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異世界転生した俺は今日も美少女たちに囲まれて困ってます

作者: 木こる

タイトルの通りだ。


冴えない高校生だった俺はなんやかんやで異世界に転生し、

“絶対勝利”というチート能力でなんやかんや無双し、

なんやかんやで美少女たちからモテまくっていた。


問題はその中に1人も人間がいないことだ。


仲間になった女の子たちは全員その種族の中では美少女らしいが、

俺にはどうも見分けがつかない。

美醜の基準どころか男女の差もよくわからない。

同じ種族同士で戦闘になると、どれが味方だか本気でわからない。


そこで役立つのが俺のチート能力“絶対勝利”だ。

何があっても、俺が何もしなくても仲間が勝てるインチキ能力だ。




それはさておき、オークやゴブリンといった種族はまだマシだ。

二足歩行で、言語によるコミュニケーションが可能だからだ。

ただしアニメヒロインのような人間基準の美少女ではない。

RPGの敵役として出てくるモンスターそのものだ。


誰が俺の正妻になるかで素手による殴り合いを日々繰り広げているが、

本気で迷惑だし、心の底からおぞましいのでやめてほしい。

その殺し合いを止める度に紳士的な男だと誤解され、

俺に対する好感度がますます上がってしまう悪循環に陥っている。




ワービーストと呼ばれる亜人種はいわゆる獣人だが、

これもやはりモンスターにしか見えない。

ケモナー趣味の人にとっては羨ましい環境なのかもしれないが、

残念ながら俺には難しかった。


この前助けたフェンリルは変身能力を有しており、

仰々しい姿のままでは活動しにくいからと、その姿を変えた。


仔犬の姿に。


いやまあ、これはこれで可愛いとは思うけど、

本当に動物を愛でる感覚しか湧き起こらない。

その姿で誘惑されても俺はなびかない。

俺は正常だ。




スライム娘あたりから言語の壁が弊害になってくる。

彼女の場合は全身を変形させてジェスチャーしたり、

体色を変えて感情を示したりと表情豊かなのだが、

彼女と仲の良いモノリス娘の扱いに困っている。


もう本当に、ただの板にしか見えない。

黒い直方体がふわふわと浮かんでいる。

何かの素材になりそうだとゴミ山から引っ張り出し、

表面の汚れを磨き落としたのが出会いだった。


表情に変化がないので判断しづらいが、

彼女からの好感度が一番高いらしい。

最近は俺も満更ではなくなってきた。




そしてまた、俺は人外美少女から好かれようとしている。


相手は魔王の娘。

極悪非道な親とは違い、良心に目覚めたが故に幽閉されていた存在だ。

仲間たちは殺す満々だったが、俺は彼女を信じることにした。


3メートルを超える巨体に角、牙、羽、尻尾が生えており、

全身はドラゴンのような硬い鱗に覆われている。

なんかもうゲームのラスボスにしか見えない。

次期魔王だったわけだし、それも当然か。


彼女は自身の正義を果たす為、親である魔王と戦う覚悟を決めた。






最終決戦に勝利した俺たちは今後どうするかを話し合った。


旅の道中、俺たちは行く先々で人間たちから迫害されてきた。

理由は単純、人間ではないからだ。

そんな彼女たちを助ける俺も敵扱いされてきた。


人類の平和の為に戦おうだなんて気は最初から無かった。

ただ、安住の地を求める彼女たちの願いを叶えてあげたかっただけだ。

この魔王領には純魔族をはじめ、5000種を超える種族が暮らしているという。


ここなら人間から迫害されずに過ごせるだろう。

俺は魔王の娘にみんなのことを任せて旅立とうとした。

しかし新しい魔王になってほしいと引き止められ、困惑した。

頼りにされて悪い気はしないが、彼女作りの旅に出たい。

それにポッと出の俺が魔族のリーダーに君臨するなんて、

仲間たちは良くても他の者たちが認めないだろう。


そして俺は選挙を提案し、それが悪手だったと後悔した。


“絶対勝利”の能力は選挙にも適用された。

どう考えても不正としか思えない票差に国民は納得し、

晴れて俺は新魔王の座に就いてしまったのである。


さて、どうしたものか。

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