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第3話 依頼

紫色のインクビュレットが響のすぐ側の窓枠に当たり、まさかの出来事に郁哉は息を呑まざるを得なかった。


郁哉「(どこだ、!)」


郁哉は窓を盾にして隠れる。目まぐるしく、校庭を見渡すものの、検討がつかない。


郁哉「クソッ…、見つけらんねぇ…、」


《カチャッ》


郁哉「っ……!」


後頭部に銃口が当てられた。ひんやりとした感覚が後頭部を襲い、身体中の毛が逆立つような感覚に襲われる郁哉。


郁哉「(足音が、しなかった…、!)」


咲夜「なんでさっき…」

郁哉「…、?」

咲夜「なんでさっき撃った?私が、いるのがわかったわけ?」

郁哉「いや違う。」


即座に返答する郁哉。


郁哉「あれだけ探し回って、校内に居ないなら、校庭にいるだろうって。ある意味賭けに出た。」

咲夜「…そういうこと。」


咲夜は小さくため息をついた。


咲夜「まぁ、いいや。」


咲夜は新たに弾をセットした後、引き金を引いた。



大きな銃声とともに唐突に始まったサバイバルゲーム(レクリエーション)は幕を閉じた。







____それぞれの机に座っている3人。


千世霞「神月さん、次からは頭以外を…」

郁哉「それは俺も思った。頭はいてぇからやめてくれ」

咲夜「実戦通りやりたいからムリ」


郁哉「(即答かよ)」

千世霞「(一理あるけど…)」


大きな音を立てながら扉を開けて入ってくる不流。


不流「おつかれ。インク落ちたか?」

千世霞「まぁ…それなりには…」

郁哉「俺は後頭部なんで」


苦い表情を浮かべる2人と、我関せずな姿勢を突き通す咲夜。そして、不流もあまり気に留めずに話を続けた。


不流「そうか。結果は分かっての通り、咲夜の勝ちだな。だから何かと言われれば何も無いがな。」

咲夜「なんだ、無いのか」


千世霞「(ずっと無気力な感じだったけど、意外にも期待してたのかな…?)」


不流「話は変わるが、早速お前らに依頼だ。」

千世霞「い、依頼…」

不流「あぁ。お前らには警察官を暗殺してもらう。」


ゾワッと身の毛がよだつような感情を覚える千世霞。


千世霞「警察官の暗殺って…」

郁哉「初っ端にしてはハードル高くないっすか?」

不流「あぁ。それはもちろん俺らも重々承知だが、そんな都合よく楽な任務なんて来ないのが現実だからな。」


暗殺対象となるのはサラリーマンから警察官、国の重鎮ともいえる議員や、裏組織の組長まで様々だ。時には、同業者である暗殺者の暗殺さえも請け負う。


咲夜「それで、いつまでですか?」

千世霞「い、いつまでって…?」

郁哉「任務の期限に決まってんだろ。」

不流「今週中に暗殺してもらう。」


話に置いていかれ気味の千世霞を他所に3人はどんどんと話を進めていく。


千世霞「そ、そんな…ハードル高いですよ…」

郁哉「いや、1週間もあれば充分だろ。」


千世霞「(なんでそんなに自信に満ち溢れてるの。やっぱり、僕には分からない世界だ。)」


咲夜「で、その情報は?」

不流「まぁ、待て。まだ話さなきゃいけないことがある。」

3人「「…?」」


机に肘をついて、面倒くさそうな表情の咲夜、真顔で不流を見つめる郁哉、戸惑っている千世霞。


不流「学校経由の任務は全員初めてだろ?だから、暗殺訓練を行う。」

千世霞「暗殺、訓練…」


千世霞「(確かに土壇場で暗殺よりはいいけど…。いや、そもそも暗殺自体良くないし、自分は罪のない人を殺すなんてことはできない!ましてや警察官相手に。平然と話してるこの3人も何考えてるのか分からないし…。)」


咲夜「いります?それ」

不流「必要だ。特に千世霞がな。」


千世霞に目線をやる咲夜と郁哉。そしてその目線を受け、千世霞は身体を縮こまらせる。


千世霞「す、すいません…」

咲夜「ってか、1人で殺すのは?」

郁哉「確かに。それじゃダメなんすか?」


2人は不流に向き直し、疑問を投げつけた。


不流「あぁ"、今回は3人への依頼だからな。」


咲夜「(3人への依頼…?)」


不流「だから、しっかり3人で任務を遂行してもらうぞ。」

咲夜「はぁ〜い…」

郁哉「…」

千世霞「…はい、」


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