レイブン学園の魔女 プロローグ
短編を少し長くしてこちらの奇譚集に入れてみました。
こちらはジャンユ視点です。短いプロローグもいれました。
祖父の結婚は親同士が決めた政略結婚だった。見合いの席で僕の祖父に一目惚れした貴族の娘(祖母)が何度も懇願し、結婚したらしい。大人しい祖父は根負けしたそうだ。
「あんなに元気なチェルシーが死んでしまうとは。私も申し訳なく思っているよ」
祖母は死んでしまった。出産はその当時は命懸けだった。祖母はたいへんな難産で出血が止まらなくなった。僕の父を生んだ二日後に帰らぬ人となった。
祖父の暮らしている養護施設に荷物を届けにきた僕は、祖父に話しかける。
「それで、おばあちゃんが亡くなった後は? 他の人とは結婚しなかったの」
「もちろんだ。チェルシーとさえ結婚するつもりはなかったからね」
「どうして?」
「さあな……自分でもわからないんだよ。とにかくずっと1人でいることが、自分の役割だと思っていた」
「おじいちゃん、あの有名なレイブン学園に通ってたんでしょ? 今はもうなくなってるけど」
祖父は何も言わなかった。
以前、レイブン学園のことを聞いたときもはぐらかされてしまった。認知症が進んできているので、もう覚えてないのかもしれない。
祖父は窓の外、遠い山を黙って眺めていた。
「レイブンの掟があったな……」
「え? ……おき? ジャンユおじいちゃん、何か言った?」
祖父は黙ったまま、優しい顔で微笑んでいた。
これはクロノス学園のお話を少し変えた話です。
「磨いた成果を試すとき クロノス学園で恋に落ちたら〜」もよろしくお願いします!
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