rain2-4:信じる
次の日、あたしは学校を休んでしまった。行く気になれなかった。学校にいけば、聡はいつもと変わらない笑顔で迎えてくれるだろう・・・けど、あたしはその笑顔に返すことができない。見てしまったから・・・。
あたしは、何を信じればいいんだろう?大好きな聡、友達の涼子。
聡はあたしを好きだと言ってくれた。あたし達は今付き合ってる。
涼子はあたしが聡に告白するのを手伝ってくれた。あたしが聡を好きなのはもちろん知っている。でも・・・、聡と涼子は2人で楽しそうに歩いていた。
何を信じれば・・・。
突然携帯が鳴った。聡からだった。
突然学校を休んだから心配してくれているんだろうか?
でも、携帯をとる気にはなれなかった。何回ものコールの後、留守電に切り替わった。携帯から聡の声が聞こえる。
『恵美、今日学校休んでどうしたんだ?心配だから折り返し電話くれ』
心配?涼子と楽しそうに歩いていたくせに・・・。
また携帯が鳴った。メールだ。涼子からだった。
そこには、学校休んでどうしたの?と書いてあった。涼子にはとりあえず返信することにした。
返信内容は、行く気になれなかった。
ただそれだけ、顔文字も絵文字もなにも使わず、ただ一文だけ。
涼子からすぐに返信があった。
内容は、何があったか知らないけど明日は絶対来てね!と書いてあった。
行く気にはなれなかったけど、何日も学校を休むわけにも行かない。
あたしは気分が乗らなかったが学校に行くことにした。
家を出ると、聡が笑顔で立っていた。