第二話やはりこの男は厄介事しか持ってこない
あれから数時間後、いつも通りの営業していた。
「はぁ...仕事が掛かってるとはいえ、なんで引き受けちゃったかなぁ」
昼休憩の時に買った新聞を読みながらボヤく。
新聞の内容だが
『ニベルア平原(共存圏のほとんどを占める草原)横断鉄道延伸決定』や『試作固定翼機墜落数名死傷』
などと、言った内容が大きく書かれいる。
そして、数分間ページを行ったり来たりして新聞を読み終えた。
そして、厨房の中にある作業台に突っ伏す。
すると、ベルの音が店内に響く響く。
「よぉ、連れてきたぞ。」
顔あっちこっちに、傷を作ったクーガーが入ってきた。
「どうしたの!その傷!?」
私は、救急箱を取りに2階の住居に上がろうとする。
「いや、そんな深い傷じゃないから大丈夫だ!」
貴方がそう言うならいいですけど....
「で、あれだ」
そう言い担いでたジャガイモにしては大きい麻袋を降ろし、口を開けた。
すると、中から何かが飛び出しカウンターの上の紙ナプキン等をなぎ倒して行った。
私は、反射的に攻撃姿勢を取り、クーガーはやれやれと頭を抑えていた。
「シャァアアア!!!」
まんま、猫の威嚇する時の鳴き声を上げる、黒い髪、頭頂部に付いたフサフサ黒い耳、黒いスラリとした尻尾の雌の黒猫族がいた。
黒猫side--------------
私には名前がない、いや正確には今はもうない
私の故郷は亜人種狩りに会ったらしい
「そこでお前両親を殺され奴隷市場に売り飛ばされた。」と人間の男が言っていた。
昔、お母さんに教えて貰った事がある、人間は凄く酷い事をする生き物だと教えて貰った。
私達亜人種を狩りの獲物だと考えていると、昔はそんな事ないと思っていたが、今となってはそう思う。
私達を狩り、売って金にする。
そして私は最終処分場でようやく買い手が付いた、その男は私が可哀想だったからと言っていた。
絶対嘘だ。
人間は信じられない。
どうせ、《ピーーー》な事とか《プーーーーーーー》や《自主規制》な事に使われるに決まってる。
絶対に逃げ出してやる。
そして、男の家に付いた日にその男と女の言い争う声が聞こえた。
なんの事かは、分からない。
そして、次の日にはジャガイモ袋に詰められた。
もちろん私は抵抗した、しかし、その抵抗虚しく袋の中に押し込まれ。
独特な匂いがする所に連れて来られてしまった。
これは、逃げるチャンスだ。
「どうしたの!その傷!?」
外から昨日とは違った女の声が聞こえてくる。
傷というのは恐らく、私の引っかき傷だろう。
ドタドタと走る音が聞こえるが、男がそれを止める。
そして、私の入ったジャガイモ袋が優しく下ろされ口が開かれる。
それと同時に、私は袋から飛び出し長いテーブルの上に何かを薙ぎ倒しながら着地した。
そして確認する。
目の前には男より遥かに小さい華奢な女とその後ろには私を買った男だ。
女は戦闘態勢を取っているがせいぜい少し興味本位でかじった程度だろう。
そして、私は足元に転がっていた二股のフォークを掴女に飛びかかる。
『貰った!』
と思った次の瞬間背中に衝撃が走りいつの間にか私は天井を見上げていた。そして、女の手には、私がさっきまで握っていたフォークが握られていた。
「え?」
これが今の私に出来る最大限の事だった。
ニールside--------
飛びかかってきた黒猫を私は投げ飛ばし、握っていたフォークを奪い喉に突き付けた。
「あっ、そうだお前にはあと1つお届け物があるんだ冒険者からの手紙だ」
純白の紙に赤い蝋で封をされた立派な物だ。
しかし、そんな事より。
「あっ、そうだじゃねぇよ!!危うく店が滅茶苦茶になる所だったじゃねぇか!!!!」
流石にもう無理、出禁にしてやる生涯出禁にしてやる。
殺意を火山の様に吹き出すニール。
「落ち着けって!!」
それに動じないクーガー
「その手紙は冒険者から及びだしの手紙だ。無視したらとんでもない事になるからな。」
「.........」
当分ニールの怒りは収まりそうにない