一日一本投稿 ~五日目~
テーマ 新時代
暦で世界が数えられなくなってからそう時間はたっていない。
未来視ができるようになってから、世界は大きく変わってしまった。来るべき災厄に備えて。
災厄への手立てはいまだ発見されていない。過去へ人間を送る実験も、すべて無駄に終わっている。
我々にできるのは今をただ生きることだけだ。
だが、ある研究をもとに大きく考え方が変わった。
その研究の名は、「少数生存計画」読んで字のごとく、少数の生物を改造し、破滅後の世界でも生存可能にするという計画だ。この計画は人類最後の大決断だといわれ、選定された人間は異常ともいえるほどに厳選された。世界の存続ではなく、生物の生存のみを考えたこの計画は始め、大批判を受けていた。だが手段は選んでいられないということを察した人類は狂ったようにこの計画に傾倒し、細菌での成功結果を残した。
そこから始まったのは適切な人間の製造だ。命の厳選への倫理観などとうになくなっていた人類は、成功した細菌の進化を人間へと強制させ、そこからの発展をよりスムーズに行えるようにサポートした。
シュミレーションによって次の地球となる星を作る準備をし、人という生物、つまり我々をもう一度誕生させようとしていた。
すべての準備が整い、余った人類が行ったのは…争いだった。
人間は愚かだ。せっかくの準備を無駄にし、未来視を虚言といい、地球を救うなどと触りだけいい荘厳を述べ、各星の研究施設を襲ったのだ。
それによっていくつもの星が消え、最後の希望として送り出され異異船を狂わせた。
争いは何年たっても収まらず、ついにやくそくのときがやってきた。
一瞬にして歴史は無に帰った。
どこかも分からぬ世界へ飛ばされた異船が新たな地球を作り出し、世界が作られ、全く予想もしていなかった生物が生まれたのはまた別のお話。