rain3-2:君と共に
「どういう……」
僕は、驚きすぎて声が出ない。
「あの日、お父さんが朝からパチンコしに行っていつまでも帰ってこないからあたしがお父さんを呼びに言ったの。そこで、男の人と些細な事で口論になってその人があたしに掴みかかってきたの。だからあたしはそれを振り払ったの。そしたら、その人はバランスを崩してパチンコ台の角で頭をぶつけたの。そして、そのまま倒れて頭からは大量の血が。すぐにお父さんが救急車を呼んだんだけど、結局助からなくて。後で、事情を聞かれてその時、お父さんがあたしの代わりに犯罪者に……」
「恵美……」
僕は、恵美の言葉になんて声をかけたらいいか分からなかった。恵美が信頼して僕に真実を話してくれたのに。
「あたしは、今から自首しに警察にいくね」
恵美はそういうと雨に濡れながら僕のいるほうとは反対に歩き出した。僕は、恵美の背中を見ることしかできなかった。自分に出来ることをなに一つ見つけることもできずに。
でも、それでも僕の身体は自然に走り出していた。そして、次の瞬間には恵美の身体を抱きしめていた。
「恵美、僕が君を守る」
その後、僕と恵美は警察へと行った。恵美はその場で警察に逮捕された。
次の日、恵美の父親は釈放された。
そして、俺は恵美の父親と対峙した。
「君が聡君か、恵美から話は聞いている。君は恵美を好きでいてくれてるんだろ? なら、なぜ恵美を守ってくれなかった? 俺が恵美の代わりに犯罪者となっていれば、恵美は……」
「そんなのは、本当の意味で守ることにはならない。そう思ったから。きっと、恵美は正当防衛ですぐに釈放されると思う。でも、恵美の中での人を殺したという事実は決して逃れることも代わることも出来ない。だったら、恵美にはそれを乗り越え、強く生きて欲しい。俺はそのための支えになりたい」
「支え?」
「僕達にはまだたくさん出来ることがあるよ。それは、恵美が出てきた時に笑顔で過ごすことが出来るように、努力するんだ。世間の目から守ることそれは僕らにしか出来ない。恵美の笑顔を守るために僕らが出来る唯一のことだ。そして、僕は恵美と一緒に生きていきたい」
数日後、保護観察という形で一応恵美は釈放された。正当防衛だという判断でとりあえず落ち着いたのだ。
きっと、これからもっと大変な時が待っている。でも、僕はずっと君の近くで守り続けていくよ。
それが、君と共に生きていくことを望んだ僕の生き方なんだから。
そして、僕らは二ヵ月後結婚した。
END
すいません。恋愛小説苦手です。なんか無謀な挑戦だったような。どういう風に書いたらいいのか、自分の作品なのに全然雰囲気が掴めませんでした。
読んでいただいてていた方には、非常に申し訳ない気持ちでいっぱいです。出直して、次こそはより良い作品が書けるようにがんばりたいです。ありがとうございました。