婚約破棄から愛の反対は無関心であることの証明がされました~殿下のことがすきでたまらないのに無表情対応なわたし~
内容を変えました。
「エリサ、君との婚約は破棄させてもらうよ」
卒業パーティーの中この言葉を告げられて、私は真っ青になった。
聡明で、文武両道な殿下がこのようなことをいいだすのは、予想外だったのだ。
「っ殿下。皇帝陛下に許可は……」
「もうとってある。……君には失望したよ。アリアをいじめるなど。貴族令嬢以前の問題だ。」
睨み付けられて、びくっと肩があがった。
ザワザワと傍観者たちが、ささやいている。当然卒業パーティーだから、保護者もきている。
皇帝陛下の許可はとってある……と。
私が、ちゃんとお止めしなければいけなかったのだわ。
……後悔してももう遅いわね。チクリ、と胸が痛んだ。
私の婚約者に付きまとう、伯爵令嬢アリア・ヘア・ クレメタイン様が、私にいじめられていると
いい始めたのが3か月前。
私は、意味がわからなかった。 私はアリア様に、たくさんの注意をしただけ。
それは、アリア様が、貴族令嬢らしくない行動をされるからだ。
最初こそ、優しくやんわりと注意していた。が、マナーや礼儀を無視した行動をされるため
自然と口調が強くなったのだ。
それに、アリア様は伯爵令嬢だ。それなりの、礼儀とマナーは、守ってもらわないといけないのに。
私は、私にしないといけないことをしただけだ。
皇太子殿下の婚約者として、みんなをまとめなければいけない。
そういわば、この学園は、私に『まとめる力』があるか、 見極められる実技試験会場なのだ。
……私も悪かった部分はあると思うわ。
皇太子殿下と必要最低限しか、会わなかったこと。
忙しかったからなんてただの言い訳ね。情けなくなってくる。
そんなのだから、愛想をつかされるのかもね。私は自虐的に笑ってしまった。
また、チクリと、胸が痛んだ。
「証拠はございますか。」
「もちろんある。これだ。……読むといい、これで、自分の罪もわかるだろう。」
そうおっしゃって、私に紙束を投げてよこした。
殿下はきちんとした、準備を行った上で、私との婚約破棄を望むということらしい。
聡明な殿下のままだと、どこか安堵しながらまた、チクリと、胸が痛んだ。
少し緊張しながみると……
そこに書かれていたのは、私が、アリア様をいじめていた、証拠ではなく、
アリア様が犯した様々な罪だった。
困惑する私に、殿下がこちらへきて、私に笑いかけた。
「 さて、芝居の時間は終わりだ。これより、反逆者の断罪を始める。」
といったと同時に殿下が手をたたくと、一部の人たちが、鎖で縛られたいった。
「 まず、アリア嬢。 貴女は、数々の犯罪組織と繋がっていて、父親とともに
国に反逆するつもりだったと。少し、脅したら、みんな吐いてくれたぞ。そ
して、あなた自身も様々な犯罪に加担していたそうじゃないか。」
国への反逆をくわだてたもの名と罪状が 淡々と読み上げられていく。
人数こそすくなかったものの、犯した罪の多さにめまいがした。
………… 私は殿下の婚約者なのに、なにも知らず、なにもできなかった。
その事実に情けなさが込み上げてくる。
「これらの罪により、貴様らは、爵位剥奪、これからの処遇は、裁判にて決まる。」
そういったと同時に衛兵たちが入ってきて、 犯罪者たちを外に出していく。
「殿下、私と、婚約するのではなかったの!?ちゃんと、陛下の許可をもらったっていっていたじゃない。
なんで私を拘束するのよ!!。……わかった、エリサ、あんたなにかしたわよね、
せっかく、魅了の魔法をかかけるの成功したのよ、邪魔しないでよ!!!!!」
鬼気迫る声で私を射殺さんばかりにらむつける。殿下は、私の隣で、絶対零度の空気をだし、底冷えする
声色で、
「やはり、そうだったか。自白ありがとう。君の罪は、重くなったよ。
……君の頭はお花畑なのかな?
魅了の魔法って禁忌魔法の一つだよ。授業でもいっていたし、
元伯爵令嬢なのだから、知っていて当然だよ?
それに、 僕は、君たちを断罪する許可をもらったんだ。 他の人は理解してるよ? ねぇ?」
同意を求められた人は可哀想に、冷気ただよう、笑顔をむけられて、かたかたと震えながら、
首をたてにふっている。
正気なのかわからない状態のアリア様は、そのままつれていかれた。
そのままパーティーは、だんだんと活気を戻しながら続き……
目の前に手が差し出され、顔をあげると、
「ダンスを躍る気分じゃないだろう。……バルコニーにでないか?」
やさしいいつもの顔をした殿下が笑った
「すまなかった。……エリサを傷つけてしまって。」
バルコニーにでたら、そのまま謝罪をされた。
「顔をあげてください、殿下。……その、私は、傷ついてなどいませんs……」
涙が溢れてきた。殿下が慌てた顔で抱き締めて、「すまなかった。」とまた謝る。
首をふったが、殿下が本音を聞かせてほしいとおしゃられて、
言うつもりはなかったのに、……気付いたらしゃべっていた。
「ここ……ろぼそかった。殿下のことがすきでたまらないのに、……どうすればいいか……わからなくて
それで、……忙しいのを理由に必要最低限しかあわなくて、無表情で対応していたから、……
あのとき、……愛想つかされたんだなと……思い、っっっっっっっっっっっっ」
「好きだ、エリサのことが大好きだから。」
耳元で囁かれ、ポンっ、と顔が赤くなった。
「ずっと、無表情で、必要最低限しかあわなかっただろう? エリサは僕に無関心でいると思って。
昔から 『愛の反対は無関心』だというだろう。心配で心配で。
父には悪いけど、エリサの気持ちも確かめたかったんだ」
そういって、また、愛してるといって。私の顔は、真っ赤になった。
そこから先はよく覚えていない。
後日
私は、あのあと意識を失ったらしい。
あのときのことを思い出しては真っ赤になって、1日中悶えていた。
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