第10話 初任務
《死刑者-天衣快斗-暗殺任務から3日後__》
《伊澄ヶ嵜学園 狙撃場__》
《バンバンッ》と発砲音がランダムに響く。
賢志「あぁ、そういえばお前ら。初任務どうだったんだ?」
透人「不法人の暗殺だったらしいね。」
郁哉「あぁ"、」
《パシュンッ》
千世霞「俺は見てただけだからなんとも…」
《カシュッ》と拳銃に玉を込め直す透人。
透人「それも聞いた。」
千世霞「だ、誰から?」
千世霞は透人の横顔を見た。《パシュンッパシュンッ》と涼し気な表情で、拳銃を打つ手をとめない透人。
透人「古都先生」
千世霞「あぁ、B組の…」
脳裏に出てくる古都 尚仁。
古都『やっほ〜!!!!』
A組『『…』』
古都『何何、なんか暗くない!?』
『みんな元気だった?』
『初任務の方はどう!?』
『いい収穫あったかなぁ?』
A組『『…』』
古都『みんなほんとにどうしたの!?』
任務終了後の古都からのダル絡みを思い出して、あからさまにげんなりする咲夜。
咲夜「あの人どうにかなんないわけ…」
賢志「ふはっ、!w」
《バキンッ》
笑って銃口がズレた賢志。的から外れ、的を支える柱に当たって、的は地面に落ちた。
賢志「お前、意外と表情豊かだよなぁw」
咲夜「っ…」
ムッとしている咲夜。そして、そんな咲夜をみて腹を抱えて笑う賢志。
不流「おい、」
不流の一声で《ピシャリ》と一気に空気が締まった。
不流「お前らに依頼だ。」
古都「みんなで楽しく暗殺だよ〜!!」
1年「「…」」
古都「えぇ、なんか最近冷たい!!」
不流「お前、うるせぇっ、」
古都「酷いっ、!」
不流は緩くなった空気を締めるため、「んん"ッ」と咳払いをして、会話を再開させた。
不流「とりあえず、行くぞ。」
1年「「はい」」
不流に促され、教室へ移動してきた咲夜・郁哉・千世霞だが、教室は沈黙に包まれていた。
千世霞「それってつまり…」
机に項垂れながらロリポップを舐めている咲夜。
千世霞「別任務ってことですか?」
千世霞を見つめる不流。《チラッ》咲夜に目を移す。そして続けて、《チラッ》と郁哉に目を移した。
不流「あぁそうだ。」
《ペラッ》と書類を捲る不流。
不流「千世霞はまだ暗殺を一人で簡単に頼める程じゃない。だから、今回は郁哉に着いていけ。でも、見学だけはダメだからな。」
千世霞「、はい…。」
郁哉「邪魔したら、消すからな」
千世霞「うん…」
郁哉は相変わらずの物言いだった。しかし、郁哉の声に、今までのような怒気や嫌悪感は感じられなかった。
そのため、千世霞も身を縮こませることもなく、話はすらすらと進んでいく。
不流「お前ら2人は朝倉 颯来 20歳 大学生の暗殺を頼む。」
「「はい」」
不流「責任者は羽津目 琴乃 20歳 大学生。依頼動機は…」
《ペラペラ》と紙をめくる不流。
不流「高校時代に死刑者と交際をしていたが、別れた後から、ストーカー行為が悪化した。そして、耐えられなくなってしまった。との事だ。」
千世霞「それ、だけで…?」
純粋に疑問を持つ千世霞。
咲夜「それだけでしょ。」
スパッと言い切る咲夜。そして、そんな咲夜に目線が集まる。
千世霞「でも、問題解決すれば…」
咲夜「はぁ…」
咲夜はため息をついた。
咲夜「(相変わらず…)」
咲夜「それが通じない相手なんじゃない?それに、一概にストーカー行為って言っても、後付けられるとか、住所特定されるとか、変な物送り付けられるとか、色々ありすぎる。逃亡者が何をされてたか、そこまで記載がないからわかんないけど…殺して欲しいと思うぐらいに、精神的に追い詰められることをされてたのは確かでしょ。」
千世霞「…」
郁哉「…」
「確かに」と妙に納得した千世霞。
千世霞「(そうか…。自分にはそこまで大きく感じられない動機でも、その人にとっては大きな依頼動機になる。それに、本当に見てない俺たちは、言葉で言われただけでは、全ては理解できない…。)」
《パンッ》と手を叩く不流。
不流「よし次な。咲夜には東 与一 36歳 無職の暗殺を頼む。ただこいつは__ 」




