ランドリー他、日常に棲む奇譚集
日常に棲む奇譚集。袋小路のランドリー室が今夜も怖い。今夜はなぜか……。
「ランドリー」
濡れた洋服が大量に入っている重たい籠が二つ。今日もランドリー室が憂鬱だ。
本当のことを言うと憂鬱ではなく怖いのだ。でも怖いと口に出して言ってしまうと、本当に怖くなってしまう。
ある夜、いつも消えて真っ暗なはずのランドリー室に灯りがついている。ついさっき私が消したばかりではなかったか……。
◇ ◇ ◇
「Re・サーチ」
ずぶずぶと、まるで波が引いた砂浜の上を歩いているようだった。灰色のタイルカーペットの上。
真っ暗なオフィス。唯一輝いているのは自分のパソコンだけ。非常口の灯りに誘われる羽蟻ように、非常口に進む。手前のエレベーターが和希のいる階で止まっていた……。
◇ ◇ ◇
「絹子さん」
「絹子さん、こんにちは。ヘルパーの秋山です。今日も外は寒いよ〜」
「こんにちは〜。寒いねぇ。いつもご苦労様」
仏様のように微笑む絹子さん。
「絹子さん、でもこの部屋はあったかいね」
いつもと同じようなやりとり。
「じゃあ、私はお掃除、始めますね」
私は部屋を出ようと襖に手をかけると—
「こんにちは〜 やっぱり外は寒い?」
不思議そうな顔をする絹子さん。挨拶済ませたの、もう忘れたのかな…………。
◇ ◇ ◇
「さゆり」
同情されるのが1番嫌いなの。
そのお姉さんはいつもおどおどしながら入ってくる。
他のおばさんからはなんの感情も感じられない。おばさんたちはスタスタと入ってくる。
つまり仕事だとは割り切って、奥の部屋まで入っていくの。
だけど、そのお姉さんは-
うわわぁぁぁぁ……。
みたいな顔で毎回入ってくる。
怖いなぁと声が漏れ出ていたときもあった。こっちがうわぁぁって言いたくなる。
お姉さんは扉が壊れた子供部屋を横目でちらっと覗いていく。他の人は全然見ないのに……。
「ランドリー」
濡れた洋服が大量に入っている重たい籠が二つ。今日もランドリー室が憂鬱だ。
本当のことを言うと憂鬱ではなく怖いのだ。でも怖いと口に出して言ってしまうと、本当に怖くなってしまう。
ある夜、いつも消えて真っ暗なはずのランドリー室に灯りがついている。ついさっき私が消したばかりではなかったか……。
◇ ◇ ◇
「Re・サーチ」
ずぶずぶと、まるで波が引いた砂浜の上を歩いているようだった。灰色のタイルカーペットの上。
真っ暗なオフィス。唯一輝いているのは自分のパソコンだけ。非常口の灯りに誘われる羽蟻ように、非常口に進む。手前のエレベーターが和希のいる階で止まっていた……。
◇ ◇ ◇
「絹子さん」
「絹子さん、こんにちは。ヘルパーの秋山です。今日も外は寒いよ〜」
「こんにちは〜。寒いねぇ。いつもご苦労様」
仏様のように微笑む絹子さん。
「絹子さん、でもこの部屋はあったかいね」
いつもと同じようなやりとり。
「じゃあ、私はお掃除、始めますね」
私は部屋を出ようと襖に手をかけると—
「こんにちは〜 やっぱり外は寒い?」
不思議そうな顔をする絹子さん。挨拶済ませたの、もう忘れたのかな…………。
◇ ◇ ◇
「さゆり」
同情されるのが1番嫌いなの。
そのお姉さんはいつもおどおどしながら入ってくる。
他のおばさんからはなんの感情も感じられない。おばさんたちはスタスタと入ってくる。
つまり仕事だとは割り切って、奥の部屋まで入っていくの。
だけど、そのお姉さんは-
うわわぁぁぁぁ……。
みたいな顔で毎回入ってくる。
怖いなぁと声が漏れ出ていたときもあった。こっちがうわぁぁって言いたくなる。
お姉さんは扉が壊れた子供部屋を横目でちらっと覗いていく。他の人は全然見ないのに……。