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第6話 不法人


《依頼期限まで残り2日__ 》


《咲夜・郁哉・千世霞の3人は、死刑者である天衣 快斗の職場である真田町二丁目交番に来ていた》


俗に言う爽やかイケメンに分類されるであろう死刑者。そして、物陰にかくれながら、死刑者を観察する3人。


郁哉「いかにもって感じだな…」

咲夜「んね、」

千世霞「あんな、いかにも善人を…、?」


登校中のランドセルを背負った子供たちに《フリフリ》と優しく手を振りながら笑顔を振りまく死刑者。


天衣「行ってらっしゃい。気をつけてね〜。」


千世霞「はぁ…」

郁哉「ため息、」

千世霞「ご、ごめん」


《シュバッ》と手で口を抑える千世霞。そんな千世霞の横を《サラッ》と草を揺らしながら、人が通る。

驚いた千世霞が目線をやると、それは咲夜で、物陰から堂々を出ていった。


千世霞「え、ちょっ、!」

郁哉「黙れ。見学なんだろ、見とけ。」


「おまわりさん、いってきまーす!」

天衣「はーい、行ってらっしゃい!ぉ…」


咲夜に気がついた死刑者。

咲夜は手にスマホを持ちながら死刑者に近付く。


天衣「おはようございます」

咲夜「あ、おはようございます…。あの、」

天衣「はい、?」


少し不信そうな顔をする死刑者。


咲夜「片岡高校に行きたいんですけど…、地図読めなくて…迷っちゃって…」

天衣「そうなんですね!!良ければ案内しますよ?」

咲夜「ほんとですか、!ありがとうございます!!」


《パーッ》と花が咲いたような笑顔で微笑む咲夜。


千世霞「ぇ…」

郁哉「お前その反応は失礼だぞ、」

千世霞「あ、うん…でも…」


千世霞は《チラッ》と咲夜に目線をやる。


千世霞「あんな顔…するんだなって、」

郁哉「暗殺者だぞ。キャラを作るのも仕事の一環だ。」

千世霞「…それもそうだね。」


死刑者に連れられて、死刑者の隣を歩く咲夜。


天衣「片岡高校はここからだと10分ぐらいかな」

咲夜「そうなんですね。すいません、案内していただいて…。」

天衣「いえいえ!それにしても…」


咲夜の服装に目を落とす死刑者。


天衣「片岡高校の制服ではないんだね」


千世霞「ツッ、!」


千世霞「(そうだ。俺たちは今伊澄ヶ嵜の制服を着てる…。バレちゃうんじゃ…?)」


咲夜「あぁ、そうなんです。前通ってた学校で着てた制服なんです。とは言っても、その学校は自由着登校だったので、これもなんちゃって制服ってやつなんですけど…。」


《ピンッ》と来たようで、納得した表情をする死刑者。


天衣「そうなんですね!!俺らの時代はまだなんちゃって制服とかはなかったからなぁ…。」

咲夜「最近一気に増えましたからね。でもある意味コスプレみたいな…」

天衣「あはは!そうかもね。」


豪快に笑う死刑者と、その死刑者の横顔を見て、《ニッコリ》と笑う咲夜。


咲夜「お巡りさん、お若いですよね。高校行ってたのもそこそこ最近なんじゃないですか?」

天衣「うわ、嬉しいなぁ〜…でも、もう10年近く前になっちゃうよ」

咲夜「え、そうなんですか?凄くお若く見えてました…」


自然に驚く咲夜。


千世霞「年齢知ってるのに…」

郁哉「警戒を解いてるんだよ。まぁ、相手は不法人だから…そう簡単には行かねぇけど…」


天衣「そう言って貰えると嬉しいなぁ〜、ありがとう!!そういえば、新学期に合わせて転校してくることはよくあるけど、片岡高校の始業式は先週だったはずだよね…?」


死刑者は隣を歩く咲夜に優しくほほ笑みかける。

その瞳には咲夜が大きく写り、疑いを向けている。


千世霞「ツッ…これ、何か気が付かれたら…」

郁哉「ビビり過ぎだろ。言ったろ。不法人は警戒心強いって。神月にどれぐらいの実力があって、どのくらい場数を踏んでるかは知らねぇけど。確実に、俺らの中で一番の実力者だ。だから、あいつに1番働いてもらわなきゃならない。」

千世霞「…?」


咲夜は死刑者の顔を見て、1度驚く。そして、真顔に戻る。死刑者から目線を逸らした咲夜。


咲夜「家の事情ってやつです…。」


自分の足元を見つめながら歩く咲夜。


咲夜「両親が離婚して、生活環境の変わらない父について行くのか、1番育ててくれた母について行くのか迫られて…」


顔を上げる咲夜。


咲夜「私は母について行くことにしました。少し遅れちゃったのは、手続きとか色々手こずったのもありますけど、私が決めるの遅くなっちゃったんです。」


死刑者を見て、作り笑いをうかべる咲夜。


天衣「そうなんだね。申し訳ない、!」

咲夜「え…」


勢いよく頭を下げる死刑者。


天衣「職業柄というか、色々気になっちゃって…。それぞれの家庭に、それぞれの事情があるのに、俺はそれをズカズカと!」


じっと死刑者を見つめる咲夜。そして、ふわっと微笑んだ。


咲夜「気にしないでください。仕方ないですよ、そういうお仕事ですから!」


少し驚いた顔をする死刑者。


千世霞「これって…」

郁哉「警戒が解けたな。」

千世霞「す、すごい…」

郁哉「いや、解いたからなんだって話だろ。執行できなきゃ意味が無い。」


学校の前まで着いた2人。


天衣「着いたよ」

咲夜「ありがとうございます!送っていただいて…」

天衣「いえいえ。それじゃあ!」


咲夜と向かい合う死刑者。


天衣「新学期、頑張って、!」

咲夜「はい、ありがとうございます。頑張ってきます!」


そそくさと校門をぬけてく咲夜。そんな咲夜の背中を見守る死刑者。


《クルッ》と踵を返した死刑者。

そこまで観察したあと、《スッ》と足を1歩引いた郁哉。


千世霞「入ってっちゃったけど、大丈夫かな、?」

郁哉「気にすんな。俺らは死刑者追うぞ」

千世霞「…」


《ここに信頼は無い》


《ただ目の前の任務遂行のために動く》


千世霞「…うん」


そそくさと死刑者を追って前を歩く郁哉と、そんな郁哉をまた追う千世霞。


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