rain1-3 サプライズ
今日の天候は晴れ。
海の青がそのまま映し出された青空はとてもまぶしくて穏やかだ。
気持ちいい風がどこからともなく吹く、春を感じさせる天候。
今日はキャンプ当日。
涼子に仁美に健二と信哉に僕と恵美の6人で都会からすこし離れたキャンプ場に来ていた。
僕らは、2台の車で3人ずつ分かれて乗っていた。
僕の乗っている車には、涼子と健二と僕が乗っていた。恵美とは別の車だ。
「なぁ、健二ちょっと聞きたいんだけど」
僕は、突然切り出した。
「なんだよ?聡」
窓から外を眺めていた健二がこっちに振り向き答える。窓の外には田んぼが並んでいて、一目で田舎だと分かる。
僕はこっちを向いた健二に向かって問いかけた
「今回のキャンプの話、誰が計画したんだ?」
「計画したのは恵美よ」
運転していて、黙っていた涼子が答えた。
涼子はグループのリーダー的存在で、カラオケなどの遊びや飲みにいく話のほとんどは彼女が言い出す。僕らの行動の鍵を握っている存在だ。僕はこんどはその涼子に問いかける。
「え?恵美が?」
「そうだよ、聡には黙っててって言ってたな」
今度は健二が返してきた。
「そうなんだよ、恵美のやつ僕を驚かせようとしてたらしいんだよな」
「サプライズ〜!」
涼子が言った。
「でも、恵美がわざわざサプライズにする必要なんてあるのかな?」
「サプライズ〜!!」
涼子が同じことを言っている。
「俺に聞かれても分かんないよ。恵美に聞けよ」
「サプライズ!!」
「なんだよ涼子、同じ事ばかり。恵美が僕にサプライズにしていたことは分かってるよ」
「ううん全然、分かってないよ」
涼子の言葉の意味が分からず僕は言葉を失った。
分かっていない?恵美がキャンプのことを黙っていた。僕を驚かせるために。けど・・・別の意味があるのか?
そんなことを思っていると、僕達はついにキャンプ場に到着した。




