一日一本投稿 ~二日目~
テーマ 状況描写
灰にまみれた夜の薄暗さがまだほんのりと残る街。まだまだ整備するだけの技術がないのか、はたまた何らかの要因があるのか、建物と建物の間隔はバラバラで道も整えられてはいない。そんな街の夜と朝の境に時間に少年が走っていた。
「はあッ、はあッ」
少年はこの町ではよく目立つ茶色の髪を灰色の帽子で隠しながら、何かから逃げるようにして走っていた。
「こっちに行ったぞ!追え!」
少年の後方には色褪せた服を着た男たちが4人程度のグループで二組、追いかけてきている。少年は彼らを巻くようにその小さな体を使い、物陰に隠れながら逃げているようだ。
「あと、少し、」
どうやら少年はどこかを目指しているようだ。追いかけてきている男たちのうちの人グループが見えなくなってきた塩梅で、少年は行動を変えた。
少年は物陰に体を隠すことをやめ男たちに見つかってもよいような走りである一軒家を目指した。少年が目指している一軒家の隣に家はなく、一見するとそこに逃げ込んでしまえば捕まってしまうかのような一軒家であることがわかる。
男たちと少年は直線上でにして200mもないほどの距離に気づいているのかいないのか、少年は一軒家の中に入っていってしまった。
少しして少年に続くように4人の男たちは一軒家の中に入っていく。
男たちの入った一軒家は外見よりも大きく、一回から2階部分がよく見える吹き抜けのような構造になっていた。男たちはあたりを見渡すが少年の姿はおろか、少年の気配すら感じられない。そんな不気味な印象を受けていた。
屋敷の外で男たちを見ている少年たちに気づく様子もなく。