一日一本投稿 ~八日目~
テーマ 才能VS才能
「なんでそんなことするんだ!!君の親なのだろう!」
「たしかに、ぼくのおや。でもぼく、つぎのおさ。だからおやころす。じゃまするな」
「だめだ…だめだよ。僕が言えた義理じゃないけど、君の親が元気な時にやりなよ。じゃなきゃ僕は君の邪魔をし続ける」
「…わかった。おまえつよい。かてない」
「僕は君の親の傷が治るまでここにいる。僕が出て行ったあとは好きにするといい」
「ここが悪魔の都…いいやつがいるといいな、ガル」
「ガルっ」
一人の青年が朽ち果てた都市の前で佇んでいた。その傍には二人ほどのせられそうな大きさの狼がいた。
青年は治安維持軍から派遣されてきたエリートで王国で唯一のモンスタートレーナーだ。
ここには悪魔の王との不戦条約を結ぶという任務を与えられてきた。
「ちょっと緊張するけど、入ろうか。」
青年はさびれた門を通り、冥府への入り口を開く。
「あれっ?現世からのお客さんかな?おもてなししなくっちゃね」
冥府の管理者の言葉を聞いている人間は誰もいない。
「こんにちは!お客さんかな!」
音もなく、青年たちの後ろに現れた仮面の少年に青年は腰に手を掛け、オオカミは牙をうならせた。
「…君は?」
「僕は冥府の監視者を任されている者だよ。それで?君たちはお客さんなのかな?」
「そう、だね。」
「じゃあ案内するよ!…今日こそ」