プロローグ
小説の投稿は初体験、小説に限らず誤字脱字には定評のある私ですのでお目汚し、お心汚しかと思いますが、どうぞよしなに。
内容については当然自信とかはありませんが、一行でも読んでいただきご注意くだされば幸いです。
──────はぁ・・・はぁ・・・・・・
呼吸が上手くできない。
心臓は破裂しそうなくらい激しく脈打ち、肺は明らかに供給不足な酸素を求め訴えている。
足はパンパンで痙攣一歩手前、私はフラフラになりながら夜の街を走っていた。
「も〜う、無・・・わっ、きゃあ!?」
結局千鳥足の酔っ払いよろしく足をもつれさせ派手に転倒してしまった。
どこをどう転んだらこうなるのか、膝を擦りむき、額を地面にこすり、腰も強かに打ちつけた。まさに踏んだり蹴ったり。
「痛たた、どうして私がこんなめに」 時節は真冬の夜。
服装は仕事帰りのスーツで靴はパンプス。
極端ではなくてもインドア派に属する私は基本運動というものに消極的で、長距離走など学生時代では万年ビリ。
そんな私が夜の街を走ってるのには当然ながら相応の理由がある、そう在るには在る。
「どうして、どうして・・・・・・」
転倒の痛みと長距離走に駆り立てる原因でじわりと涙が滲んできた。 恐怖。明確に表現できてしまう其れは唐突に私を脅かした。
些細なミスをしてしまった私は残業して始末書を作成中だった。そんなおり、なんの前ぶれもなく身体中が震えだした。それは前述のとおり震えの源泉が恐怖であるのは明確に、即座に理解できた。
一方で震えの源泉は恐怖と理解できても源泉たる恐怖の原因にはまるで心当たりがな
い。けど、背後に誰かが立っていて私を視ているような圧迫感と、背筋が凍るほどの悪寒が纏わりついて離れない。
同じく残業でオフィスにいた同僚や上司が心配して帰宅命令を出したくらいだから余程酷い顔をしていたんだと思う。それはそうだろう。
「全然収まらない・・・・・・」
上司が呼んでくれたタクシーのミラーに写った顔は酷く青ざめていて、唇もまた全身と等しくブルブルと震え、歯の根は合わずガチガチと音を立てていた。
冷えた夜気のせいもあるかもしれないけど、震えと悪寒は未だ止まず寧ろより悪化してるように感じられる。
「課長もせっかくタクシー呼んでくれるならお金も・・・くれれば・・・・・・」
タクシーを手配する好意は示してくれたもののお代まではくれなかった課長への恨み言も、慣れないランニングと震える唇と歯で力がない。
この悪条件下でのランニングを強いられた原因は給料日前の財布にタクシー代を払う余力がなかったことだけれども、誰かに責任押しつけないとやってられない。
何よりも恨みたくて苦しいのは、諸々余計なことでも考えていなければ心が壊れかねないほど、正体不明の恐怖に蝕まれている精神状態だ。
それはもう立ち上がれないほどに、一歩たりとも動けないほどに、心は疲弊し震えが身体の駆動を阻害してる。
「お父さん・・・お母さん・・・・・・」
一番の安息である家族が待つ自宅には歩けど歩けど到着できないのに、心と身体を蝕む恐怖は振り切れず片時も離れず傍に在り続ける。 親愛なる家族の名が口をついて出る。一家の大黒柱のお父さんと優しいお母さん、強くてカッコいいお兄ちゃん、頼れる家族が私を脅かす恐怖から解放してくれる、ただそれだけを信じ縋りながら震える身体で一歩また一歩と歩を進める。
そして、
────しん、
辿り着いた、暖かい家族が迎えてくれる、恐怖の類なんて簡単に払拭できる団欒が待っているはずの自宅に。
けど、目の前にある一戸建ての歴史を感じさせる日本家屋からはおよそ団欒やら暖かさに分類されるような雰囲気はない。
そこにあるのは時が凍結したような冷たい静謐、息をすることさえもはばかられる絶対的静止空間。あえて例えるなら誰もいなくなった真夜中の学校に近い不気味さがある。
パッと視覚に入る範囲には照明の灯りもなく当然音もない。
「誰もいないの・・・・・・?」
夜とはいっても家族全員が寝静まるには早すぎるし、かといって誰も在宅していないほど早くもない。
ここからでもお父さんとお兄ちゃんの部屋とリビング兼ダイニングの窓、そして玄関まで見える。けど、生活の匂いは一切ない。
それどころか急激に密度を増した恐怖に全身の産毛が逆立ち、嫌な汗を大量に掻く。
────ダメ、ススンジャダメ!
心なんていう理性的なものじゃなく、より原始的で深淵、本能が警鐘をフル回転で鳴らしまくる。私という個人ではなく人類という生物がこの先へ踏み込むのを拒絶していた。
「こんなのすぐ消えるんだから、家族の顔をみたら一瞬で・・・・・・」
心と身体、理性と本能がせめぎ合っている。ほんの数秒か或いは十数分か、時間の感覚もおかしくなりながら少しずつ玄関先に近づいていた。本能的な束縛は強力だけど、眼前に安息の地が形として見えているのが僅かに上で徐々に前進していた。フラフラとした歩みでようやく玄関に到達した私は緩慢な動作でドアノブに手をかけた。
「あ、開いてる・・・・・・」
古めかしい木製扉がたいして力も入れないのに簡単に開いた、それはもう半自動的であたかもなにかに誘われているような錯覚さえ覚える。
「ば、馬鹿じゃない? いくら私が馬鹿だからって家に入りたくないなんて・・・・・・」
なけなしの元気を振り絞ってみても言葉は尻すぼみになり、停止した足は靴を脱ごうともしない。空元気で発した言葉は屋内が沈黙に支配されているため余計に大きく響いた。
しかし、灯りが全くないと思っていた屋内に玄関まで届く淡い光が視界の隅に飛び込んできた。
「な~んだ、皆いるじゃん・・・・・・・・・」
やっぱり家族は家でちゃんと私を待っていてくれる、そんな喜びが引きつった表情を和らげる。けれど、新たに形作られた笑顔もどこか強張っていて歪だった。
そう、後になんて考えてみると、きっとこのとき私はもう理解してしまっていたんだろうと思う、この先に望むものなど何一つ待ってやしないことに。
けど恐怖に縛られたこのときの私は在りもしない安寧を求めて光に集まる誘蛾みたいに、視界の端の淡い光に誘われるままに、本能の警鐘も無視して、私はどうしようもない残酷な現実に足を踏み入れた。
きー、独特な音を立て外からみたときは灯りなど一切なかったリビング兼ダイニングの扉が開いた。
「え・・・・・・」
なんなんだろう?
理解できない、アレは一体なんで、アレに半ば以上覆われてしまっているあっちの方も分からない。
分からない。分からない。いや、それは勘違いも甚だしい、今脳に辿り着こうとしている視覚情報は分かってはいけない、理解してはいけないことなんだ。
そう、理解したが最期、
「いやあああああぁぁぁぁっ!!!」
脆弱な心なんてなんの抵抗も叶わず容易く崩壊し狂ってしまう。
でも、私は気づいてしまった。目の前のアレらがなんなのかを。
喉が壊れかねない声量の絶叫にまるで反応せず、それは貪り喰らっていた。
漆黒色一色に塗りつぶされた体躯、形状はいわばコケシに近い円柱状で凹も凸ない。しかし、一面にだけ鮫のような牙がギッシリと敷き詰められていた。そして漆黒色の中に唯一白い光を持つ牙が食らいついているのは、まだ覆われていない部分をみるに、それは人体だった。有り体にいって、漆黒色の円柱の食べ残しは膝から下の脚部パーツ2つ分だけ。
この凄惨且つ非現実的な光景の俯瞰を試みるなら、立体的で牙をはやした影というのが適切な表現だろう。餌とされている人物の背後から形を得た影が頭から食らいつき、頭から足に向かって咀嚼していく。
牙が肉を突き破り、骨を噛み砕き、血を啜る。おぞましい音と鼻がおかしくなりそうな血臭の狂宴。
人間を喰らう影の怪物、それだけで私には頭がおかしくなるほどショッキングだけど、本当にショッキングなのは────
コトッ、
肉片一つ残らず影の怪物に食われた人から遺留品のようになにかが落ちた。
橙色に兎の刺繍があしらわれたスリッパだ。
誰の所有物かすぐに分かった。
お父さんにプレゼントされたとお母さんがとても大切にしていたもの、血まみれで汚れた影の怪物の食べ零しは、紛れもなく、間違えようのないくらいに、それは私を産んでくれた最愛のお母さんのものだった。
「──────!」
声にならない絶叫。喉は早々にイカレたようで、叫び声は音にならず喘ぐように吐息がもれただけだった。
テレビや漫画でも視たことがない影の化け物と餌食になったお母さんとおそらくは既に犠牲となっているだろうお父さんとお兄ちゃん、私の中で膨張した恐怖は極限まで達していた。もう、指一本動かせない。腰を抜かしてヘタり込み震えることしかできない。
当然自分がどれだけ危険な状態かも頭にない。
────しん、
おぞましい音は止み再び沈黙を取り戻したリビング兼ダイニング。
人一人を血の一滴、つま先の一片に至るまで完食した影の怪物は血を啜った牙も影に隠した。今やのっぺりした漆黒色の円柱のみがある、能面は表情の欠片もない、在るはずもない、けど、確かに私を見て笑ったのだ。
そして、ここに至りようやく私は気づいた。
私から片時も離れず放さず纏わりついた恐怖の正体に。
影の怪物、それが適切な比喩じゃなく事実として影であるなら、光と物体があればすべからく存在できるもので、ここには両者が揃っている。蛍光灯の灯りと私という物体。わざわざ順序立てなくても分かる話なんだ、
笑ったいた、私の背後で真っ暗い能面が。
恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖。恐怖─────!
恐怖のあまりなにもできない、なにもいえない、なにも考えられない、ただ恐怖という恐怖が頭と体を呪いのごとく雁字搦めに縛り上げ拘束していた。
生命の危機にどうしようもない、最愛の家族と同じよう自分の影に喰われるのだ。
自分の影はヘタりこむ私を見下ろし、能面から牙を出した。恐怖にまみれ混乱の極みに達した私の中に芽生えた感情がある。
諦め。もう、助からない。母もスリッパの片側だけ残して喰われてしまったじゃないか、家族で一番弱い私が生き残れる道理がない、喰われてしまえば恐怖に縛られることもなく、ひょっとしたらあの世で皆に会えるかもしれない。
疲弊した心は死を安息と誤認し始める。
無理のないことだ。人知を超越した怪物に自分以外の家族は喰われ今まさに自身も同じ末路を辿ろうとしている。
例え生き残っても家族を一度に失って独りになり、気が狂うほどの恐怖が極めて身近に存在するという事実と向き合い続けなければいけなくなったのだ。
いっそこの場で人生を終わらせてくれれば、私でなくてもそう思うのではないだろうか。なのに、だというのに、
「いやだ、死にたくないよぉ・・・・・・」
それでも、口をついて出たのは生にしがみつく言葉。
床にヘタりこむ私を喰らおうと影の怪物が牙を剥き出しに襲いかかる。
結局死の際まで「死にたい」と口にしないまま、目を瞑った。
「素晴らしい、流石は火凪の御息女」
牙が皮膚を貫く痛みはいつまでも襲ってこず、代わりに風が駆け抜けた。
私の知らない声が私の名字を呼んだ。
私を喰らわんとした影の顎は私に届かず、いきなり胴と頭がズレた。頭と胴の境など分からない漆黒色の寸胴だが、牙がびっしりと詰まっているすぐ下が刃物で切断されたように分解された。
「甘美なる死の誘惑を断ち切れる意志の強さ、見事!」
未だ動かない体、しかし、視覚は健在で私の前に見ず知らずの男性が立っていた。
長身痩躯をグレーのスーツに包み、彫りの深い顔立ちで妙齢、右手には黒塗りの刀身を持つ片手剣、銀縁眼鏡の位置を整えながら私を賛美した彼こそが影の怪物を斬り伏せ助けたのだとようやく理解できた。
「お、今日の要求所者は随分と俺好みのレディじゃねーの」
理解できた頃には次の展開が始まっていた。いつの間にかもう1人違う人物が立っていた。こちらは格好も言葉遣いも堅い感じだった眼鏡の男性とは逆で、格好も言葉遣いも軽いの一言に尽きる。本人は着崩しているつもりなのだろうが第三者からみればだらしないだけ、髪も中途半端に脱色されて何色と表現してよいか分からない、ピアスジャラジャラ、簡単にいえば典型的なチャラ男だ。
「誠二、火凪殿はリーダーに任せておけばよい、我々は討伐任務だ」
「はぁ?いつもアイツだけズルくねぇ?」
「適材適所というものだ、それよりも来るぞ」
チャラ男は不平不満を顔中に貼り付けながら、細身の男性は眼鏡を中指で押し上げながら影の怪物を見据えた。
突如自宅に侵入した個性的な2人組に目を奪われていたけれど危機が去ったわけではなかった。円柱状でツルツル能面だった影の怪物が劇的な変化をみせた。
《オオオオオォォォン!》
咆哮。二人の登場で若干薄らいでいた恐怖が再燃した。頭の中が掻き回されるような猛烈な不快感と、本能的な嫌悪感が神経の末端まで侵し尽くす。
凹凸のない漆黒の寸胴が突然奇妙に歪むと、急速に変形した。腕や足が生え、牙や爪が揃い、滑らか寸胴に筋や関節すらも得た。
ただの円柱状態に牙しかなかった二匹の怪物は獅子と狼の形を有していた、漆黒色なところを除けば昔動物園でみたそれと寸分違わない。
「へ、たった二匹なんざ俺一人で余裕だぜ」
「油断禁物だ、全力瞬殺でいくぞ」
百獣の王と涎を垂らした餓狼を前に二人の男に怖れはないようだ。とくに誠二と呼ばれたチャラ男はまるで余裕綽々、緊張感の欠片もないようだ。
「かー、相変わらず真面目なこって、そー気張んなくてもよくねぇ?ザコなんだしよ、三成」
一方チャラ男に三成と呼ばれたもう一人も油断や余裕を見せはしないものの怯えや萎縮した様子はない。
私は恐怖の鎖に縛られ声の一つも出せないのに自分より年下かせいぜい同年代程度の二人は場慣れした感すらある。歳が重要かは兎も角、立体的な影が獣たちの姿に変形したのを目撃、あまつさえ対峙しているのに動揺など見せず会話している彼らも、普通ではない。
《ガオオオオォォォッ!》
同族を一閃し普通に会話を続ける二人に影の獣はついに雄叫びを上げ飛びかかってきた。
「だ、だめ・・・・・・」
縛られて出なかった声が何故か二人が危ないと思ったら出た。けど、そんな小さな小さな吹けば飛ぶような声音じゃ二人にも影の獣にも届きさえしない。
「大丈夫」
不思議な声だった。静かで優しい、でも力強い。恐怖の呪縛からも簡単に解き放たれた、今まで私がどんなに頑張っても断ち切れなかった鎖を一言で両断してみせた。
そして、彼の『大丈夫』は現実になる。
「メンドクセ~けど、ザコでも運動不足くらいは解消できんじゃねぇ!」
「・・・・・・」
無駄口の多い誠二と掛け声さえ発さず息さえ洩らさない三成、いちいち対称的な二人は襲い来る二頭の獣に対し同時に動いた。
誠二は狼、三成は獅子を請け負う。
全力瞬殺、三成が口にした言葉通り、決着はものの数秒で訪れた。
飛び込んで来た獅子の猛爪を避け、返す刀で黒き刀身の片手剣を一閃、正確無比寸分違わず首のみを叩き落とした。三成の性格がよくでている。
対し、顎で直接首筋を噛み切らんとする狼には適当雑な誠二があたる。そばにあった火凪家の置物をひっ掴み無造作に振り抜く。
ぐしゃり。誰もが耳を塞ぎたくなる嫌な音を立てて大黒様の木像が狼の顔面にメリ込んだ。
歯や骨が砕かれ、ヘコみ血を撒き散らす。
余所様宅にあるものを凶器にするなんて、とツッコミ入れる間もなく狼の後頭部へ一撃、これまた技術とか精密と欠片も感じられない無造作にして力任せな打撃。しかし、威力は絶大。頭部を完膚無きまでに打ち砕かれた狼は完全に沈黙、首を刎られた獅子も然り。
影の怪物は二人の男によって、コンマ数秒の内に文字通り瞬殺された。
「ほら、もう大丈夫」
確認するように優しい声が囁く。ここに至ってようやく声の主の顔を見て、彼の胸に抱かれていることに気づいた。
ハッとするような整った顔立ち。
縁の薄い眼鏡、眼鏡の奥に透けて見える瞳は綺麗な蒼。
幼さの残る顔、けど瞳が放つ光は私なんかよりずっと大人びている。
脱色したのか染めたのか、首筋辺りで切り揃えられた髪は一切混じりのない純白。
白いYシャツとグレーのズボン、襟元には進学校の校章が刺繍され、臙脂のタイをとめている、剣の絵柄が彫られた金のネクタイピンが印象的だ。
「あなた、たちは・・・・・・あ、あれ?」
急に眠気が襲ってきた。抗い難いほど強い睡魔は、恐怖や緊張から完全に解放されたことを意味し、極度の緊張状態は心身共にかなりの負荷をかけていたため、身体と心が休息を欲しているのだろう。
「今はゆっくりとおやすみください」
名も知らない男性の、優しい声と暖かな体温が眠気を強くしているようで、閉じる目蓋に逆らえない。
誠二と三成、恐怖の呪縛を断ち切った白髪の彼、命の恩人になにもいえず、なにも知らず睡魔に促されるまま眠りに落ちていいのだろうか?
「いずれ否が応でも酷が過ぎる現実と直面しなくてはなりません、だから今はただ安らかな眠りを・・・・・・」
あれほどまでに重くシビアでリアルだった恐怖体験が、今や現実感がなく、夢や幻だったように朧気。
「直に安息の眠りなどなくなりますから・・・・・・」
今私にとって確かなものは私を優しく抱く見知らぬ彼の暖かな体温と、もう安息など望めないと呟く憂いを帯びた瞳。
そして、どんなに恐怖が薄らごうと変わることのない、家族は皆二度と会えない場所へと旅立ってしまったという現実だけが残された。
影鬼。人間の影から現れる人喰いの怪物、
影を生む人間を最初の獲物とし残らず食らいつくす。影鬼は常に私たち人間の傍にある。
私たち人間の生活は常にこんな危険にさらされている、未来は一秒先もあやふやで、現在立っているところさえ地雷原のよう。
そう、これはそんな残酷な現実を知っている彼らが薄氷の上を行くように日々を生き抜いてゆく物語────