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【赤side】

 好きな奴がる事ぐらい知ってる。だって、ずっとアンタの事を見てたんだから。

 の相手が黒子ココだって事、知ってる。

 だって、ずっとアンタの視線しせんっていたから…。

 だから、あきらめきれなかった。

 生徒と教師という境界線きょうかいせんを、アンタがはらってくれたせいで。






「せ……赤那セキナっっ!? 」


 おどろきで、目を見開みひらいてるチャトのひとみに、自分じゃない女の子がうつる。

 其の女の子は、あせっているのがモロ分かりで、今にも泣き出しそうで…。

 あれ? 視界しかいゆがむ。何で?

 チャトが心配そうな顔でオレを見てるし。病気かな? あるかいかの胸は、さっきからズキズキと痛むし。呼吸こきゅうあらいときた。


「……せんせ…っ」

「…なぁ。赤那が俺を嫌いなのを知ってはいたけどさぁ、いやがらせするにも、限度げんどってもんがあるでしょ? 」


 嫌い、だってぇ? 違う! 逆だ! 逆!!


「オレは、先生の事――」

めろッ!! 」


 いていた体を無理矢理()がされ、一気にぬくもりが消える。先生の、温もりが…。

 なぁチャト先生。本当は、オレの気持ち、知っているんだろ? 知らなきゃ、オレの次の言葉、言わせてくれるもんな…。

 周りの奴らが何だ何だと野次馬やじうまよろしくむらがってきやがるし。何か、泣きそう…。あー、もう、泣いてる、かぁ。


「テメェは、やっぱり、ズリぃや」

「……知ってる」

「一発殴らせてくんない? 」

「其れはヤダ」

「おいテメェ…そこは、嘘でも『はい』って答えんのが普通だろぉーがっっ!! 」


 やっぱり、其れ以上の関係は、のぞめないんだな…。

 だったら、茶十河アンタに迷惑掛けた分、返さなきゃ、な…。



「はいッ! 此処ここまでー! 」


『!』


「オレからの、先生への熱烈ねつれつな告白は終了でーす」

「赤……っ」

「ってなわけだからさ、教頭きょうとう! さっきの、オレと先生とのチューは、オレが無理矢理やった事で、先生には関係ない事なんだわ。だからさ、先生はゆるしてくんね? 」


 教頭は呆気あっけにとられていた。他の野次馬達は、なんだ面白くねぇといった感じで、四方八方しほうはっぽうへとらばっていく。

 チャトは……。チャトは、オレを見詰みつめていた。なんだよぉ。れるじゃねぇーか…。


「赤…」

「頑張れよ、先生。オレ、応援すっから」


 これ以上、チャトのそばたくなかった。…いや、居れなかった。











 気付いたら、中庭なかにわに来ていた。太陽がジリジリと、オレの肌を焼くようにす。


「…っあちぃな、くそぉ…」


 空は、こんなにも晴れてるのに、オレのこころなか土砂降どしゃぶりで、雨はしばらみそうにない。

 自分が思った以上に、チャトが好きだったんだと、今更いまさらになって気付く。知りたくなかった。

(ヘヘッ…未練みれんがましいや)

 オレにも、こんな風に女臭おんなくさところがあったんだなぁ…。


『赤那ぁ…!! 』


 そういえば今頃、あの二人(黒子と茶十河)、どうしてるんだろう?

 チャト、ココにもう、こくったかなぁ。


『赤那! 』


 ――ココは、何って返事、したんだろう…。


『…ねぇ! 』


 ココの事だから、多分、ことわるんだろうけど…でも、あの二人見た感じお似合にあいだしなぁ。


『ねぇってば! 』


 やっぱり、応援側にまわろう…。だって、ココもチャトも、オレにとっては、スッゲェ大事な奴らだもんな。



「赤那ッ!! 」


「え? ……あー…ココ……居たの」

「さっきから、ずっと呼んでたじゃん! 」

「……ごめん」

「………………」


 ほおをプクッとふくらませくちびるとがらせるココは、怒ってる事を主張しゅちょうしてるのだろうが、何とも女の子らしくて、可愛らしい…。

(……オレには、全くねェーや…)

 チャトがれるのも、納得なっとく出来る。ってか、オレが男だったら、確実かくじつにココに惚れるだろう。


「ホント、に? 」

「…ん…? 」

「もし赤那が、男…なら、私に惚れてた? 」

「…! え……何? ココ…、オレの考えてる事が分かるなんて、エスパー? 」

「チャトが惚れるのも……あたりから、赤那、心の声駄々漏(だだも)れだったよ。…其れより、さっき言った事、ホント? 」


 すさまじいぐらいこわ表情かおでオレにって来るココは、今まで見たことがない。

 …ってか、え? 何? この展開?


「好き、な、の…」

「……チャト、が…? 」

「今の状況じょうきょう見て、私が、茶十河チャトガワに対する恋愛感情が、あると思える? 」

「…いや……じゃあ…、ダレ? 」


「赤那よッ!! 」



 とおった声が、オレの耳を通過つうかして、脳みそに届くのに、暫く時間が掛かった。


 あー…ココが、オレをねぇ……。

 ………ん? ちょっと待て。ココのくちから爆弾ばくだん発言はつげんが聞こえた気がするんだけど。


「だから、赤那の事を好きっ、なんだってば!! 」

「……あー…ココ…。あのさぁ……」

「冗談じゃなくて本気なんだからッ!! 」

「……」


 うん。一旦いったんあたまなかを、生理せいりしよう。…あ…。“生理”、じゃなくて“整理せいり”だった…。

 ってか、何、ノリツッコミしてんだよオレェェェ!?

 しかも、整理と生理の間違いって……ハァ…。オレ…マジで、女なんだよな?


正真正銘しょうしんしょうめいの女の子だよ、赤那は! …だって…、もし、赤那が女の子じゃなかったら私、多分、赤那の事、好きにならなかったもん!! 」

「……あれ…? ココさん、ココさん。フツー、女の子は男を、好きになると思うんですが」

「好きになる事に、男も女も関係あるの? 」

「…いや、関係はないと思うんだけど…でもさっき、ココのくちからさぁ、オレがもし男だったら、多分好きになる事はなかったって、言ってる様に聞こえたんだけど」

「……き…気のせい…だ、よ……」


 いやいや気のせいじゃないよね? だって、あきらかに動揺どうようしてるし!!

 ――ってか、…え? ココって、ソッチ系だったの?


「……ソッチ系って、…あのさ赤那、私がいたいのは……ッ」

「ごめん…」

「…え……」

「オレ…ココとは、そーゆう関係にはなれない。…ってか、そーゆう事は、同じ道を進む――」


「赤那の馬鹿ッッ!!!! 」


「…!? え? あ…オイッ! ……チッ…何だってんだよ」



 逃げる様に、…いや、実際じっさい逃げていたのかもしれないが、全速力ぜんそくりょくだと思われる走行そこうっていったココに、オレはめようとばしかけた手を、力をき、腕をダラーンとらした。


(ココの気持ちが、わからない…)


 なぁ、ココ。オレ達の付き合いは、所謂(いわゆる)幼なじみっていう間柄あいだがらだよな?

 言いたい事も好き勝手言って、で、どっちかが困ってる時は、もう片方は自分が出来る範囲はんいでフォローする。そんな、関係だったはずだよな?


 なのに…何だよ、これ…。




「オレは一体、お前に何したってんだよッ!? 」


否定ひていされた事だろ」


「! ……チャ、ト…」

「先生、な」

「…ってか、何で、アンタが此処に……其れに…っ」

「俺はアレだよ、アレ、昼休みちゅう。…まぁ、其れより、さァ。どうすんの? 」

「…? 」

「黒子との事。付き合うの? 振るの? 」

「……どーするって…そんなの、決まってる」

「じゃあ、其れを正直、アイツに伝えりゃあいじゃん」

「伝えりゃあ好いって…、簡単に言うなよッ!! 」



 つい、怒鳴どなってしまった。…でも、其れは、茶十河あいつが、そうかす感じでいうから。


 ……あれ?

 何でコイツは、ココの告白の返事を早く伝えろって、言ってんだ?


「先生」

「何? 」

「ココに、フラれたんですかー? 」

「言っとくが、俺はいくさに行くほど馬鹿じゃない」


 つまり、まだ告ってないわけだ。良かったぁ……じゃ、ないない!!

 ってか、まだ告って無かったのかよ!

 まぁ…、確かに教師が生徒に恋したから告白、なんて世間せけんが許してくれるわけないし、告白された生徒だって、将来の事とかあるから、嫌でも断る事なんて出来ない。


「おーい。心の声、駄々漏れだぞ。ってか、そんな理由で、告白してないわけじゃねーよ。…ちょっと、知りたい事があって、な」

「…知りたい事ぉ?」

「お前さ、兄貴アニキと仲、良いー?」

「……はぃ?何で?」

「あー、ちょっとなぁ…で、どーよ?」

「……アイツ…、ココに、なんかしたんですか?」

「…っ!あ…、あぁ…」


 何って奴だ。兄貴がココに惚れてた事は薄々(うすうす)気付いちゃいたが、とうの本人達で解決するだろうと思っていたから、何も知らないフリをしていた。

 ―でも…、其れはあくまでも兄貴がココを告白する過程かていであって、無理矢理性行為を強行きょうこうする事ではない。


「あんにゃろー!」

「おい、待て。大丈夫だ。未遂みすいだから」

「そーゆう問題じゃねぇーよ!ココが……親友のココが、もしかしたら、一生心に傷をかかえるかもしれない事なのに、オレのせいで…っ」

「……アイツは、そんな、やわな奴なんかじゃないよ。お前が、一番知ってる事だろ?」

「チャト…」

「先生な。まぁ、そんなわけだからさ、俺は、アイツに告白はしない」

「………本気で、ココの事、好きなんだな…」

「……………」

「……ココが、うらやましいや…」


 オレは、ココに返事をする為、チャトに軽く頭を挨拶あいさつすると、其の場を後にした。








 ◆◇◆








 赤那は知らなかった。何で、茶十河が黒子に告白しなかったのか、という本当の理由が。


「…今更いまさら、『お前の事、意識しました』なんて、言えないよな……」


 そんな茶十河のつぶやきが、とどいてほしい相手に届く筈もなく、空気中くうきちゅうへとけていった。



 それぞれの想いは、かさなりそうで重ならない。

 そんな、とある三角関係の話――。
















end

後書き

ラスト、結局グダグダ…

しかも最初に考えてたラストと違うし!

――まぁ、ってなわけで、長々と書いていた『黒と茶と赤と』ですが、之にて完結です!

最後まで読んでくださった方、誠に有難うございます!!




初出【2012年6月3日】を読み直して……


実は最初、ココとチャトがくっ付く予定だったけど、赤那に情が湧くぐらい好みなタイプになってしまって、、

気付いたら、赤那は漸くチャトから想われる様になったケド、彼女はそれに気付かず、それ処かココの気持ちには応えられないけど、ココとは友人関係を続けたくて彼女を追い駆ける……一方通行が逆回りした感じになりました。



改めて、最後まで読んでくださり有難う御座います!!!!(//∇//)❤️❤️❤️

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