ノリと勢い=成功?
少し遅れました!すみません!
「…とは言ったものの何をするか考えていなかったな。」
ぶっちゃけチュートリアル終わったばかりで何も考えていなかったのだ。
しかし、ここはロールプレイヤー、騎士のする行動とはなんだろうか…
騎士=人助け
…つまり、街を回れば必然的に人助けをする可能性がある。
「始まりの街巡りでもするか」
そうと決めたら行動あるのみと、行動に移した。
まず、広場周辺の屋台を巡る。
さすがはアザセカ…匂いなども再現しているため、1番美味しそうな匂いの所へふらふら~っと進んで行った。
「ここは何を売ってるんだ?」
そう聞くと店主は快活な笑顔で答えてくれた。
「ああ!これはな、ホーンラビットの肉を自家製ダレで焼いたものなんだ。ここら辺はホーンラビットが沢山いるからな。有効活用っちゅうわけだ」
「なるほどな1個何ピアだ?」
ピアというのはこのアザセカ内で使われる金だ。
由来は特に知らないが、まぁ、気にする事はないだろう。
「30ピアだ」
「なら、3個貰おう」
「まいどあり、少し待ってな。出来上がりの方が嬉しいだろう?」
こう、スムーズに会話が進むと住人ということを忘れそうになるな。
本当にどんなAIを使っているんだ?
そんなことを考えていると…
「はい、出来たぞ、出来たてだからやけどしないようにな」
「ふふっ、はい。ありがとうございました。」
なんだろう、両親みたいな言い方に少し笑いながらありがたく受け取った。
ゲームのはずだが、紙袋の中に入った肉は紙袋越しでもほんのり熱を感じる。
タレの甘辛い匂いも紙袋の中から感じ、食欲をそそられた。
「頂こうかな…」
そう呟くと、紙袋の中から串に刺さったホーンラビットの肉を取り出した。
湯気がふわりと肉から出てきた。
ふーふー、と肉を少し冷ましてから口に入れる。
「ん、美味いな。」
食レポが得意なわけではないが、ジュワッとした肉汁などが凄く美味しかった。
あまりの美味しさに瞬く間に完食してしまった。
「こういった屋台巡りも悪くは無いな。」
そう考えながら次は、アクセサリーを売っている屋台のような場所へ足を進めた。
肉を食べている時に見つけ少し気になっていたのだ。
近づいてみると、それは腕輪や指輪、ネックレスはもちろん、アンクレットなど、色んなアクセサリーを揃えた店だった。
細工にこだわっているのか、一つ一つ丁寧な細工を見つめていると…
「あら、お客さんですか?」
店主のような人から話しかけられた。
じっと、アクセサリーを無言で見つめ続ける…
傍から見たら変な人だなと自分で考えつつ、店主の問に答える。
「ん、ああそうだ。少しアクセサリーが気になっていてな」
「なるほど、そうなんですね。ところでお客さんの職業は何ですか?」
急に聞かれたため、少し戸惑いながら答えた。
「【剣士】だが、何故急に?」
「それはですね、ここのアクセサリーは効果付きのものでして、剣士の方だったら攻撃力上昇のアクセサリーが作れるけどいるかしら?」
効果付きのアクセサリーか、魔法の攻撃力上昇とか、魔法を込めたりだとか、色んなことができそうだなと思いつつ、考えた。
「そうだな…、何ピアぐらいになるのか?」
「攻撃力上昇のアクセサリーでしたら2500ピア位は貰いたいですが…そうですね2000ピアにしましょうかね?」
「なるほどな。買わせて頂こう。」
店主がまけてくれたようで、500ピアも引いて貰えたのだ。
買わなければ損というものだろう。
「アクセサリーにするなら何のアクセサリーにします?」
「なら腕輪で」
「かしこまりました。まぁ、すぐ終わるので待っててくださいね」
元々あったらしい台座に宝石を嵌めていた。
赤い光だから、ルビーとかか?
「出来ました。どうぞ、あ!2000ピアですからね~綺麗なお姉さんだからまけたんですから、これからもご贔屓ににね」
「あぁ、ありがとう。」
2000ピアを渡しながら感謝を伝えた。
やっぱり屋台巡りはして良かった。
…結局人助けはしてないがな
《作者からのお願い》
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