけぼりにされた空間

落ちている羽毛の持つ

過去を そのフォルムの内側に

氷縛してしまうのも

それをやわらかい温度で溶解するのも

そこに立ち止まった者の

鋭敏なるインスピレーション

いま

頭の上を

悲しげな雄姿の影が飛び去って行った


その6

没頭する 

小鳥たちは 餌あつめに

瞬時に庭を徘徊し

ほんのわずかな隙間にも

頭を突っ込んで

貪欲に  ただひたすら

まるで敗残兵を探し出す兵隊のように

整然と 隈なく 無駄なく

餌集めに 終始する


その7

ひんやりとした雑木の枝の端に

瑠璃色のはばたきを見る

何とも美しい

ほんのわずかな瞬間に

鳥たちは自分たちの姿の粋を

十分すぎるほど見せつけ

出会いの妙を自らも楽しむかのように

かすかな笑みを浮かべて

山並に姿を消した


この作品はポエムです、前回投稿の倉本保志のシュールポエム・及び2 という作品を、エッセイとジャンル分けの時に誤ってチェックしてしまい、ご迷惑をおかけしたようです。改めてお詫びいたします。 倉本保志 

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