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大賢者が往く。  作者: ましまろ
大賢者 謎を解く
11/23

賢者の導き

 さて・・。

 泣き顔はあまり見られたくないが・・。

 今、僕は神殿の厨房にお邪魔している。

 作りたい物の材料は既に調達済みで、ポーチの中に保管されていた。なので、それらを並べて早速調理開始。


 あのさ~・・そんなに見詰められると恥ずかしいんだけど・・。


「大賢者様がお造りになられるものとは一体どんなものでしょう~?」

「材料的にはそれほど奇抜なものもないようですねぇ・・」


 はいはい。特に凄い料理をするわけじゃありませんよ。

 ただのセンキューセットです!

 あ・・これわかる人、居るわけないか。


 まぁ。作ると言っても別に最初から頑張る気はない。餅は餅屋だし?

 バンズは宮廷料理人に無理を言って何個か試作してもらい、最も近い物を僕がポーチに入れてきただけだし。

 塩粒がごろごろしてるが有塩バターならここの厨房にもある。

 僕がやるのは牛に近い肉を引き肉状に・・。両手で持った包丁でズダダダダーーーと。

 後辛味の全くない、否、かえって甘い玉ねぎもどきを刻んで。コネコネ~。

 後は両手の間を行ったり来たり打ちつけて、余分な空気を抜いて。

 まず出来るだけ平たくしながら、ハンバーグではなくパティに近付けてみた。そして加熱時に厚みが出ないよう中心部をへこませて、焼く。

 火加減が難しいんだよね~・・。

 火紋章魔石に干渉して、焼き具合を見る。片面焼けたらひっくり返して蓋をし、蒸し焼きにする。

 そうしないと中まで火が通らんのだよ。

 さて~。ポテトがジャガイモじゃなく、アンデス芋+さつま芋の中間の様な奴を細めに切って水気を取り、素揚げ。上がったら塩をまぶす。

 パンと言うか一応気分的にはバンズ。にバターを塗って、焼き上がったハンバーグもどき、野菜、チーズもどき、自作の果実酢で作ったピクルスもどきを乗せ・・・完成。

 最後に、ポーチから自作のコーラ・・もどきをトレーと言う名のお盆に並べて。


「おっしゃぁぁ!サンキューセットだぁぁ!」


ふぅ・・。

 

 この僕がお料理だってよ!わっはははは


・・・・・全てが手作りじゃないところが、僕らしいか。


「ほぉ~・・・素晴らしいですね大賢者様」

「美味しそうだ・・・」

「手は出すなよ?!」

「わ、分ってますよ」


 さて。

 出来あがったので、持っていこうか~。

 僕は自分の手にしたトレーの上のハンバーガーセットを見やる。

 うんうん。

 見た目は合格だ!・・・・味の保証は出来ないが。


「喜んでくれるといいが、なぁ~・・」


 そう思うくらいには苦労したんだ。

 特に、そう、天然鉱泉『炭酸水』を探すのには、本当に苦労した。

 元々某三ツ○サイダーの発祥の源泉鉱泉があるのは知ってたので、こっちにもそのくらいがあるだろうと踏んでたからね。

 そこからコーラもどきにするのもかなり苦労したが・・。だってレシピなんてないもん!企業秘密だし?!

 苦労に苦労を重ね、こちらの世界の原料で頑張ってみたものの、どうもコーラと言うよりドクター○っパーみたいな味になっちゃったし・・。

 そこは我慢してもらうしかない!

 僕は好きだけどね!ほぼ毎日飲んでるし!はははは

・・・・・だって。炭酸飲料。これしかないんだもん・・・。



 いそいそと持っていく僕の耳に女性の声が届く。

 こんなところに?


「あ・・来たのか。戦乙女達」


 廊下の向こうの左奥の通路から大勢の足音と共に響いてくる。


「・・何だよ!あの態度!激ムカツクわ!」

「勇者ってそんなに偉いの?」

「おいおい~。そりゃすごいに決まってるでしょ?」

「姉御なんか『これ女じゃない!』って言われてたしぃ」

「いや~ごめん、少し吹いちゃったぁって痛っ!何も殴ることないじゃん!?」

「でもさーー。考えたらそれだけ私ら男並みに強く見られたってことじゃないの?」

「ちっがーう!見た目だけで言われたの!」

「かぁぁ!あのちびデブ不細工にいわれたくねぇ~~わ!」


 やっぱりか。

 予想はしていたけど、彼女達を怒らせるだけ怒らせたみたいだね~あの勇者は。

 うん、こんな怖いおねぇ様達に喧嘩売るとか、マジで『勇者』だ。


 廊下の角。出会い頭に、呼ばれたであろう戦乙女達とすれ違う。


「あ、あれ??」

「あれ???」

「ありゃ?」


 ギルドで僕を見て笑っていた人たち???


「あんた、どうやってここまで来たの?」

「え?はぃ?」

「私ら最速の騎竜乗って3日間ぶっ通しで飛ばして来たんだよ?あんたはどうやってここまで・・」

「おい、ローリエ。いいじゃないか」

「え?でもマイラ・・」

「君は神殿のお手伝いの依頼でも受けたのか?」

「・・あ?いや・・え~と・・」


 この人達、騎竜使って飛ばしたのか。そりゃすごいなぁ~・・。3日だよ、ここまで3日。それもきっと乗り捨て乗り継ぎだ・・。貫徹強行軍?!


「あ。何それ。すっごく美味しそうな匂い!」

「あ。駄目です。これは勇者の・・」

「あんな奴にこんなの食わせることないよ!私が食ってやろう」

「こらアンジェリカ。すまなかったね、仕事中に引きとめて」

「いえ。大丈夫ですよ」


 この人がリーダーなのかな?

 一番鍛えこんだ体格してる。見事な細マッチョなお姉さんだ。燃え立つような赤毛がよく似合っている。しかもその瞳は知性的だ。

 僕は戦乙女達にお辞儀をしてその場を後にした。


「ったくぅ~。私ら寝てない食ってないで来てんのに!」

「ねーねー、ここまで来させられて勇者に断られたからって報酬出ないなんて事、ないよね?」

「ああ。報酬は出るから、安心しろ」

「あ~あ。街で飯食って酒飲んで、ガッツリ寝たいわぁぁ」

「・・私もぉ~・・・」


 遠ざかる声を聞きながら、僕は勇者のもとへと急いだ。





 一応ドアを叩く。

「入るよ~」


 ドアを開けて、予想した通りの荒れようだ。

 部屋の中に台風と竜巻が一度に襲ったような、凄まじい破壊力の後。

 さすが勇者だなぁ~・・・・。

 ただ、彼がうつ伏せになっているベットだけが、ほぼ無傷だった。


「返事がない。ただの屍のようだ」

「・・・・・・・・・・・・・・ブフ」


 いきなり頭を上げると彼は酷い泣き顔のまま、こっちを向いた。


「これサァ~僕の時代ではサンキューセットって言われてたんだけど、食べない?」


 僕はトレーを持ったまま、顎で指す。


「・・・な・・。それ・・・バーガーセット!?」

 

 勇者は跳ねあがって僕に詰め寄る。


「おおおお!バーガーじゃん!」

「見た目だけ、だけどね」


 ひったくるように奪い、勢いよく食べ始めた。


「ちょ・・少し味違うぞ」

「こっちの世界の食材では限界があるんだよ・・」

「・・でも、いい」

「そうか?」

「うん、おいしい・・・」


 泣きながら必死に食べている。

 そうか。気に入ってもらえてよかったよ。

 必死に食らいついてる彼の横、ベットの上に上がって、三角座りをした。


「僕ね~・・昭和生まれの昭和育ちなんだ」

「・・?」

「だから平成時代の?出来事とか流行りとか、知らないんだけど・・。今まで来た勇者たちがね、いろいろ教えてくれたんである程度は知ってるんだ」

「昭和って・・俺知らん。平成生まれだし」

「そっか。僕は昭和41年生まれなんだ」

「げ・・・パパとあんま変わんない?!」


 僕をまじまじ見ながら、コーラもどきを飲んでいる。

 あ。魔法で氷も入れてあるからね、よく冷えてるだろ?

 ああ・・僕って。

 この勇者君のパパ様と同じなのかぁ…。

 やっぱ、そうなるのか・・。

・・・・・・・・・・・・・・・・・パパ・・いうの?マジですかぁ~・・・



「まだ言うとね。あの召喚魔法陣、実は時間軸さえ無視しているんだよ・・」

「・・?」


 何言ってんの?こいつっていう目で見てくる。

 僕は溜め息をついた。


「なのにね。

 召喚されてくる人間が江戸時代でも明治でも昭和でもなく・・ほとんどが平成なんだよね・・」


 そこが非常に気になっていた。何故、ほかの時代から誰も召喚者がこないのか。しかも、圧倒的に日本人が多い・・。

 僕はこちら側に転生した。でも召喚されたわけではない・・。


「ふ~ん・・。みんな嫌になってんじゃねぇの?未来が見えない日本に」

「・・・そうなのか・・・」


 皆から聞けば聞くほど、平成は豊からしい。それなのに、昭和育ちの僕からすると『何故?』とも思わなくもない。


「けも耳とか、もふもふ~萌えとか、言葉も意味もわかるんだけど、やはり僕には理解できなくてね」

「マジかよ?!」

「マジマジ。家でも確か犬は飼ってたよ、柴犬の雑種。犬は可愛いけど服着せたりとかしてなかったし、そういう発想すら持ってなかったし。ああ~でも。なめ猫ならあったな・・。平成では普通に犬とかに服着せるんだよね?」

「ああ~美容院もあったぞ」

「そうなんだ?!凄いなぁ~~・・・どっかの犬将軍みたいな世界だなぁ」


 そうなのだ。

 僕は言葉では知っているが、感覚が勇者たちとはずれている。知ってるというより教わっただけだからか?

 でも、異常な綺麗好きとか、異常な偏愛傾向とか・・。どこか理解し難いものがあって。同じ日本人というキーワードを持ちながら、勇者たちとは微妙な不具合はいつでもあった。

 僕が違うのか?

 勇者たちが違うのか?

 僕はここで生まれたし、ここで育ったせいもあるのかもしれないけど。

 勇者たちは、この世界を見て大概『なんだよここ!?』と口にする。

 でも僕が知ってる昭和の時代は、そんなに違いを感じてはいなかったんだよね・・。道路のゴミが散乱しているのとか・・。まぁ、ここほど酷くはないが

『何これ!超汚ねぇ!!!』

 不衛生だ!あれはこうすべきだ!こう言うのないのか?!

 信じられないほど豊かになっているんだね~?としか言えない・・。

 少なくても僕の知る日本の姿はそこまでいってなかったしなぁ。


「ああ、なんだろ?凄く豊かにはなっているのに、心が寂しくて癒し求めてそうなっていったのかもなぁ・・そんな気がする。僕にはけも耳萌え~とか。あまり感じないもん・・・まぁ可愛いとは思うけどね」

「・・・・そうなんだ?」


 確かにラ○ちゃんは可愛かったが・・。モフモフしたいという感覚はないな・・。うん。

 それに引きこもりとかもなければニートとかもなかった。そこまで生活にゆとりなんてなくて。お金に余裕がないと出来ないよね?・・違う?

 そうそう。我が家で父がビデオデッキを購入して来て大騒ぎになった記憶が・・・。そのくらい時代の差があるってことか。

 確かになぁ。僕は中学の入学祝いで祖父から最新っていうウォー○マンもらって号泣したもんなぁ~・・・。違いすぎるか。

 500円札あったと言ったら「まじか?」とか。

 うん。日本海溝並みに深い溝があるわ!

 最初『スマホ、スマホ』と言われて意味変わんなかったし。

 豊かな半面、人間関係が気薄になって行ったんだろうかね~・・?

 その辺はうまく想像できない。


「僕の主観だよ。間違ってるかもしれないけどさ・・」


 あくまでも想像でしかない。それも仕方がないよね?


「そのせいで、自分の世界じゃない場所に来たがるのかもなぁ・・。現実逃避で」

「・・・・」

「今まで来た皆、どこか心が病んでた。っていうか、寂しそうだったからね。エスケープとか遅刻や早退はあっても、僕のいた時代に不登校も引きこもりという単語もなかったから・・」

「・・・俺にそれ聞く?」


 そうだね・・。ごめんよ。


「僕ね。前の勇者達からね。『引きこもりのニートしたらいい』って言われてさ~・・今実践中!

 でも全くニートとかできないよね?自分一人じゃ・・。結局金稼ぎに働いてたり?まぁたまに、で済むけど」

「なんで、さ・・?」


 お互い言葉少なくなるのは、やはり前にいた世界のことを思い出しているのだろう。


「僕は僕の加護のせいで、いろいろあったからさ・・・」

「へぇ・・。お前も大変なんだな」

「まぁね」


 僕は同情されてしまって、苦笑いを浮かべる。


・・・大変か・・・。

 僕が持つ、在ってはならない二つ目の謎の加護は不死不老。それゆえに各国の王侯貴族から狙われるようになった。

 結婚を強要されるだけにとどまらず、何十人もの女性をあてがい、生まれてくる子供にその加護が出ないものかと、しつこいくらいに。

 時には血を抜かれて、それを飲んだバカもいたな・・。

 そう・・モルモットにされそうになったんだよ。

 終いには、僕を奪い合い、国同士が戦争を起こし始め・・。

 うんざりした。

 だから逃げた。

 誰もこれない場所に逃げて、引きこもった・・。


 不死不老がいいって?

 そんな幻想持たない方がいい。

 少なくとも、恋人や友が老い、死んでいくのをずっと見続けることがいいことなわけがない。

 そして必ず恨まれるんだ・・・。

『何故お前はいつまでもその姿でいられるのか?』

・・・・・・・・・・・だから呪いなんだよ・・・これは。



 二人並んで壁に背中を預けたまま、膝を抱えている。

 彼にとって、きっとこのくらいの距離が安心なんだろう。


「そのさぁ~・・前に来た勇者って全員魔王を戦ったのか?」


 勇者はもう、戻らせろ!とは言わなくなったか・・。


「4人来て、3人は魔王と相討ちで亡くなったよ。一人は魔王の手前で、亡くなった・・」

「俺、魔王と戦いたくないよ!勇者なんて嫌だぁ!!!」


 横で叫ぶな。鼓膜が破れるじゃないか。


「なら、そんなのやめればいいだろ」

「はぁ???!」

「魔王退治なんてしなくていいってことだよ」

「・・俺、勇者なのに?!」

「勇者の意味知らないの?勇者ってのはね、『為し得ないことをした人、またはする人』に敬意を示す単語。であって魔王倒す役目を持った人、の意味じゃないよ?まぁ・・近い物はあるだろうけど」

「えええ????そうなの?」

「ゲーム脳すぎ」


 僕は笑って答えた。何で皆、勇者=魔王退治に直結させるんだよ。広○苑で調べてみなよ、意味が少し違うじゃないか。


「なかなか倒せそうにもないダンジョンボス倒したって『勇者』だし?高根の花の女性に告白特攻するのも『勇者』じゃない?」

「・・・・そんなんでいいのかよ!?」

「だからさ~。皆に魔王倒してこい、お前勇者だろ?って言われる筋合いないっていうか。自由意思だから、こっちの世界。自分がしたくないことを押しつけられたら『NO!』と言ってもいいんだよ」


 あ。でもそういうわけにはいかないか。

 僕はそれでもいいけど、少なくとも世間様がそれを許さないか・・。


「じゃぁ・・俺、魔王倒さない!」

「まぁ、加護が勇者だから、行って来いぐらいは言われるか・・。ん~だったら、一緒に行こうか?」

「なんだよ!さっきは行かなくてもいいって・・」


 あははは。ご説ごもっともで。


「まぁ、本当は行かなくてもいいけどね。召喚された勇者が行かないと世間的に格好付かないでしょ?その後から自分の好きな生活したくたって付いて回るじゃん?『逃げ出した勇者』って」

「・・・・・・・・」

「でも、倒さなくてもいいから、君は」

「い、いいのかよ!」

「うん。僕が全部やるから。君はついてくるだけでいいよ」

「何だよ、それ?!」

「僕ね。昔勇者たちに『お前が勇者で十分じゃね?』とよく言われてたからさ。全然問題ないよ」

 

 彼は物凄く微妙は顔つきで、僕を見ている。


「そんなんでいいのかよ!」

「そんなんでいいんだよ。行ったという事実さえあれば、歴史なんてどうにでもなるものだしね」

「お前って・・・・・・・・・・悪代官みたいなやつ???」

「僕?違うよ?大賢者だよ」

「腹黒ーーー!絶対お前真っ黒!」

「いやぁぁ~そんなことないよぉ?もっと腹黒いのいるもん!」

「どこに!?」

「女神!」

「・・・・・・」


 二人でその後、噴出して大いに笑った。


「でさ・・俺、この先どうしたらいいと思う?・・その、魔王討伐の後・・」


 勇者は神妙な顔つきになって、ぼそりと言う。


「帰ってきたら、多分歓迎ムード一色になって各王様から「是非我が国へ」へと勧誘攻めにあうね」

「そっかぁ~」


 まぁ。随分引きこもっていたらしいし社会経験のない君では絶対にいいようにあしらわれるだろう。


「君はさ。まず王侯貴族の真っ黒な腹芸見抜くの無理じゃん?絶対に間違っても、そっち方向勧めないよ。人には向き不向きがある!」

「冒険者ギルドはあるんだよね?」

「あるよ~初代勇者と共に僕達が造ったからね」

「へぇ~・・」


 何か少し嬉しそうだな。

 リアルなこの世界でも、君からすればまだまだファンタジーの要素、残ってるしね~。


「勇者補正でチートなんだから、冒険者やってもきっと引く手あまただよ」

「おお~・・・」

「自分でクラン立ちあげてもいいし、パーティ作ってもいいし!」

「可愛い女の子いっぱい・・・」

「ストーップ。そこは無理ですから。下手したら『変態!』とマジ殴られますから」


 なんだよぉ~~。

 僕を睨んでも仕方がないだろ?!

 でもね。実は裏技、無きにしも非ず。

 要するにパーティメンバー全員女性にしても、防壁魔石あれば、彼女たちだけでいろいろさせることが出来るわけだ。まぁ、そこに特殊隠匿魔法も必要なんだけどね。

 ところがこの隠匿魔法は刻印魔石が禁じられてる。だってこんなのあったらスパイし放題。暗殺し放題ってなるじゃないか。自分で魔法を覚えて使う分なら「登録」してあれば使ってもいいしな。

 問題は上級魔法なんだよね~・・・めったにいないわ。

 後はその女性たちが「見られても平気!」というならばOKなんだけど。

 取りあえず、普通に野郎どもに揉まれて自分で気がつくまで放置、しておこう。

 発想の転換がないとなかなか思いつかないだろうけど。

 それを発見出来たら、大いに励め!ハハハハ



「いいじゃん。拠点する街決めて、そこで彼女でも作ったら・・。帰ってくるたびに「待ってたわぁぁ~愛してるぅ~~♡」って出迎えてくれるじゃん」

「・・そ・・それもいいなぁぁ!!」

「だろ?」

「俺、それにするわ!」

「ま。魔王と倒したって看板背負ってたらモテモテ間違いなしだね!」

「うおぉぉーーーーキタァァ!」

「そこは素直に喜んでよし!」


 おい、勇者、はしゃぎすぎだって~。

 ベット揺れるわ。勘弁してよぉ

 僕はポーチから魔石を出して、見せてやる。


「それから、これ。魔獣倒したら心臓の下あたりにこいつがあるから。魔石っていうんだが。これは大きさと色の濃さで金額は違うけど、一攫千金狙えるぞ」

「マジかよぉぉぉ!」

「ダンジョン攻略!フィールド魔獣!ガンガン狩ってよぉーーし!」

「おおおお!」


 さて~気分が盛り上がったところで。

 あまりにひどい有様の部屋に「ここじゃ、寝れないぞ?」と呟く勇者の肩を叩いた。


「別の部屋、用意してもらおう」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・」


 何かボソボソ言ってる。

 どうしたのかと振り返る僕は、妙に上目使いの勇者に出会った。

・・・・キモイし・・・


「あんたと同じ部屋がいい!」


「・・・・・・・・・・・・・・・・はぃ?」



 そうでした。

 こいつ見た目以上に中身がお子様でした。


「じゃぁ、一緒に行こうか?」

「・・うん」



 二人並んでカオスな部屋を出た。

 のんびりと神殿の廊下を進んでいく。

 それにしても・・。


 僕もこの世界の住人にしては身長低いよ。僻地的な田舎の5男坊だったし、ろくに食わせてももらえなかったし・・。

 でもこいつは・・。

 勇者!君は飽食の時代から来ながら、僕と身長ほぼ変わらんって何?

 ああ~そうだね・・。

 伸び盛り育ち盛りに部屋に引きこもって延々ゲームしてたんだっけ。

 しかも朝方までやってたと言ってたし・・。座ったままで運動はしない。日光は浴びてない。夜間の成長ホルモン無視して、ジャンクフード食べ放題してたら。

 まぁ・・・育たんわな・・・。


 まずそのプよプよの脂肪取らないと、だね。


 そだなぁ~・・。

 剣の指導は、騎士のおっさんに任せよう!



「あ。それと、僕からお勧めのクランあるんだよ~~」

「へぇ・・。どういうところ?」

「オードガイランズ。特にリーダーんとこ」

「り・・リーダー?・・・・分った」


 きっと君にはうってつけだ!




あれ???・・・何かポーチに一杯ご飯がまだ入ってるような?

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・気のせいだ。








ユーリの背景を昭和中期?辺りにしてみたので、すっごい調べまくりました!

今とは、違い過ぎてびっくりっすよ!マジで!@@;;;


 ビデオデッキ今で言ったら20万?!ほぇ~~~?!

 パソコン60万?!ひぃーーーー・・・・私買えないじゃん@@;;


いやぁ~ニュース欄見てても違うわ!生活状態調べても違うわ!

 てか。昭和時代って、言うほどきれいじゃなかった日本!?@@::

 公害だらけだしぃ?ゴミだってあっちこっち落ちてるしぃ?!

 携帯って・・肩かけ無線機?!いや、それないわ・・・ありえんわ

 子機よりでかくて重いレンガ型携帯電話とか・・吹くし・・。

あ!なめんなよ猫プロマイド?!あれ可愛かったっす!!!ほしいですぅ


 昔と比べると、今って凄い豊かなんだなぁ~って実感できました!><。

 

あ。でも、書いてて途中ゴッチャになってるところがあるかもです@@;

複線苦手だよぉ・・。

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