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rain2-2:栗谷聡

聡に出会ったのは高校1年の時、彼は陸上部で毎日毎日朝練をしていた。

お父さんが朝早く仕事に行くので、することのないあたしは早く学校に行く。

すると彼は必ず朝練をしている。

もちろん彼以外にも朝練をしている人がいるが、あたしの眼には彼しか映らなかった。

彼の額から流れ落ちる汗がきらきらとまるで生き物のように流れ落ちる、あたしは毎日それを見るのが日課になっていた。

でもその頃はまだ聡の名前も知らなかった。


名前を知ったのは高校2年の春。

クラス替えで偶然同じクラスになったのだ。

最初は、恥ずかしくて声もかけれなかったけど、同じクラスの特権っていうのかな?聡から朝、会うとあいさつをしてくれるようになった。

「おはよう」

その何気ない一言があたしにとってはものすごく幸せな一言だった。

毎日朝、聡の練習を見て、教室では毎日あいさつを交わす。


そして、気がつけば本気で聡のことを好きになっていた。


好きということを自覚してからはもっと聡のことを好きになった。

その頃からあたしは、朝のあいさつ以外でも自分から聡に話かけるようになった。最初は勇気がいったけど、それもいらなくなるくらいに慣れて、あたしは聡と友達と呼べるくらいの関係になった。


その頃から、聡といる時間が少し長くなった。

複数だけど聡と一緒に遊びにもいくようになったし、聡のことをもっとよく知ることができるようになった。


そして、その頃にあたしは聡からあることを言われた。

「栗谷くんって呼ばれると堅苦しいから聡でいいよ、その代わり僕も玉木さんのこと恵美って呼んでいいかな?」


私はうなずいた。

ずっと聡って呼びたかった。

ずっと恵美って呼んでほしかった。


あたしは幸せだった。


好きな人のそばにいて、友達で、同じ高校で、同じ大学に合格して。


そして、あたしは聡に告白することを心に決めた。


高校1年の時からの想いを聡に伝えることを・・・。


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