01S.2つの顔を持つ女 前編
☆神は「リグレット(心残り)の解消」を、宣言した。
「右側神の世界」では「淫魔王グン・ペイン」を、構成する「淫魔王の第8アニマス」で有る「鹿島瑠璃」が「神の代替わり」を、迎えると、この世界の「第3神」で有る「淫魔王」を、取り込みました。すると新しい「第2神」で有る「原初の魔神ルリス」に、成りました。また、そのルリスが、最後の「神の代替わり」を、迎えると、この世界の「第1神」で有る「右側神ルリナス」に、変わりました。今回の物語は、その神が「初めに創ったもの」でした。
「笛田ヨウジ」は、仕事帰りの深夜に成ると、決まって「凄い美女」との遭遇が、待って居ました。その女性は、世に言う「綺麗系のお姉さん」でした。彼女は、いつも「ハイヒール」を、履いて居たので、背は少し高めでした。
「彼女の容姿」は、肌色が白くて、この世界の「美女の基準」を、充分に満たしました。また眉毛は薄くて、綺麗な細い眉でした。そして目が大きくて、美しい切れ長の目でした。また瞳の色が、茶色でした。そして鼻筋が高くて、唇の色が朱色で有り、薄くて細長いものでした。
髪は、栗毛色の細い直毛で有り、髪型は真中から、やや左寄りに、分け目を付けて、左右に伸ばしました。彼女は「細身の美女」でした。しかし胸の膨らみが大きくて、とても魅力的な女性でした。彼女は「深夜の1人歩きが、良く似合う美女」でした。
服装は「スーツ姿」が、多かったのですが「ナイトドレス」のような服を、着るときも、有りました。彼女は、とても「綺麗な女性」でしたので、彼が気にしない訳が、有りませんでした。また、彼女は「仕事帰り」なのか或は、これから「出勤なのか」それが良く、分からない状況でした。
それから「ヨウジ」の、その帰り道には、もう1人の「別の美女」との遭遇も、有りました。その女性も、彼がいつも好意を持ち「見掛けた美女」とは、背格好が良く、似て居ました。また髪形も同じでした。しかし「〝彼女の顔付き″が、違って居たので、別人で有ろう」と、思いました。そして嬉しいことに、その女性も「凄い美女」でした。
その女性の顔立ちは、誰からでも好かれそうな「可愛い顔」でした。そしていつも、微笑んで、居るように見えました。彼女を見ると「深夜の1人歩きで、大丈夫だろうか」と、思わず「心配させる」ような、娘さんでした。しかし彼は、その彼女を何回も、見て居たので「問題は、無いだろう」と、思いました。この町は、とても治安が良い、場所でした。
深夜に「美女が2人」ヨウジは「良いねぇ」を、呟きました。揃いも揃って、こんな夜更けに、何をして居るのだろうか。「夜だから〝水商売″でも、して居るのかなぁ」彼女達が、何処かの店の「ホステス」で、有った成らば「自分もそこに、行ってみたい」と、思いました。しかし「あのような飛び切りの美女達」を、置いて居る店で、有れば「金額は、高いだろう」と、思いました。
今頃に成り「ヨウジ」は、今度「あの美女」を、見掛けたら「追跡しよう」と、思いました。彼は「我慢が出来無く」成りました。彼が「追跡しよう」と思うと、不思議と彼女達との遭遇が、有りませんでした。それでも数日が経つと、あの「可愛い顔の美女」との遭遇が、有りました。今日は、月曜日でした。彼女も彼とは1度も、言葉を交わしたことが、有りませんでした。しかし彼の顔を、覚えて居るようでした。
早速、彼は追跡を、始めました。彼女は「繁華街の方」に、向かいました。そこは、深夜でしたが、人通りが多い場所でした。そして彼女は「こぢんまりとした店」に、入って行きました。見ると「スナック・いざよい(十六夜)」と、書いて有りました。彼女は、やはり「ホステス」でした。しかしそこは、余り高そうな店には、見えませんでした。しかし念の為、今度「お金を持ってから、入店しよう」と、思いました。
「ヨウジ」は後日、本命で有る「あの綺麗系の美女」との遭遇を、待ちました。すると、金曜日の夜に成ると、待望の「彼女との遭遇」が、有りました。彼は、彼女を見掛けると、バレ無いように、追跡を始めました。彼女も「繁華街の方」を目指して、歩きました。彼は、この道筋を、知って居ました。そして彼女も、人通りの多い所まで行くと、あの「こぢんまりとした店」に、入って行きました。見ると「スナック・いざよい(十六夜)」でした。
あの2人は、同じ店で働く「ホステス」でした。彼が店を探って居ると、店から彼女が、出て来ました。彼女は、知って居たのか、彼と目が合うと「私〝ハルミ″と、言うの、今日寄って行かない。」と、言われました。完全に「彼の追跡」が、バレテ居ました。彼は、咄嗟に「今度、お金を持ってから行くよ。君は、何曜日だったら居るのかい。」と、聞くと「私は、月・水・金が、担当なの。その日だったら、この時間から、来て居るから、必ず来てね。」と、言いました。彼女は、そう言うと、恥ずかしかったのか、直ぐに店に、戻りました。
「笛田ヨウジ」の憧れの彼女は「ホステス」でした。これでやっと会話を、することが、出来ました。これは、大きな進展でした。彼は「ガッツポーズ」をして「やったー」と心の中で、叫びました。今度、彼は貯金を下ろして、お金を用意してから、彼女が待つ「スナック」に、行こうと思いました。そこは彼の家から余り、遠く無い場所でした。そこに、行くと成ると、随分「飲み屋」に行くのが、久し振りでした。
「ヨウジ」は、照れ臭かったので「来週の水曜日」に、そこに行こうと、思いました。月曜日では無く、水曜日でした。そして当日が、来ました。彼は、お金を持つと早速、彼女が待つ「スナック・いざよい」に、行きました。彼は「いつも彼女と、遭遇する時間帯迄、待ってから行こう」と、思いました。しかしその日は、残念ながら、彼女を、見掛けませんでした。
そして早速「スナック・いざよい」に、着きました。そして入店しました。すると、中から「いらっしゃいませ。」と言う、とても「綺麗な女性の声」が、聞こえました。店内は、意外な程「広くて清潔感溢れる場所」でした。店内には「ヨウジ」の、お目当ての彼女以外、2人のホステスが、在籍しました。
彼は、店内の席を、案内されました。しかしカウンターを見ると、あの「可愛い顔の方」の美女が、立って居ました。彼は「誘蛾灯」に、引き寄せられるように、そっちの「カウンター」まで、移動しました。すると彼女は「やっと来てくれたのね」と、言う表情で、彼を見ました。
「僕は〝笛田ヨウジ″と、言う者です。〝ハルミ″さんは、月・水・金は、必ず来て居ると、言ったけれども今日は、まだ来て居無いのですか。或いは今日は、休みですか。」と、話し掛けました。すると、その娘は、驚いたように「〝ハルミ″さんですか。実は、ハルミさんと私は、交代・交代なのですよ。今日は、私で御免なさい。私は、ハルコと言います。私も、宜しくお願いします。」と「ハルコ」と名乗った、あの可愛い顔の女性は、自分の名前を、名乗りました。
しかしこの店の「年配のマスター」は「ハルコ」のことを「ハルミ」と、呼びました。そのことを「ヨウジ」は、彼女に聞くと「伯父さんは、区別がつかないのよ。いつも一緒の呼び方なの。」と、答えました。この店のマスターは「ハルコの伯父さんだ。」と、言いました。「彼女の母親は、マスターの妹だ。」とも、教えてくれました。また「ハルコの母親」が、この店を手伝った関係上「彼女も、手伝うように成ったのだ。」と、教えてくれました。
「ハルコ」と、仲良く成った「ヨウジ」は「ハルミ」とは、あの追跡が、バレタ晩に「少し会話したとき」しか、接したことが、無かったのですが「ハルコとハルミ」は「とても感じが、似て居る」と、思いました。そのことも有り「ハルコ」に「貴方とハルミさんは、親戚ですか。」と、聞いてみました。すると彼女が、言いました。
「私とハルミちゃんは、背丈が一緒で、髪型も似て居るので、良く間違われますけど、他人です。」と、言いました。それから、彼女が言いました。「私とハルミちゃんは、顔が全然違うでしょう。だから違うのです。」とも、言いました。「ヨウジ」は「ハルコ」が、そう言ったので、そうゆうことにしました。彼は、無難な会話を、ハルコとしました。そして彼に取っての本題を、彼女に聞いてみました。
今日は、水曜日でしたので「金曜日に成れば、ハルミさんは、ここに来るのですか。」と「ハルコ」に聞くと「彼女の体調が、良ければ彼女が来て、良く無ければ、私に成るの。」と、言いました。「彼女には、持病が有るのか?」と「ヨウジ」は、知りました。そして彼は、来店したので「今度、行く前に電話をして、ハルミさんだったら、来るよ。」と、言いました。すると「ハルコ」が、へそを曲げて「私じゃ嫌なのね。」と、拗ねてしまいました。すると彼は、慌てて訂正すると「君でも、全然構わないよ。」と、宥めました。
「笛田ヨウジ」は、金曜日も来てしまいました。しかしその日も「ハルコ」でした。彼は、ハルコ相手に、雄弁に語りました。そのとき偶に、会社からの帰り道で良く「ハルミとハルコ」を、見掛けたときのことを、話しました。するとハルコも、彼のことは、良く覚えて居たようで「私も貴方が、気に成って居たの。」と、言ってくれました。
それは、中々嬉しい発言でした。そして「ハルコ」が、言うには「ハルミちゃんも、貴方のことを、気にして居た。」と、教えてくれました。「ヨウジ」は、その言葉を、彼女から聞くと、天にも昇るような、とても嬉しい気分に、成りました。彼は「両想いか」と「有頂天」に、成りました。しかし、それは「ホステスの戦略」でした。その晩も彼は、ハルコとの楽しい一晩を、過ごすことが出来ました。
「ヨウジ」は、週明けの月曜日も、来て居ました。今晩は、待ちに待った「ハルミ」が、居ました。彼は、喜んで彼女に、声を掛けました。すると彼女は、ニッコリと、微笑んでくれました。改めて彼女を見ると「物凄い美女」でした。明らかに「別空間の存在」のように、見えました。彼女の立ち位置は、ハルコの居た場所と、寸分違わない場所に、立って居ました。
その晩が、2人に取っては、初対面でしたので、名乗り合いをしました。彼は、自分の名前を「笛田ヨウジです。」と、伝えると、彼女は「黄瀬ハルミよ。」と、教えてくれました。彼女のフルネームは「黄瀬ハルミ」でした。何とも言えない「良い名前だ」と、彼は思いました。
「ハルミとハルコ」は、互いの「コミュニケーション」が、大変上手く、取れて居ました。その為「ヨウジとハルコ」のやり取りを「全て」知って居ました。そして彼は、まだ数回しか「ハルコ」とは、会って居ませんでした。しかし彼女達は、ただ顔が、違うだけで「全てが一致」して居るように、見えました。