一日一本投稿 ~四日目~
テーマ 天才
「北の国から南の国へ、東の国から西の国へ。孤高の風はいつでもわれらを見守っている。永久に消えざる力の炎風。わが想いにこたえ己が敵を打ち下したまえ。『エル・フィール』」
力ずよく体を焼き尽くすような強い風が少年を襲う。
「無駄だよ」
少年が右手を前にかざすと、少年を焼き尽くさんとする風が一瞬にして消え去る。
「次は僕の番かな?不死の兵よ。現れよ『レスト』」
地面からにょきっと白骨化している手が出てきた。次第に頭蓋骨が現れ、その死体が正体を現す。
「弱きものよ、弱気は罪だ。強気は正義だ。よって汝の力はわが力。『ドレイン』」
死体から魂が現れる。その代償に死体はバラバラの骨と逆戻りし不死の力が少年へと渡る。
そして何を思ったか少年は自分の腹に手を突き刺す。
「地獄の悪魔よ。わが不死の権能を捧げよう。わが敵を殲滅せよ。」
少年に風を送った少女の正面に巨大な魔方陣が展開される。魔方陣からはおどろおどろしい右腕が現れ、人間型の悪魔が現れた。悪魔は目にもとまらぬ速さで少女の体を貫き、切り裂き、悉くを破壊した。
「勝負あり、だね。欲の結晶。くらえ、暴食の死者」
少女を殺し、少年へと矛先を変えた人型の悪魔は少年に触れる前に、忽然と姿を消した。
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